ダブル・ジョーカー




スパイすごい。そして、非情で怖い。私は自分の家の玄関から居間まで何歩でたどり着けるかすら思い出せません(ちなみに数歩です)。ダミーなのかホンモノなのか、私は最後まで騙され続けました。面白かったです。

本が好き! 2級
書評数:36 件
得票数:280 票
ミステリ、SF、ファンタジーを中心にぼちぼち読んでいます。
好きな作家:高村薫、町田康、伊藤計劃、貴志祐介、北野勇作P.A.マキリップ、H.P.ラヴクラフト、R.E.ハワード




スパイすごい。そして、非情で怖い。私は自分の家の玄関から居間まで何歩でたどり着けるかすら思い出せません(ちなみに数歩です)。ダミーなのかホンモノなのか、私は最後まで騙され続けました。面白かったです。




当人はものすごく苦しんだのだろうので失礼なんだけど、笑っちゃう(笑)あらゆる方向に絶望できるのはある意味才能? 無理してポジティブに生きなくてもいいんだと思うとちょっと元気が出ます。




新庄訳のすぐ後に読みました。読後感がちょっと違っていて、それは訳のせいかお話としては再読だったからかわかりませんが、初めての時よりつらい悲しい印象が薄かったです。
客観的な描写は登場人物の誰に対しても容赦はなく、全体通してペシミズムに覆われていますが、無意味に冷徹…



驚きは少ないですが、スイスイ読めて筋の理解もしやすく読後感も◎。いかにも今の若者らしい宇田川が、現場のオジサマたちに鍛えられ、同期に振り回され(笑)、仕事に誇りを持つようになっていく姿が爽やかでした。




時代遅れ? いえいえ、人生って相変わらずこんなものかも。想像していたよりずっと面白かったし読みやすかったです。
原題"Une Vie"は、そのまま訳すと「ある一生」で、別に女性の一生を指しているわけではありません…




滅びゆく肉体を捨て、データだけの存在になって、永遠に生き続けたいですか? 途切れ途切れ、行きつ戻りつする人生を送る人間は、「自分」をどう認識するのでしょうか。
何回か読まないと理解が追いつかない気が…。 人間がスキャンされたり、バーチャルの世界が創られたり壊…




塵理論難しかった。昨日と連続しているから今日も生きてるって思ってるけれど、あやふやなものなのかも。自分の連続性なんてアテにならないものなのかも。




『冬の薔薇』の続編ですが、読んでいなくても問題ないと思います。現代ファンタジーとはいえ、舞台が田舎なのでそれだけでも雰囲気あり。短めの章ごとに語り手の人物が変わるので、ワリと読みやすいと思います。
「現代」、田舎の山村、妖精の森…相容れなくて、でもすぐ近くにあって、お互いに惹かれて恐れて。 予定…

どれもそれぞれ面白かった。今いる世界(または自分)がホンモノなのか、いつからあるのか、不安にさせるような作品が印象的でした。いちばん好きなのは、牧野修の表題作『逃げゆく物語の話』。




ストーリー展開でぐいぐい引っ張るわけではないですが、謎を解いていくくドキドキ感!小説内だけのことでなく、現実の宇宙においても「あり得るよね?」って問いかけられてるみたいで楽しかったです。




後半はますます止まらなくなりほとんど一気に。次へ次へぐいぐい引っ張ってくれます。そして、このタイトルの秀逸さ。




クラリスの行動にぐいぐい引き込まれました。レクター博士が次何をするのか(噛みつくんじゃ…)ってドキドキ感がすごかった。2人のやりとりの緊迫感もよかったし、蛾の話(生態も象徴も)も興味深い。

著者が実際に原子力発電所で働いた記録。地元は潤ってるんでしょなんて言えなくなるはず。ガンガン放射線を浴びている労働者がいて、管理はずさん、事故があっても隠ぺい。30年前からどのぐらい変わったのだろう。




びっくりするような事ばかりでしたが、これ、事実なんですよね。本当に生きてる人なんですよね。アメリカの真実なんですよね。笑っちゃうけれどピリッとするところもあって、とにかく目の付け所がクールです。




ジャムとは何か、雪風はどう行動したいのか、意識とは、人間とは。様々の問いが飛び交う中で、雪風は雪風として、それぞれの登場人物はそれぞれでカッコよく。難しいけれど読み始めると止まりませんでした。
戦闘妖精・雪風の第三部。 お話はいよいよジャムと特殊戦との総力戦へ。 異星体「ジャム」とは何…




パズルを読んだ(?)みたいなかんじ。登場人物はお人形さんぽいけれど、お話の論理的な、ちょっと無機質な雰囲気に合っていて、可愛いなと思いました。動機も理詰めというのか…それはそれでクールでした。