ゴッドファーザー 上



ゴッドファーザー即ちヴィトー・コルレオーネの一代記。彼がシシリー島を出てニューヨークのマフィアのボスになるまで。彼は合理的な人間で暴力も性も好まない。そんな彼の支配下で裏社会も平和だったのだが・・・。
同名の映画の原作。 上巻は三部に別れているが、実質的なストーリーは第一部のみと言ってよい。 …

本が好き! 1級
書評数:1689 件
得票数:37747 票
神奈川県に住むサラリーマン(技術者)でしたが24年2月に会社を退職して今は無職です。
読書歴は大学の頃に遡ります。粗筋や感想をメモするようになりましたのはここ10年程ですので、若い頃に読んだ作品を再読した投稿が多いです。元々海外純文学と推理小説、そして海外の歴史小説が自分の好きな分野でした。しかし、最近は、文明論、科学ノンフィクション、音楽などにも興味が広がってきました。投稿するからには評価出来ない作品もきっちりと読もうと心掛けています。どうかよろしくお願い致します。



ゴッドファーザー即ちヴィトー・コルレオーネの一代記。彼がシシリー島を出てニューヨークのマフィアのボスになるまで。彼は合理的な人間で暴力も性も好まない。そんな彼の支配下で裏社会も平和だったのだが・・・。
同名の映画の原作。 上巻は三部に別れているが、実質的なストーリーは第一部のみと言ってよい。 …




実業家マガンハルトをブルターニュからリヒテンシュタインまで送ると言う危険な仕事を請け負ったルイス・ケイン。だが誤算続き。雇ったガンマンはアル中、マガンハルトは連れがいる。ルイスの計画は成功するか?
これもラジオドラマで知った作品である。 かつて通称カントンと言う名のレジスタンスの闘士だったル…



中編2編を載せる。リンゴォ・キッドこと二村刑事が非番の日に任された事件を扱う。彼が主人公兼語り手であるが、彼の目にしたことが語られるものの、その語り手の内心の描写が殆どない点が、僕には目新しかった。
「リンゴォ・キッドの休日」と「陽の当たる大通り」のいずれも180頁程度の中編を収める。本書の主人公は…



純和製のハードボイルド小説。昭和感がぬぐえないが評者には懐かしい作品。古典とも言えず、時代遅れではあるが、こうして日本が熱かった頃の小説を読むのも悪くない。
父が病院を経営し、医学部の学生である雅史、司法試験を諦めたばかりの克哉、親が外交官で山手に住み、商社…



本書のミス・マープルもの「グリーンショウ氏の阿房宮」はなかなか凝ったトリックを使っている。これだけでも読む価値はあるかもしれないが、仮にハヤカワ文庫だけで集めたとしても本書も重複の多い短編集である。
本書「クリスマス・プディングの冒険」はハヤカワ版の短編集だが、6つの作品のうち3つが創元社のクリスチ…


本書は百頁程度の中編4作からなる。但し、そのうち2作品は他の短編の焼き直しであり編集の仕方に問題がある。全集とした故、仕方ないのかも知れないが、冒頭の「厩舎街の殺人」が秀逸だったのにこの構成は残念
クリスチィ短編全集の第5巻は全てポワロものである。掲載作は「厩舎街の殺人」、「謎の盗難事件」、「死人…




本書も第3巻と同じく原作の「黄色いアイリス」を中心に他の短編集の作品もあるハイブリッドな構成。評者イチオシは「夢」。原作の表題作「黄色いアイリス」はノン・シリーズのある作品を彷彿とさせ、これも悪くない
クリスチィ短編全集の第4巻は、13編からなり、ポワロもの9編、ミス・マープルもの1編、パーカー・パイ…




この第3巻から英語版の短編集と構成が異なるハイブリッドな短編集となっている。有名な戯曲の小説版「三匹のめくらのねずみ」の他、ポワロ、ミス・マープルが4編ずつ、謎の探偵クィン氏が1篇掲載されている。
創元社のクリスチィ短編全集の3巻目は、10編の短編を収めている。創元社の全集は第2巻までが原語の「死…



「リスタデール卿の謎」と言う題名の短編集の全訳。全てノン・シリーズで、多くは素人の巻き込まれ型、飛び込み型のミステリ。類型的な作品もあり、多様性を示したとは言えないがシリーズものに無い味わいがある
本書は創元文庫の短編全集の2巻となっているが、原書では「リスタデール卿の謎」と言う題名の全てノンシリ…



クリスティのオカルトものを中心とした異色の短編集。オカルト以外の作品もあるが、本書全体の構成の妙もあるので、それがどんな作品かを言及するとある意味でネタバレになる。
創元社はクリスティの探偵のキャラクターごとに短編集を出しているが、この短編全集は落穂拾い的な作品を集…





実態不明の探偵クィン氏と常識人サタースウェイト氏のコンビ。彼等は常に男女の幸せの為に働く。ミステリでありながらプロットではなく雰囲気で読ませる。ご都合主義の筋書きでも好きにならずにいられない。
「クィン氏の事件簿」と題されているが、ハーリ・クィン氏はミステリ史上、もっとも実在性のない探偵と言え…


禿げ頭の大男、退職官吏のパーカー・パインが扱う事件。十二の短編のうち前半の六編は主に家庭内のもめ事や人生相談。果たして、この探偵の特色を他の有名キャラクターに比較して際立たせることが出来るのか・・。
クリスティの無名のキャラクター、パーカー・パインを探偵役とする短編集である。「パーカー・パインって誰…


ポワロのファースト・ネーム「Hercules」とギリシア神話のヘラクレスの十二の偉業を引っ掛け12の事件を解決すると言う中期の短編集。偉業として取り組む事件はちょっと小粒な感じがする。
ポアロもの中期の短編。執筆年代は概ね1939~40年頃、最後の「ケルベロスの捕獲」だけは1947年で…



本書は、ポワロが11編、オカルトが1編、ミス・マープルが1編と言う構成。ポワロものは創元社の第2巻とかなり重複する。ミス・マープルには「13の謎」と言う短編集があるが、本書の1編はそれに漏れた作品
本書の大半は、創元社の 「ポワロの事件簿2」 と重複している。残りと言うと著者に失礼だが、「ポワロの…




ポワロの初期短編集の2巻目(創元版のこの題名はこの2巻まで)。更にホームズ的な雰囲気の短編が並ぶが、プロットは全く別で粒揃いの作品が多い。
ポワロものの短編集の2巻目。ただし本書は原書の「ポワロ登場」という短編集から3作(「ヴェールをかけた…



名探偵ポワロの初期短編集。作品は全て「ポワロ登場」からなる(本書から漏れた「ポワロ登場」の作品あり)。密度の濃い文章とみずみずしい文体から著者の若々しさを感じる。プロットはまさに古典的。
1920年に「スタイルズ荘の怪事件」で名探偵ポワロをデビューさせたクリスティーが、彼を主人公に書いた…


まさに英国の伝統的な推理小説。田舎を舞台にした綿密なプロット設定の本格推理小説である。このシリーズの翻訳が2作に留まったのは誠に惜しい。
フィンチ首席警部シリーズの日本語訳その2(本国では、15作目に当たり、翻訳も実はこちらが先だった)。…




イギリスのベテラン警察官、フィンチ首席警部を主人公とするシリーズ。著者は、ホームズの短編パスティーシュで有名な作家。パスティーシュに劣らず水準の高そうなシリーズである。
シャーロック・ホームズものの短編パスティーシュで有名なジューン・トムスンのオリジナルの推理小説である…





中学や高校で習う物理法則を記述する式は美しい。美術や音楽と全く異なる世界でも美は存在する。だがその延長で最新の基礎物理学がを論じると大変なことになると言う警鐘を鳴らした本である。
朝日新聞の書評で知った本。本書の問題意識は「はじめに」に書かれており、「美意識に頼った判断がいかに現…




プロレタリアート作家のゴーリキーの短編。本書の作品は背景や人物造形が克明で、趣向を凝らしている。プロレタリアートの一言では言い表せない作家の多様性を感じる作品集である。
プロレタリアート文学の草分けとして知られるゴーリキーの短編7つを収める。このうちひとつ(海つばめの歌…