羊と鋼の森




形のないものを言葉にすることの難しさ。この小説はそのハードルを軽々と超えるだけではなく、言葉と比喩の素晴らさによって、ピアノのメロディをビジュアルとして表現しきっている。
形の無いものを言葉にし伝えることは難しい。 高校生の時、偶然ピアノの調律に出会った外村。彼は…
本が好き! 1級
書評数:171 件
得票数:2587 票
某地域包括でケアマネ兼社会福祉士で仕事中。
ミステリを中心に、日本の古典や民俗学、宗教学が読書傾向。年を重ねるに連れて読書スピードが落ちているのが、もっかの課題。。




形のないものを言葉にすることの難しさ。この小説はそのハードルを軽々と超えるだけではなく、言葉と比喩の素晴らさによって、ピアノのメロディをビジュアルとして表現しきっている。
形の無いものを言葉にし伝えることは難しい。 高校生の時、偶然ピアノの調律に出会った外村。彼は…




実在の人物であるエンリケタをモデルにしたジャンル分け不能の不思議な読後感。それでもこの小説の主役は、エンリケタでも、彼女を追うコルボ警部でもなく、舞台になったバルセロナの街そのものだと思う。
20世紀の初頭、実際に存在した「バルセロナの吸血鬼」エンリケタ(作中でも同名)をモデルにした小説。…



良くも悪くも東野圭吾なストーリー。ミステリとしては弱いけどサスペンスとしては上々。ただ、主役的な人物が不在なので、終盤登場人物に感情移入しづらい。案外、この作品は映画の方がいいかも。
「もし、この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在するならば、その存在は、…





著者が明言している通り、「砂の器」の本歌取りのような作品。それでもなお500ページ超の作品を一気に読ませるのは、著者の確かな筆力と、登場人物達の濃厚なキャラのおかげでしょうか。タイトルが秀逸。
著者があるインタビューでこう答えている。 将棋に「砂の器」で描かれたような人間ドラマを掛…

本格ミステリと民俗系ホラーのハイブリッド、刀城言耶シリーズ第1弾。かなりハイレベルで面白いけど、登場人物の名前だけはなんとかなりませんか???
ホラーテイストで進みながら、閉鎖的な村で起こる連続殺人を綺麗に積み上げた論理で解決するガチガチの本格…




怪談系ホラーど真ん中の前半、一気にB級ホラーテイスト(褒めてます)に雪崩れ込む後半。荒削りだけれど、異様な迫力を感じるデビュー作。日本ホラー小説界の新星誕生の匂い。
(ブログ 2016/10/17再録) これがデビュー作か~~~~。すげぇなぁ~~~~~。 …





いろいろな怪異・怪談の類の先例を取り込みながら、単純に怖い物語を創り出している。怖いだけに、途中から強くなるミステリ要素は好みが分かれるかも。。
いや~、これは面白かった。 現在進行系で主人公たちの前に現れる怪異と、怪異の発端となったと…




モスラを生み出した原作者たちは、何を隠そうあの人達だった。
ザ・ピーナッツ扮する小美人が歌う「モスラや~、モスラ~♪@==W"`O%{OR{WOL{{WERLW…





格調高い古典芸能、気軽には見に行けない敷居の高さ。。そんなイメージを女性にスポットを当てながら、覆していく。歌舞伎に興味がなくても興味を持ってしまうような、良質なエッセイ。
ここ数年、意識して歌舞伎を見るようになった。とはいっても広島に住んでいると、生で歌舞伎を観る機会な…