原稿零枚日記



  

世界に空洞を見つけたい人のための、奇妙な奇妙なおはなし。
日記のようだが、日付は特定されない。「九月のある日(金)」「十月のある日(火)」「次の日(水)」とい…



  

世界に空洞を見つけたい人のための、奇妙な奇妙なおはなし。
日記のようだが、日付は特定されない。「九月のある日(金)」「十月のある日(火)」「次の日(水)」とい…



  

気候変動の「線形」と「非線形」で、地球温暖化の意味を理解する。
タイトルだけだと何の本だかわかりにくいが、副題に「気候変動の謎に迫る」とあるとおり、地球の気候変動に…



  

上質のゴシック・ホラーに、ゴーリーの嫌~な絵が合いすぎていて怖い。寝苦しい残暑の夜に、ぞくりと寒い12編をどうぞ。
怪奇画家(という以外の表現が思いつかない)エドワード・ゴーリーによる怪奇小説アンソロジー。「憑かれた…



  

養生、あなどるなかれ。それは死を見据えて生き切ること。
江戸時代に書かれた「養生訓」から163の訓えをピックアップした一冊。ジョージ秋山さんのマンガとシンプ…


  

今様をホントに「今様」に訳した一冊。問題は「演歌」が、果たして現代の「今」様と言えるかどうかだが……。
古典新訳文庫。500以上ある歌から100を選び、かなりぶっとんだ現代語訳を仕掛けている。 梁塵…



  

翻訳論であり、読書論であり、言語論。深すぎる翻訳の世界を、小学校6年生に語る絶品授業。
読むことをどんどん、どんどん深くしていくと、やがて「翻訳」に至る。従って、翻訳について知ることは、読…



  

この人、すごくいい。すごくうまい。映像作品も見てみたい。寂しく、孤独で、はずかしい。そんな素敵な短編集。
寂しかったり、孤独を感じたりするのは、一人の時とは限らない。家族や友達、恋人と一緒でも、なんだか心の…



  

シンメトリーって、対称性のことでしょ? わかるわかる……と思っていると、あまりの深さにぶっとびます。数学のエレガンスに触れる絶妙の一冊。
この間読んだ『素数の音楽』があまりにすばらしかったので、続いて読んでみた。 今回の「主役」は、…



  

数学のドラマ、ここに極まれり。巨人の肩の上から、その全身を俯瞰する。
分からないのに面白いって、どういうことなのか。そう首をひねってしまうほど面白かった一冊。 テー…



  

「ヒトラーはわれわれのうちに住んでいる」この言葉を、今の日本人はしっかり噛みしめるべきである。
ナチス・ドイツが創り上げたドイツ第三帝国ほど、世界史の上でわかりやすく「悪役」となった国家は、そうは…



  

老人とは子供か。無邪気な悪とは何か。30年前の作品とは思えない斬新さ。
実家の押入れを片づけていたら、学生のころハマっていた本がぞろぞろ出てきた。中でもダントツで忘れがたい…



  

心に刺さる詩、心を包む詩、心に重なる詩、心をそらす詩。すべてここにあります。達人のセレクションによる絶品アンソロジー。
本の記憶は、読んだ場所と共に残ることが多い。 本書のタイトルになっている「通勤電車」は、私にと…




  

ドラッカーはこの本から始まった。リアルタイムでファシズムを分析した、今も読むに値する一級の全体主義論。
「マネジメントの神様」「経営学の泰斗」ドラッカーの処女作。だが内容は経営や経済ではなく政治、それも全…



  

内気で無口なあの子の内面は、こんなにすごいことになっていた、というお話。怖い。
表題作と「ひかりのあしおと」の2編を収める。 どちらの作品も、読んだ後にべったりとまとわりつく…



  

哲人皇帝の、自らにあてたメッセージ集。皇帝もまたタダの人? いやいや、これほど非凡な人物は、めったにいるものではありません。
ローマ五賢帝の最後のひとりで、プラトンの理想とした「哲人王」を体現したただひとりの皇帝といわれるマル…



  

まぶしい。せつない。胸が痛い。少年少女の恋愛と年上のご婦人の誘惑を鮮烈に、きっちり描く。
このトシになってこういう小説を読むと、まぶしすぎてクラクラしてくる。 16歳と15歳。幼なじみ…




  

素数の奥に秘められた天上の音楽を聴こうとした、天才数学者たちの知のリレー。数学について分からなくっても、数学のもつ「何か」にふんわりと包みこまれる一冊。
数学が音楽と同じように美しいだなんて、高校生の頃に言われたとしてもゼッタイ信じられなかっただろう。し…




  

怖い。お金にハマることのおそろしさ、贅沢に慣れることのおぞましさを、これほど説得力をもって語る本はない。
ムチャクチャ怖い小説だった。 化け物が出てくるワケじゃない。悪人さえ、本書にはほとんど登場しな…



  

地質学が地味だなんて、もう言わせない。パラダイムシフトが起きた現場を辿り、恐竜絶滅の謎を解き明かすエキサイティングな一冊。
そういえば、昔はいっぱしの恐竜少年だった。 恐竜展のようなイベントは行ける限り足を運び、恐竜図…



  

異形の主人公オスカルをめぐる、奇妙な奇妙なモノガタリ。
主人公はオスカル・マツェラート。父の食料品店を継ぐのがイヤで、わざと階段を転げ落ちて頭を打ち、身長9…