吉原手引草

(ブログ再録)突如その姿を消した人気花魁。その失踪事件を軸に、吉原という特殊な世界の在り方、花魁の葛藤を描き出してます。
(ブログ再録 2007/9/8) 第137回直木賞受賞作のこの作品。 この回の他の候補は…
本が好き! 1級
書評数:171 件
得票数:2587 票
某地域包括でケアマネ兼社会福祉士で仕事中。
ミステリを中心に、日本の古典や民俗学、宗教学が読書傾向。年を重ねるに連れて読書スピードが落ちているのが、もっかの課題。。

(ブログ再録)突如その姿を消した人気花魁。その失踪事件を軸に、吉原という特殊な世界の在り方、花魁の葛藤を描き出してます。
(ブログ再録 2007/9/8) 第137回直木賞受賞作のこの作品。 この回の他の候補は…





『安徳天皇漂海記』の外伝的小説。異形の世界で描かれる滅びの美しさ。山田風太郎にして、江戸川乱歩。日本小説界が生んだ二人の巨星に通じる匂い持つ作家。宇月原晴明は買いだ。
最初に注意。やはりこの小説を読む前に『安徳天皇漂海記』は読んでいて欲しい。 収録されているのは…




『黎明に叛くもの』が整然としたif的ロジックの集約によって完成された小説ならば、こちらは混沌の海の上に広がる物語。 そしてそのカオスの海に漕ぎ出す船こそは「聚楽第」。
『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』、『黎明に叛くもの』の間に挟まる作品。 前作『信長~』で…

司馬遼太郎「国盗り物語」へのオマージュながら、斎藤道三と松永久秀を暗殺集団の義兄弟という設定、黎明という言葉に込められた、歴史の実在とifがからみあう一大絵巻。
まず、戦国時代の梟雄として知られる松永久秀と斉藤道三がイスラム系暗殺集団の秘術を受け継いだ義兄弟とい…

第十九回山本周五郎賞受賞作。壇ノ浦に消えた悲劇の天皇の魂が導く伝奇小説。物語の閉じ方には難を感じたが、それでもこの作品の持つ不思議な空気は捨てがたい。
物語は2部構成。 第1部は私なる語り手による、鎌倉幕府三代将軍源実朝の人物像である。異形なるはそこ…



世界遺産である宮島の歴史において、忘れられようとしていた物語を発掘する。古文書愛好家である著者の検証は面白い。同時に著者の視線に随筆のあり方も考えてしまった。
広島・呉で生を受け、今は宮島の対岸で暮らす自分にとって、宮島(厳島神社)というのは、そこにあるのが…




古代〜中世の歴史は、不確定な資料の中で、識者の数だけ物語があるように思う。この小説もまたひとつの浪漫だろう。
ハードボイルド作家馳星周初の歴史小説。ただ、今までの馳作品は『不夜城』を初め一冊も読んでいないので、…