細雪



「女の文化」というけれど、どうにも共感出来ない・・・。
『細雪』の主人公は、船場のお店の四姉妹。 父母はすでになく、船場の大店の長女で本来なら裕福に暮…

本が好き! 1級
書評数:2942 件
得票数:61094 票
ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
よろしくお願いします。



「女の文化」というけれど、どうにも共感出来ない・・・。
『細雪』の主人公は、船場のお店の四姉妹。 父母はすでになく、船場の大店の長女で本来なら裕福に暮…




自分が遅れてきたことを痛感する戦後派の若者の痛みを生々しく描く。
上下巻の書評です。 ウィーンの市庁舎公園で出会ったジギーとグラフは、戦後派の若者たちだ。 …



世襲制の総理とスパイによって暴露される諜報と政権の秘密は、なかなかに生々しい。
職業は世襲制。総理の子は総理となり、スパイの子は、スパイとなる社会。 小学生のとき父に置き…




『居酒屋』『ナナ』を含む、ルーゴン・マッカール家の一大叙事詩、はじまる。
20巻にも及ぶルーゴン・マッカール叢書は、ゾラがバルザックに対抗して『人間喜劇』の続編となるものを…




孤独な青年と美しい伯爵夫人との純愛、だが、それは悲劇の始まりだった。
「谷間の百合」 貴族の次男坊フェリックス・ド・ヴァンドネッスは、両親から愛されることのない孤…





壮大なる片思い。映画は、断然レッドフォードの方が好き。
豪奢な邸宅に住み、栄華に包まれているかに見えるギャツビー。 それは、西部の貧しい百姓の子とし…





この本を読んで肉を食べるのを躊躇してしまっても、しばらくすると、私たちはまた何もなかったかのように肉を食べる。だから、こういう会社がなくならないのかもしれない。
父が仕事である日豆腐の工場に行き、その工場管理のあまりのずさんさにショックを受けて「もう、豆腐は絶…





20世紀初頭のおぞましいばかりの食品加工工場の実態。でも、これが完全に過去のことと言えるのか・・・?
1904~1905年に書かれた『ジャングル』は、当時のアメリカの深刻な社会問題を描いた自然主義小説…




資本主義の被害者ネルの、『天路歴程』の旅
上下巻合わせての書評です。 骨董屋を営むトレント老人は、孫娘のネルを溺愛している。彼にはネ…





ケストナーの誕生日に、彼の代表作を読もう。
もともと詩人として出発したケストナーは、1929年、ドリトル先生の物語などの児童図書を出版していた…




かつてエラリー・クイーン名義で『青の殺人』を書いていたことがある短編の名手エドワード・ホックの短編集。
『夜はわが友』には、21の短編が収められている。 「黄昏の雷鳴」 戦場で暴君と化した…





森鴎外って、意外とゴシップ好き。
森鴎外の「椋鳥通信」が初めて世に出たのは、1909年3月、雑誌「スバル」3号。「スバル」は森鴎外が…





悟空の冒険は、文句なしにおもしろい!
10巻まとめての書評です。 『西遊記』は、孫悟空の誕生から話が始まる。 天地開闢以来ず…



バレンタインデーに、とびきりの恋の喜劇を。
ちょっとおバカな有閑貴族バーティが巻き起こすバカ騒ぎを描いたジーヴス・シリーズの中でも最高傑作とい…





遠い雲上人ではなく、自分たちにとって身近でなくてはならない人と意識されている女王陛下。すてきです。
女王陛下が、偶然ウィンザー城内にやって来た移動図書館と出会い、好奇心から本を借りてみる。そして、そ…



孤立無援のまま、度重なる不幸をものともせず頑張って生きていくローリーの強さは、私たちの希望の星となる。
スコットランドの銘菓で裕福な領主の末っ子に生まれながらも家政婦と恋に落ち、勘当同然の目に遭って行方…



恋の狂騒を描いたコメディ。男たちの愚かしさを、思い切り笑い飛ばそう。
オックスフォードの学園寮長の孫娘ズリイカ・ドブソン。彼女は、一目見た男たちを、たちどころに恋の虜に…




追いかける身が、なぜか追われる不思議。堂々巡りの張本人は、誰?
この世に終わりが来たようなある夕焼けの中、と話は始まる。それは、いったいどれほどの夕焼けだろうと、…





その素質などないのに英雄になりたかった男の哀れな末路。
上下巻合わせての書評です。 老朽船パトナ号の一等航海士のジムは、アラビア人の巡礼八百人が乗…





謎の遺産を与えられた少年が翻弄されまくる、ミステリ仕立てのディケンズの名作。
両親と幼い頃に死に別れ、冷酷な姉に育てられていたピップ。彼は姉からは残虐な仕打ちを受けてはいたもの…