もっと知りたい歌川広重―生涯と作品
好みではなかった広重も解説を通して意外な魅力を感じられるようになった。
自分の中で歌川広重というと、どこか地味で面白みがない印象があった。同じ浮世絵師でも自分の好みである葛…
本が好き! 1級
書評数:605 件
得票数:9224 票
月に二十冊読むこと、週に一つは長文書評を投稿することが目標。
好みではなかった広重も解説を通して意外な魅力を感じられるようになった。
自分の中で歌川広重というと、どこか地味で面白みがない印象があった。同じ浮世絵師でも自分の好みである葛…
日本のゴーギャンにも例えられる田中一村は、ゴーギャンと同じく不遇でありながらも絵に全てを込めていた。
この本の序文でも触れられているが、多くの人に田中一村の存在が知られるようになったのはテレビ番組がきっ…
断片的にしか知らなかったピカソについて網羅的に知ってみると、先入観が覆されてアカデミックで時代に翻弄されるピカソが見えてきた。
もはや説明不要の二十世紀を代表する画家パブロ・ピカソ。編者をして ピカソなくして、二十世紀という時代…
戦前に世界を股にかけて描き続けた日本人画家、その波乱に満ちた生涯を反映して画風は幅広い。
自分が藤田嗣治のことを初めて知ったのは、確かテレビ番組だったはずだ。そこで知った藤田嗣治は、戦前に日…
超現実的な世界を描きながら、ごく普通の生涯を送ったマグリット、だからこそ映像で見たい。
名前は聞いたことはあるが、どんな絵を描いたのか、どんな生涯を送ったのか、全く知らないままに、その印象…
虚像を剥がして見えてくるリアルなゴッホから、美術の奥深さを垣間見る。
世界的に知られる画家ファン・ゴッホ。その解説本だが、まず初めに掲げられているのは三点の絵画。そのうち…
劇的で濃密で映画のような人生
クロサワ映画を何本か見たことある自分だが、黒澤明本人のことはほとんど何も知らない。そこでひとつ知ろう…
統合失調症で悩む人のみならず、様々な悩みを抱える人の励みとなり参考となる一冊。
前作に当たる『統合失調症がやってきた』を読んだ時の衝撃は忘れられない。 強烈なインパクトがある松本…
見るだけで元気が湧いてくる超現実的な世界を描く明治幕末の絵師。
自分にとって河鍋暁斎が描いた作品は、見るだけで元気が湧いてくるような存在だ。幕末から明治という激動の…
お墓から見る人類の多様性。こうした類の本のスタンダードになってほしい出来栄え。
この本のように世界の〇〇と冠して、特定のテーマから世界の奇景、奇観を紹介する写真集は沢山ある。だがし…
連載版と単行本版、こうの史代によるイラストと自分が想像していたイメージ、それぞれのギャップを楽しみつつ、やわらかく暖かく生っぽいイラストを楽しむ。
以前にレビューした宮部みゆき著作の『荒神』 は、元々は朝日新聞に連載されていた小説だ。その連載版に…
「絵」と「言葉」の関係、「わかる」と「わからない」の関係、そして「わかりやすさ」について考える。
JTの「大人たばこ養成講座」や、東京メトロのマナーポスター「家でやろう」などで有名なデザイナーの寄藤…
リスかわいい!で終わらせない著者の気持ちのよいキモさ
リスといえば哺乳類でネズミの仲間で木の上に住む動物。自分のリスに対する認識はこの程度で今までリスにこ…
ここ最近読んだ本の中で、最も自分の固定観念を揺さぶられた本。
自分は原付バイクを持っている。通勤に買い物に、日常の足として活躍してくれる。しかし、もう少し荷物が積…
いまさらナンシー関を読んでみる、なんだ、いま読んでも面白いじゃないか。
ナンシー関のことは前々から気になっており、著作を読んでみたいなとは思いつつも、なんとなく手が伸びなか…
字幕の奇妙な冒険~字幕屋はくじけない~
自分は文章を書く時に句読点にほとほと悩まされる。そう常々思っていた時に、本書のタイトルが目に入った…
奇想天外のプロジェクトに何を見る
面白いタイトルに惹かれて手に取り、パラパラとめくってみると、奇想天外なプロジェクトの数々にすっかり…
生存のために最適化した美しく合理的な建築。こうして見ると、もしかしたら人間の建築も、見ようによっては、動物の建築と同じようなものかもしれないな。
食う・食われる関係のものが、お互いに認め合い、明るく穏やかに健やかに朗らかに、生きていた空間があった。それは養豚場だった。
坊主頭にタオルのハチマキ巻いて、煙草をくわえて、ブタの世話をする上村さん。奥さんと二人で1200頭の…