私が大好きな小説家を殺すまで

ミステリの枠組みをした恋愛小説だと思う。陰鬱なテーマを平易な文章で語る筆致は好みが分かれるかもしれないけで、淡々と壊れていく日常の空気、僕は嫌いじゃない。
{{{ 突如失踪した人気小説家・遙川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった一人の少女…
本が好き! 1級
書評数:171 件
得票数:2587 票
某地域包括でケアマネ兼社会福祉士で仕事中。
ミステリを中心に、日本の古典や民俗学、宗教学が読書傾向。年を重ねるに連れて読書スピードが落ちているのが、もっかの課題。。

ミステリの枠組みをした恋愛小説だと思う。陰鬱なテーマを平易な文章で語る筆致は好みが分かれるかもしれないけで、淡々と壊れていく日常の空気、僕は嫌いじゃない。
{{{ 突如失踪した人気小説家・遙川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった一人の少女…


『ラプラスの魔女』の前日譚だけれども、肝心の能力が短編の中で活かしきれてない。それなりに楽しいけど、読み終えてしばらくすると印象に残らない。これもまた東野ミステリのもう一つの特徴なのかも。
『ラプラスの魔女』の前日譚。全5話収録、そのうち4話に前作のヒロイン・円華、最後の1話に地球化学の…





著者が明言している通り、「砂の器」の本歌取りのような作品。それでもなお500ページ超の作品を一気に読ませるのは、著者の確かな筆力と、登場人物達の濃厚なキャラのおかげでしょうか。タイトルが秀逸。
著者があるインタビューでこう答えている。 将棋に「砂の器」で描かれたような人間ドラマを掛…



死体鑑定を巡るドラマ性は結果としてついていくるもの。著者の揺るがない「死体は語る」という姿勢には共感を覚えた。
上野さんの名前はこの本が出るまでは失礼ながら存じ上げなかった。たまたま書店でこの本を見かけて図書館に…





「昭和』と「平成」で身近なものがどういう変化をしたのか。見開き写真で見比べながら家族で推理。我が家でもすごく盛り上がりました。そのうち今の平成も懐かしがられるときがくるんでしょうね。
10年ぶりに車を乗り換えて、ライトの自動点灯やら車線変更の警告音やらあまりの進歩にびっくりした。そ…



このミス大賞受賞作だが、ミステリ部分はかなり弱い。その分、現代アート世界について丁寧に描かれているのは、作者の情熱がそこにあったからなのか?単純にミステリが好きという人には少し弱いかな。
このミス大賞は「ガン消滅の罠」「チーム・バチスタの栄光」だけ読んでますね。ミステリジャンルの中では…





震災で喪った家族が、ある時遺された家族の前に姿を表す。例え非科学的であろうと、事実と信じ、魂と向き合う姿に涙する。
死者18000人余りを出した東日本大震災。震災直後からメディアを通じて、未曾有の大災害がもたらした想…



温泉という言葉に惹かれたが、読み終わってみると、内容が分からないなりに、地理という分野の面白さに少し触れることが出来た、と思う。
献本で当選した本書。 応募した理由は、特集記事が「温泉へ行こう」だからだ。こういう雑誌があるだろ…




古代〜中世の歴史は、不確定な資料の中で、識者の数だけ物語があるように思う。この小説もまたひとつの浪漫だろう。
ハードボイルド作家馳星周初の歴史小説。ただ、今までの馳作品は『不夜城』を初め一冊も読んでいないので、…




実際の事件を下敷きにしたフィクションではあるけれど、徹底した構成でノンフィクションのような物語を構築、事件の真相のやるせなさは強烈だ。
読み終わって、ドーンと重いものが残る。そんなタイプの小説だ。 昭和犯罪史に残る未解決事件「…