舟を編む





なんといっても辞書編纂という仕事の特異性や難しさを伝える筆力は見事である
三浦しをんさんの「舟を編む」です。 辞書とは「言葉という大海原を航海するための舟」だと言う。 …

本が好き! 1級
書評数:56 件
得票数:513 票
本に埋もれて暮らしたい。
本に囲まれて、文字の世界を漂っているときが幸せです。
本好きな方とつながれると嬉しいので、声をかけてください。





なんといっても辞書編纂という仕事の特異性や難しさを伝える筆力は見事である
三浦しをんさんの「舟を編む」です。 辞書とは「言葉という大海原を航海するための舟」だと言う。 …





安部さんらしく、実に分析的であり、理科的な思考が徹底していて、論理の鮮やかな見事な論考である。
安部公房さんの「死に急ぐ鯨たち」です。 すでに絶版になってしまっているが、本書は、安部さんの著書と…



12年間に渡る短編集であり、森作品を知る上でなかなかに貴重な一冊。
森絵都さんの「気分上々」です。 時期も掲載紙も長さもかなりバラバラな九編の短編集である。 …



『湿気(四季の変化)』と『家』に基づいて、日本の珍しさ、国民性などを読み取った美しい名著。
和辻哲郎さんの「風土」です。 梅棹忠夫「文明の生態史論」と並び称される比較文化論の名著である。…


豊かなソーシャルキャピタルを背景にしたオランダの強さに学ぶ。
紺野登さんの「幸せな小国オランダの智慧」―災害に負けないイノベーション社会 日本が、失われた2…

有川さん、どうしちゃったの?と読みながら、気持ちがザワザワしてきた。
有川浩さんは、特に大好きな作家さんの一人である。 全体に説明調で繰り返しがくどく、読んでいてず…


一文一文が妙に論理的で、言い切り調なのが特徴の軽快なぼやきのエッセイ。
養老孟司さんの「ぼちぼち結論」です。 雑誌「中央公論」に連載した「鎌倉傘張り日記」の2005年…


題名や帯の印象ほどには明確に「ウソ」を指摘する本という訳ではない。でも、その国で暮らすライターの「生の感覚」は興味深いし、「お手本の国」が、それぞれ複雑な問題を抱えていることを知るのは有意義だ。
日本において政策の先進事例として取り上げることの多いいくつかの国とテーマに関して、日本で抱いている「…




ありふれた職場での会話の中にある曖昧だが大切なものを描いた傑作。
山崎ナオコーラさんの「『ジューシー』ってなんですか?」です。 文庫化にあたって「ここに消えない会話…





見事にはっちゃけながらも最高難度のワザをバシバシ決めつつ、ウルトラCで着地する圧巻の物語。
万城目学さんの「偉大なるしゅららぼん」です。 万城目さんは、どうしようもなく好きな作家さん。私…




世界をざっくりと大雑把に捉えてものの見事に示してしまった鋭い腕力に感嘆する。
梅棹忠夫さんの「文明の生態史観」です。 本書は「文明の生態史観」に関係した、1956年から19…





たまらない心地よいリズムと大阪弁の快感。
西加奈子さんの「円卓」。 2011年に私が読んだ小説の中で、最も好きだった本。 いい。すっご…



内田先生は言う。メディアの不調はそのままわれわれの知性の不調であると。
内田樹さんの「街場のメディア論」です。 「アメリカ論」「中国論」「教育論」に続く街場シリーズの…




自分が求める衝動にあらゆるものを賭けて、全力で生き続けていた冒険家の記録。
世界七大陸最高峰登頂の最年少記録を持ち、北極点から南極点を人力踏破もしている石川直樹さんの第六回開高…





大きな見えない力に翻弄され、一人の人間として決断を迫られる登場人物たちを通して、いくつかの大切なメッセージが強く響いている。
伊坂さんの本はだいたいは出版されればすぐに読んでいるつもりなのだが、そういえば昨年は一冊も読まなかっ…





私の価値観と思考パターンを規定した圧倒的な影響力を持つ傑作。
この本を読んだのは、いったい何度目だろう。 私の価値観といいうか思考パターンに最も大きな影響を与え…