環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争





ゴミ箱やトイレから人間が見える。
日本の近代考古学は、モースによる大森貝塚の発掘から始まった、と日本史の授業で学ぶ。このときに、貝塚…

本が好き! 1級
書評数:688 件
得票数:8194 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





ゴミ箱やトイレから人間が見える。
日本の近代考古学は、モースによる大森貝塚の発掘から始まった、と日本史の授業で学ぶ。このときに、貝塚…





シリーズを総括する巻ではないようです。
講談社版「日本の歴史」シリーズの「締め」を飾る1冊。 本シリーズは、日本史研究を専門としない者…





冒険と鎮魂と.....
「綿密な取材による史実の再構成」というスタイルの吉村昭による戦史小説の読み応えは保証付きといってよ…




「この本は、理科の思考力で歴史を見よう、というものです、歴史的事実は同じでも、注目する主題のとらえ方、推理の過程はかなり違います。しかし、科学史書ではありません。」(本書冒頭、はじめに、7頁)
冒頭の引用は次のように続きます。 「科学技術はむしろ背景であって、それが人間の感性、知性をいか…





「戦艦大和ノ最期」のその後、を考える
戦記ものとして名高い「戦艦大和ノ最期」を、初めて読んだ。この学芸文庫版に掲載されているものだが、本…




詳細な記録から何を学べばよいか。
日本海軍の艦船ファンであれば、たいていの人が知っている空母瑞鶴。翔鶴とともに建造された日本海軍最新…




なぜ、これほどまでに負けたのか?
空母「翔鶴」乗員だったという方(そして生き残った)の話を聞く機会があり、その空母が沈んだ「マリアナ…





冷静な資料紹介と検討からこそ、歴史から学べるはず
アメリカによるイラクの占領がはじまったころ、日本の「占領期」についての関心が集まったことがある。戦…





教科書の教えない歴史は沢山ある。
占領下の日本に、新聞社の特派員として派遣された一ジャーナリストの日記である。ポツダム宣言受諾から間…





「しかも二十三歳の医学生という比較的身軽な立場から書かれたもので、真に書かれるべきは、家族も家も、或いは本人の命さえ奪われた多くの人々の記録であったろう。」(まえがき、5~6頁)
著名作家の有名な日記です。どこでどう知ったのかはおぼえていないのですが、それくらい有名なものです。…





日本の8月は有意義だ
1945年8月15日にポツダム宣言受諾を発表して以来、8月の日本には「戦争もの」があふれる。書籍、…





奄美大島の本土復帰は何周年になるでしょうか?
「戦後*0年」は、何かの節目であるかのように語られる。ならば、奄美大島が米軍占領下から日本本土への…




「自分が憧れていた華やかなトーキョーの片隅には、もうひとつの顔をもつ『東京』が拮抗し、リアルな生活が息づいていることを知った。」(「スリバチ歩きは永遠に」、202頁)
散歩・街歩きが大人の趣味として確固たる地位を獲得してから、おそらく30年ほど経っているのではないだ…





リアル『仁』の世界をたどる
ドラマ『仁』にはまった時がある。再放送でも、また、はまってしまった。西暦2000年に生きる脳外…





昭和政治史の教科書として。ここから学びはじめても遅くはない。
すでに多くのひとが紹介している本書を、あらためてここでとりあげるのは、少し気が引けるのだけれど、戦…





「だから『家族イデオロギー』と『都市イデオロギー』は矛盾せず、家系への自己同一化の狂おしいほどの感覚が、愛郷心の神話を生きることと背馳しない心的機構ができあがっていた。」(205頁)
イタリアにさほど詳しくなくとも興味深く読める1冊というのに、これほどタイトルのネーミングがうまくい…





「英国王のスピーチ」という映画があるのなら、「エンペラーズホリデー」という映画があってよい。
映画「英国王のスピーチ」は面白かった。よく考えてみれば、旧敵国の宣戦布告スピーチがクライマックスな…





「いい時期にいい対談ができて大変喜んでいます。・・・間に合って本当によかったというのが正直な感想です。」(上坂冬子)
以前、あるインタビュー記事で、鶴見氏が、最も信頼する書き手の一人として上坂冬子氏を挙げていたのを目…





「それらを丹念に読んでいくと、近代日本の歴史過程で時代変革や社会創造の担い手になっていた編集者や発行人の躍動するペンの響きが聞こえてくる。」(「学術文庫版へのあとがき」より、384頁)
どこか私の気持ちをざわつかせるタイトルである一方で、「『今風』ではない研究なのだろうな」とも感じた…





イルゼに「きみはいつも耳をかたむけてくれたね。そのとおり書くよ」
イルゼに「きみはいつも耳をかたむけてくれたね。そのとおり書くよ」 と、冒頭に付された本書は、芸術…