黒い美術館―マンディアルグ短編集




怪奇小説を、これほど美しく書ける作家は、マンディアルグの他にはいないでしょう。
幻想小説作家として一般的に知られている、マンディアルグを怪奇小説作家と呼ぶと怒られそうですが、個人的…

本が好き! 1級
書評数:2351 件
得票数:45055 票
「本職」は、本というより映画です。
本を読んでいても、映画好きの視点から、内容を見ていることが多いようです。




怪奇小説を、これほど美しく書ける作家は、マンディアルグの他にはいないでしょう。
幻想小説作家として一般的に知られている、マンディアルグを怪奇小説作家と呼ぶと怒られそうですが、個人的…




『マンゴー通り、ときどきさよなら』の姉妹篇。マンゴー通りを出ていった女の子が、大きくなって見た世界は…「愛してる」なんて簡単に言えなくて、苦くて孤独…でも一生懸命生きないと!
メキシコ系の両親(父は移民、母はアメリカ生まれ)を持ち、1954年生まれの作者のシスネロスは、シカゴ…





古今東西の短編小説の頂点の一つに数えられる『エミリーへの薔薇』が含まれた、フォークナー最初の短編集。
かって、フォークナーは次のように語りました。 「私は詩人崩れだ。たぶん、作家は誰しも最初に詩が…





「問―思わず笑ってしまう店はどこだ? 答―薬局、なぜなら薬をもらうから。 問―コーヒーをいちばん飲むのはどこだ? 答―お役所、なぜならコーヒーを公費で飲むから。」(本書より) 原文はどうなっているのでしょう?
ボリス・ヴィアンの死後、1974年に刊行された『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』は、大戦直後のパリの…




本書は、「日本の名随筆」と題された全百巻のシリーズの別巻として刊行されたもので、団鬼六が編集にあたりました。
本書には28のエッセーが収められています。執筆者の顔ぶれは、菊地寛、山口瞳、坂口安吾、井伏鱒二のよう…




「わたしはこの世にたった一人の親戚もいない。言及できる家系図もなく、遺伝的特性といえるものもない。(中略)わたしはつねにわたし自身であり、それ以上のものではない」(作者の言葉、本書訳者あとがきより)
本書の作者ベッシー・ヘッドの生い立ちについては『優しさと力の物語』のレビューで触れましたから、そちら…




本書の副題「運命は性格の中にある」は司馬遼太郎の言葉だそうです。彼の作品『項羽と劉邦』を思い起こすと、なるほどと思わせます。
現在日本将棋連盟会長の米長邦雄は、1993年に七度目の挑戦にして名人位を獲得し、50歳名人として、当…




アメリカン・ドリームとは無縁の、アメリカに住むユダヤ人の「敗者」たちの物語集。
かもめ通信さんとオクーさんの『レンブラントの帽子』のレビューを読んで、なつかしくなって、倉庫の中から…





この本は私の枕元にいつもあって、寝る前にぱらぱらめくる本の一つです。将棋ファン(下手の横好きでも)ならば、どのページも繰り返し読んで飽きることはありません。
本書には『棋は人なり』と題された、先崎学八段の解説がついていますが、その中で団鬼六の将棋については、…





現代のヴェトナム戦争、18世紀の南アフリカの植民地化の二つの物語を並べ、作者自身が所属する白人社会から消え去ることのない差別意識を浮かび上がらせた、ノーベル賞作家の処女作。
ここしばらく意識して、南アフリカ及びその周辺地域に係わりの深い作者の作品のレビューを書いてきました。…




南アフリカ在住の白人として、反アパルトヘイトを訴え続け、1991年のノーベル文学賞を受けた作者が、アパルトヘイト崩壊寸前の時代を背景に描く、家族と政治、個人と大義の物語。
ナディン・ゴーディマは、1923年ジョハネスバーグ郊外で、リトアニアからの移民である父と、イギリス生…




ロマン・ノワールの代表的作家、ディディエ・デナンクスのカダン刑事シリーズ第2作です。
ディディエ・デナンクスは、1984年に発表した『記憶のための殺人』でフランス推理小説大賞を受け、人気…





本書の原題は『マンゴー通りの家』ですが、本書の最後に収められている作品『マンゴー通りがときどきさよならという』から採用した邦題です。とても良いタイトルですね。
作者のサンドラ・シスネロスは、メキシコ生まれでアメリカに移住してきた父と、アメリカ生まれのメキシコ人…





本書は、2007年に歴代最高齢(89歳)でノーベル文学賞を受けた作者が、1950年に発表した処女作です。
まず、作者の生い立ちに触れないわけにはいきません。彼女は、イギリス人の両親(白人)の元、1919年ペ…




ミステリー史に残るマット・スカダー・シリーズの第一作。
アル中の探偵というのは、一体誰が最初に考え出したのでしょう。私が思いつくのは、87分署シリーズで有名…




マンデラ大統領が学長を務めていたケープ・タウン大学で、長年副学長を務めていた作者の、教育の大切さを根底に感じさせる作品集。
作者は1948年に南アフリカのジョハネスバーグの西にあるウェスタン・タウンシップで生まれました。南ア…





15人の登場人物による、59の内的モノローグから構成された、「客観」というものが存在しないフォークナーの世界。
難解で知られるフォークナーの作品の中でも難解とされる前作『響きと怒り』から一年後の1930年10月に…




「『わたしにもわけがわからん』彼は言った。『その男は女性たちの生き死にになんの関心もなかったんだ。彼は歩く矛盾だよ。殺しにさして興味のない連続殺人犯とはな』」(本書より)
この作家のことはずっと気になっていたのですが、何せツンドク山とツンキドク(既読)山が高すぎて、なかな…





南アフリカで、黒人の子を宿したため、作者の白人の母は精神病院に幽閉され、そこで作者は生まれました。彼女が6歳の時、その母は病院で自殺します。これほど苛酷な生い立ちの小説家も、あまりいないでしょう。
同じ南アフリカの女性作家であるエレン・クズワヨの『さあ、坐ってお聞きなさい』に続けて、本書を読むと、…





「人が人でいられるのは、ほかの人がいるから」(アフリカの六つの言語に共通することわざ) 「母は子どもを守るためにはナイフの鋭い刃先をも掴む」(ツワナ語のことわざ)
作者エレン・クズワヨは、1914年に南アフリカの裕福な黒人農場主の家族に生まれました。こう書くと、ア…