最後の医者桜を見上げて君を想う


日常を平凡に送る中で、ある日突然宣告される自らの余命。死に向かい始めた瞬間から、最後の尽きるその時まで、それぞれの生きざまから、何かをきっと学びとるに違いない。
二人の対照的な医師を軸に、3人の生きざまの物語である。 たとえ1%でも望みを捨てず、最後まで病…

本が好き! 2級
書評数:22 件
得票数:225 票
職業:保健師
最近の関心ごとは、看取り・グリーフケア・在宅死
図書館で新刊を読み漁ってます。


日常を平凡に送る中で、ある日突然宣告される自らの余命。死に向かい始めた瞬間から、最後の尽きるその時まで、それぞれの生きざまから、何かをきっと学びとるに違いない。
二人の対照的な医師を軸に、3人の生きざまの物語である。 たとえ1%でも望みを捨てず、最後まで病…


数々の苦行を成し遂げた僧侶が、死の淵に立ちつつ、生きし者へ問いかける魂のメッセージ。まるですぐ側で語り掛けているような口調がなぜだかとってもあったかい。
荒行「千日回峰行」を2回も満行したと聞いてもピントはこない。 地球1周を2回もしたと説明されても、あ…




人は喪失の悲しみから何かを得る。だから悲しみと向き合うことで強くなる。癒されたり乗り越えるのものではない。ともに抱えながら生きていくための指南の書である。
私たちは、日々喪失を繰り返しているとも言える。 それは決して死別に限ったことではない。 失恋すれば愛…




答えのない海に投げだされて、その波に身を任せることで、もがくことなく受けて入れていくような。そんなイメージがぼんやりと頭をかすめながら、ページをめくる手を止めることができない。
読後に心に、何かじゅわーとしたものが 満たされていく、染み込んでいく。 それは、温かいというより…


回っているお寿司しか知らないと、この本の神髄に達することはできないかも。それでも、明日を夢見るOLの戦闘記であることは間違いなさそう。お寿司でなくお鮨を通じて、バブルの時代を駆け抜けます。
東京タワーの表紙、途中で納得。 バブル期のOL物語です。 たかがお鮨されどお鮨、あえて「お寿…




そう遠くない時代、必ず在宅死が主流になる。愛する家族を自宅から見送ることがどんなにかけがえのないことか思い知らされる。自分の最後は、自分だけでは決められない。医師と家族との狭間であたなたは何を思うか。
死は身近でありながら、そうではない側面がある。 忌み嫌い、遠避けたいと願うが故に、死を考えることさ…



無垢でありたいと願うほどに、それは遠のいていく現実。そこで向き合うための答えは、自分の心にあるからこそ決して容易ではないと突きつけられる、きっと。
無垢とは、けがれを離れて清浄であること。純信であること。 三人の男女と一人の少女が主な登場人物。 …




施設で育った薄幸な主人公が、己が何者で、自分の存在意義を自問自答していく中で、生きる意味を見出していくスタートラインに立った。生まれた時に全てが決まってなんかいないって確信。
「きみはいい子」で話題の作者です。 それ読む前にこれが先に手元にきたので 先入観全くなく読めた。…


妻が総理になったら夫はこうあるべき的なバイブル。夫の性格が天然だから、政治の世界もなんだかやけに明るかったなぁ。
「総理の夫」タイトル通りの直球で、きたぁぁぁ~。 東大卒のエリートスーパーウーマン「凛子」が 日…

路面電車に揺られて、見知らぬ駅でちょっと一休み。人と人との出会いは偶然だけど、必然だと思いたいそんな一冊。
献本書評です。 路面電車(トラム)沿線での人間模様。 高校生のタケヒロの約10年間の人生の成長を中…




夏だから、今でしょ、これ読むの。高校生が主人公しかし侮るなかれ。遠い十代の頃の記憶をインスパイアーさせる勢いのある作品、清涼感てんこもりで~す。
「海の見える街」と共に畑野作品に触れる。 今回の舞台は、トマト畑の隣にある中高一貫校。 高校…




海の見える図書館を舞台に、過去を抱えた4人がほんの少し前に進もうとする物語。とにかく情景がリアルに迫る、まるで映画を見ているみたいにね。
畑野作品「夏のバスプール」と共に読了。 いやぁ、期待以上で参った。 図書館、海、バス停、街並…




下町貧乏長屋を舞台に、三毛猫「サバ」が謎解く痛快劇だけにとどまらず、それぞれが心に抱えるものを、いつしか「サバ」が溶かしていくファンタジーかも!?
何度もクスッと笑みがこぼれた。 一匹のオスの三毛猫「サバ」を敬い崇めながら、 主人公の絵描きを名…


放射線科でも著名な中川先生のがんと向き合うためのハウツー本。簡潔で整理されていて、目次だけ読んでも「がん」についてのセオリーがぎゅーっと詰まってます!!
69の見出しをもとに、分かりやすく、かつ明確に簡潔に解説しています。 「がん」初心者には、ホントうっ…



幕末に生きた歴史上の人物「関寛斎」という医師とその妻「あい」の波乱万丈人生を描きます。決して私欲に走らず、己の本分を全うする姿に胸を打たれます。テーマは「夫婦愛」に尽きます。
夫を支える妻「あい」は、献身的という言葉では足りない。 苦労を厭わず、どこまでもどこもでも陰日向と…



一週間のランチが、ちょっと冴えないOLを元気にしてくれる。「アッコ」姉さんが仕組んだランチは、どれもおいしそうで舌も心も満たされていく。
初めてこの作家の本を読む。なのでちょっと覚悟があった。 いい作品だったら、過去の作品を全て読まずに…



オカメインコ「リボン」が織りなすあったかな物語。心を癒しながら、魂と魂を結び付けていくリボンがページいっぱいに羽ばたき、そして見守ってくれる、そんな優しさに触れた一冊。
「リボン」がオカメインコの名前とは想像していなったかった。 だから名前の由来は、読み進めていくうち…




子供を産むこと・働くこと・母親であり続けること・命とは・性とは・そんなことを突きつけられながら、もがき苦しむ中で、一筋の光を見出していく。いつもながら読後の爽やかさが、間違いなく後を引く。
マタニティスイミングの講師をしながら、 妊婦たちにおせっかいを焼かずにいられない、晶子。 そ…



医師だからなのか、医師だからこそなのか、ここまで死に対して潔く向き合えるのは。東北のある一人の医師の、終末期医療への赤裸々な、そして生々しいまでの提言である。命が尽きる最後の瞬間まで、医師であった。
普段、仕事では保健師という立場であるため、住民に「がん検診」を受けて早期発見・早期治療を呼びかけてい…



遺族の悲しみを分かろうなんてしなくていい。ただただ、大きな組織が起こした大事故で多くの遺族がいて、なんとか必死に生きている。そんな現実を知って何かを感じてほしい。
最近「グリーフケア」という言葉に関心がある。 日本語で「グリーフ」=悲嘆(ひたん) 肉親や親…