マイブック:2024年の記録





活字中毒の諸兄、あけましておめでとうございます。2024年読んだのは244冊。比較的いい本に巡り合う確率が高かったような気がします。今年もいい本にたくさん巡り合えますように。
たいていは気に入った作家の作品をまとめて読むという、実に浮気をしない読者である塩味です。今年は新た…

本が好き! 1級
書評数:2238 件
得票数:30339 票
「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。





活字中毒の諸兄、あけましておめでとうございます。2024年読んだのは244冊。比較的いい本に巡り合う確率が高かったような気がします。今年もいい本にたくさん巡り合えますように。
たいていは気に入った作家の作品をまとめて読むという、実に浮気をしない読者である塩味です。今年は新た…



本家「スタンド・バイ・ミー」よりは纏まりがあってなかなか読ませる内容の少年冒険譚ではありますが、百田小説には常にパックリ疑惑が見え隠れしてすっきりしないいなぁ。
自分の臆病さに悩みを持つ小学6年生の遠藤宏志は、勇敢な男になるために友人二人とともに騎士団を結成。と…




農薬は毒か必要悪かというところから導入して、世界飢饉、農業の未来へと早大に話を広げる対策になっています。飽食日本反省すべし。
物語の発端はドローンによって散布されていた農薬が事故により子供たちの頭上に撒かれて健康被害を起こす…



ペンギンやミツバチ、カピバラやナマケモノなど20種類の生き物の生態を漫画と文章で紹介した一冊。彼らのユニークな生態が迷える現代人のストレス解消の指針になってくれるという趣向で構成されています。
ペンギン、ライオン、パンダ、ネコ、キリン、ミツバチ、ハダカデバネズミ、ラッコ、カピバラ、ゾウ、リス、…



前作に引き続き精神科専門医が著す精神疾患患者の実際。今回は街の中にあるメンタルクリニックでおこなわれている診察を通して様々な精神疾患が紹介されます。
精神科クリニックに訪れる患者の主訴や治療経過について自身精神科医である著者によるヒューマンドキュメ…

こういう医療ドキュメントは嫌いです。特にルポライターによる第3者の目が入らない、当事者の手によるドキュメントは大いに偏見と独善が記されており場合によっては鼻持ちならない。
自殺未遂や、錯乱状態といった明らかな精神的な障害を持った人々が送り込まれるのが、精神科救急(ER)…




誰がスパイなのかわからない、またはスパイが全く出てこなくてもスパイミステリーとして完成されている「D機関」シリーズ第4作。読者すら欺くようなスパイたち。これがD機関の真骨頂です。
舞台はベルリン、東京、奉天と第2次世界大戦前夜の最も熱い地区でD機関のスパイたちが暗躍します。 …





第2次世界大戦勃発前の史実を背景とした、インテリジェント小説です。歴史の歯車を動かすために世界中でスパイ小の暗躍があったことをほのめかすフィクションとなっており、リーダビリティー満点です。
前作ジョーカー・ゲームがあまりにも面白すぎたため、引き続き続編に着手しました。 ダブルジョーカー …





リアルなインテリジェンス小説。スパイというと映画などでは派手な活躍でワクワクしますが、本作ではひたすら目立たず地味に暗躍します。陰謀や犯罪に立ち向かう影の軍団のミステリ連作です。
007、ミッションインポッシブルといった派手なアクションで見せるのは2流。目立たず正体を隠して罠を仕…



化学、薬学、毒物学、医学、経済、経営、物理、宇宙工学・・・数理統計学の理論はあらゆる科学分野で必須です。経験則から確率論などを取り入れ「科学」へと進化した統計学の一世紀にわたる科学史です。
仕事の上で実は大変お世話になっている統計学の歴史を一般向けに、数式を全く使わず易しく述べている史書…




今野敏さんの警察小説のなかでは異質な構成です。そのゲームソフト「蓬莱」には「日本」そのものの未来が予言されている?ゲームと日本史と陰謀を絡めたスケールが大きい小説になっています。
ゲームにはまり過ぎてリアルとヴァーチャルの区別がつかなくなって…というSFホラーっぽいミステリは過去…





♪コロナだーって、ヒトデだーって、ミドリムシだーって、みんなみんな生きているんだ。友達なんだー♪っていう本です。あまり友達になりたくない奴も入っていますね。
この本初版から既に28年、四半世紀以上経っていますよ。図書館にも書店にも行かない「stay hom…





ユーゴスラビア(さよなら妖精)に次いで今度はネパールが舞台のミステリー。この2国が舞台というだけでこのシリーズ大好きです。異国でに殺人事件に巻き込まれた女記者の推理と活躍を堪能できます。
「さよなら妖精」 に引き続きクールな才女・大刀洗万智が活躍するシリーズで 「Berufシリーズ」…



外国人が覗いた日本人気質です。戦国時代に世界一の鉄砲保有国であった日本が江戸時代にはこの殺戮兵器をすっかり捨て去ったことに過度に日本礼賛的です。ここまで日本人を持ち上げられるとこそばゆいですな。
歴史を読み解く上で、人類の生活や文化にかかわりあるアイテム、あるいは発明を軸に描くというのは面白く…



関東崩壊というメガ・クライシスを語る科学サスペンス。風呂敷がでかくて、それなりに楽しめるのですが、多くの逸話を突っ込み過ぎ。「日本沈没」みたいにあっけらかんと楽しめればよいのですが。
生存者ゼロ でのパンデミック、 ゼロの迎撃 の国際テロとどうしても日本の平和と安寧を脅かしたい安…


「とある推理小説の超電磁砲(レールガン)」です。独力で実用レールガンを完成した主人公が、姉を見殺しにした悪徳代議士を撃ち殺そうとするのですが・・・・大道具に頼って推理モノとしても魅力はゼロなのが残念。
今回の主役は湯川准教授とはかなり年が離れているが高校の後輩である古芝君。彼は湯川先生とも親交があり…





博士の・・・ときたら「異常な愛情」と答える塩味ですが、S・キューブリックをも凌駕するくらい本作は大変いい小説です。小川氏の文章は品の良い静謐さが魅力です。本編も期待を通りの美しい文章で綴られます。
一見無味乾燥していて 感情移入が難しいと思われる数学、数字、数式に、愛らしさを感じさせる文章力 は…




愛犬に引きずられて道路で轢死した少年。犬の突然の暴走は事故だったのか、人為的に起こされたものなのか?動物生態学に詳しい間宮助教授を探偵役にこの謎に挑みます。最後の最後まで眼が離せないどんでん返しも。
道尾秀介は同じミステリーでも 「シャドウ」 「球体の蛇」 などの毒々しくて重い作品と、 「カラス…


東野圭吾の近未来SF、映画化されていて評判がいいようです。でも東野のSFって馴染がうすいし、数少ないSFである「パラドックス13」や「パラレルワールド・ラブストーリー」は駄作だったし、今回も望み薄です
国民のDNAをデータ化し、犯罪者の遺留品などからどのような事件も解決するようなDNA犯罪捜査システ…



よくよく考えてみ ると荒唐無稽なストーリー展開ですが、軽快な語り口と、テンポの良さ、随所にちりばめられたスリリングな事件で、読者を飽きさせず最後まで引っ張ります。
垣根涼介のデビュー作、後に 「ヒートアイランド」 や 「君たちに明日はない」 などの名作を生み出…