大事故の予兆をさぐる―事故へ至る道筋を断つために





なりこそ小なりといえど、大事故対策を考える大著
現代社会において、科学技術の進歩にもかかわらず、というよりもそれ故にこそ大規模な事故を招く可能性が…

本が好き! 1級
書評数:713 件
得票数:8454 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





なりこそ小なりといえど、大事故対策を考える大著
現代社会において、科学技術の進歩にもかかわらず、というよりもそれ故にこそ大規模な事故を招く可能性が…





「あと何年ほど、たしかな頭脳で本を読みつづけられるのかと、時間に追われるあせりで、夜半に目がさめたりする。」(単行本版、219頁)
著者没後に刊行された1冊です。亡くなられたのは1998年3月、本書は同年8月の刊行です。没後すぐの…





「私の勤務した博物館の収蔵庫には、人さまの注目からは無縁の古地図が数多く収納されている。それらを前にすると、江戸時代には伊能図よりもこちらの方が認知されていたはずと思ってしまう。」(あとがき127頁)
世間には、地図好きも古地図好きも多いようで、研究者も関連書籍も数多い。「伊能図」など大人気で、大型…





世論調査の過程をブラックボックスにしないために
「世論調査」とは何か。これほど頻繁に言及され、民意の動向を探るのに重要な役割を果たしている割に、ど…





「ふと立ち止まって考えてみると、デザインをめぐる解釈は決して一様ではない。」(「はじめに」より)
近代以降の世界におけるデザインの流れをまとめた1冊。ずいぶん前に買い求めていたものを再読してみたと…





「外部の者とおおらかに付き合える生活のゆとり、文化の高さを、そこに見出せるような気がする。」(陣内「はじめに」vii)
引用したかった部分は全体で以下になります。 「われわれはどこでも歓迎を受け、数多くの家族に家の内部…





「90%の確率」とは何か?
統計を理解した先、実践に活かすためには何をしなくてはならないのだろう? 研究者でなくとも、われわれ…




心理学では何がわからないのか
一見、入門書のようなタイトルをもつが、やさしい入門書というわけではない。心理学が科学としてどのよう…




世論調査(の数字)と政治家との対決
「数字がどこまで信用できるのか」とサブタイトルが付されている本書も、「統計や社会調査での数字がいか…





いかにして数字がつくられ、いかに使われるのか、というプロセスをきちんと把握することの大切さ
「統計」や「データ」の「ウソ」とか「罠」とかという本が少なくない。無色透明なはずの数値が、いかにい…





「世界のどこを見渡しても、日本ほど雑誌のふろくが発達している国はありません。(中略)ふろくー特に子供向けの紙おもちゃふろくは、日本独自の文化だと言えます。」(弥生美術館学芸員・中村圭子、4頁)
浮世絵展の図録を見ていた時に「おもちゃ絵」という言葉を初めて知り、以来、このことばが気になって仕方…





クリストファー・ロビンは、なぜ雨の降る浜辺で幸せを感じたのか?
本書を初めて手に取ったのは大学の図書館だった。著者についても、このことばについても、何の予備知識も…





熱血、明快! 地図職人の世界
世の中には「地図ファン」という人は多いらしく、関連書のみならず専門雑誌もあるそうだ。本来ならば地図…





かいだん? カイダン! 階段!!
今、あなたの前にふたつの道があるとしよう。ひとつは、歩道のあるふつうの道。もうひとつは少し遠回りに…





「金のかかる首都高や巨大道路はもういらない。住民自身が手入れできるような街路を造るべきだ。本文でも出てきたような芝とコンクリートブロックの道だっていい。自動車が通らなければ問題ない。」(189頁)
散歩指南本は今なお新しい本が刊行され、散歩に関するキーアイテムもいろいろ発掘されています。近現代建…





シンプルかつ大胆な調査論議
本書は講談社ブルーバックスから1984年に刊行された同名書の再刊である。四半世紀も経ってからの再刊…





シリーズを総括する巻ではないようです。
講談社版「日本の歴史」シリーズの「締め」を飾る1冊。 本シリーズは、日本史研究を専門としない者…





「本当に『何もない』なんてことは一度もなく、離島の本屋は驚きと発見に満ちていた。」(ふたたびの旅のまえに、4頁)・・・でも、「ふたたびの旅」はちょっとほろ苦い。
本書の大元は、本屋大賞のフリーペーパー「LOVE書店」で連載されていたものです。「各地の島の書店を…





冷静な資料紹介と検討からこそ、歴史から学べるはず
アメリカによるイラクの占領がはじまったころ、日本の「占領期」についての関心が集まったことがある。戦…





教科書の教えない歴史は沢山ある。
占領下の日本に、新聞社の特派員として派遣された一ジャーナリストの日記である。ポツダム宣言受諾から間…