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工藤伸一

工藤伸一 さん

本が好き! 1級
書評数:87 件
得票数:375 票

文学・サブカル・ゴシックを嗜むスキゾギーク/ブログ:悪魔が昨日、し忘れたこと。/『新文学』同人/ニュースサイト「リアルライブ」外部記者/ツイッター小説は約2,000篇。うち2篇『3.11心に残る140字の物語』掲載(内藤みか編/学研/印税は被災地に全額寄付)うち100篇収録『寝付けない時には (twnovel@shinichikudoh)』(Kindle電子出版)

書評 3ページ目(87件中 41~60件目)

ダーク・タワー1 ガンスリンガー

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ダーク・タワー1 ガンスリンガー

『指輪物語』で男達を魅了した指輪には形状的に女性器を思わせる感じがした。それに対し古来より男根の象徴だった塔を目指す本作の主人公は女性。侵入を阻む刺客が弱くなっていく様にもそういった暗喩が見て取れる。

『指輪物語』へのオマージュとして描かれたこの大長編は二十年もの歳月を経て完成された。 死ぬまでに完…

投票(0コメント(0)2012-02-24

インストール

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女子高生が小学生男子と出会い系チャットでサクラのバイトをする話。心は売っても体は売らない小悪魔路線はその後の作品にも共通。成人男性が喜ぶツボを太宰を介して見つけたJK作家には「ニンフェット」を感じる。

女子高生が小学生男子と出会い系チャットでサクラのバイトをする話。 心は売っても体は売らない小悪魔路…

投票(5コメント(0)2012-02-24

「性愛」格差論―萌えとモテの間で

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「性愛」格差論―萌えとモテの間で

オタクの敗因は弱さだが負け犬の敗因は強さ。勝因と考えれば逆になる。オタクと負け犬の代表を自認する二人の対談本が存在している事実こそが格差社会を生き抜く「システムの外にある希望」の可能性を実証している。

『社会的ひきこもり』や『戦闘美少女の精神分析』などで知られる斉藤と 『しょうゆ顔少年の謎』や『負け…

投票(4コメント(0)2012-02-19

男でも女でもない性・完全版―インターセックス(半陰陽)を生きる

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男でも女でもない性・完全版―インターセックス(半陰陽)を生きる

もともと性差のない半陰陽者は一万人に一人は存在するというが、分かりにくいケースも含めれば未知数である。性交もしくは子を為していないのであれば自分だってそうかもしれないのだから、他人事とは言い切れない。

性差の境界線を生きる「インターセックス」と聞けば、 心と体の性別が一致しない「性同一性障害」を思い…

投票(3コメント(0)2012-02-19

ジロジロ見ないで―“普通の顔”を喪った9人の物語

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ジロジロ見ないで―“普通の顔”を喪った9人の物語

腫瘍やアザ、火傷などによって「ユニーク・フェイス」を背負ってきた男女が実名顔出しで語る。収入も安定している彼らが既婚者でないことに考えさせられる。普通の人間として愛されたい気持ちは何より普通のことだ。

先天性の腫瘍やアザ、事故による火傷などによって 「ユニーク・フェイス」を背負いながら生きてきた九人…

投票(11コメント(2)2012-02-19

ゼロ年代の想像力

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ゼロ年代の想像力

東浩紀を批判的に踏襲する本書は「セカイ系」を「母性のディストピア」に抑圧された「レイプ・ファンタジー」に過ぎないとして「決断主義」を呼びかけ、各方面から反論が相次いだが、今後も議論の余地があるだろう。

オタク文化をポストモダン思想に関連づけゼロ年代を説明した東浩紀を批判的に踏襲する本書で宇野は 『D…

投票(2コメント(0)2012-02-16

ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち

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ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち

ケータイ小説は東京では殆ど売れておらず、郊外のファスト風土によって育まれたと考察。ゼロ年代批評のマジョリティ「都市・オタク・少年」から疎外されてきた「郊外・ヤンキー・少女」に目を向けるべきと提案する。

ゼロ年代に突如として現れ一世を風靡したケータイ小説群の強みは 既存の小説と読者層が被っていなかった…

投票(4コメント(0)2012-02-16

性的唯幻論序説―「やられる」セックスはもういらない

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性的唯幻論序説―「やられる」セックスはもういらない

寺山修司や内田春菊など「売れる思想書」の先鞭たる著者の無頼な人柄を慕う有名人は多く、内田樹も影響を受けていた。「人類の本能は壊れている」と説く「唯幻論」から「セックス離れも趣味だから当然」と看破する。

浅田彰や中沢新一を輩出したニューアカの前段階として「売れる思想書」の足がかりを作った著者は、 大学…

投票(9コメント(2)2012-02-14

ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2

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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2

小さな物語を往復する「データベース消費」のみにより充足する「動物」と化したオタクの紡ぐメタ物語を「ゲーム的リアリズム」と命名。「萌え」はオタクのリテラシーで、ゲームと小説の境界が消失しつつあると説く。

〇一年の前作では、本来の人間は他人の欲望に欲望していたが、 ポストモダン時代になると「大きな物語」…

投票(6コメント(0)2012-02-14

ノルウェイの森 上

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ノルウェイの森 上

ノンポリ大学生ワタナベはボッチだが俗物の先輩と女遊びしててモテる。ヒロイン直子は心の病から自殺。彼女の彼氏で主人公の親友キズキも自殺していた。自殺者はバブル期に減ったがバブル直前は二万人を超えていた。

バブル景気の熱狂の最中、一九八七年に発表され、 単行本と文庫本それぞれの上下巻を通算すると、 実…

投票(1コメント(0)2012-02-12

国語入試問題必勝法

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国語入試問題必勝法

表題作はオチのあるフィクションだけれど、あなどることなかれ。簡単に国語で点をとれるメソッドは事実。それを参考にして東京都の高校入試問題を、本文を読まずにテクニックだけで解いてみたら、本当に満点だった。

短編集なので他にも作品があるけれど、 いま手元に現物がないので表題作についてのみ書く。 国語…

投票(3コメント(0)2012-02-11

魔人探偵脳噛ネウロ 1

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魔人探偵脳噛ネウロ 1

父を殺された女子高生・弥子の部屋の壁から出てきた、ホストみたいな青年・ネウロは「謎」を喰う魔人。彼はヤコを探偵に仕立てる。ドSの彼がヤコを拷問するのも見所。悪人の表情は時に魔人よりも悪魔的に描かれる。

何者かに父を殺された女子高生・桂木弥子が遺影の前で悲しみに暮れていると、 机の引き出しからドラえも…

投票(1コメント(2)2012-02-11

100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))

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100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))

「100万回読みたい本」と言いたいところだけど、実際に読んだのは10回くらいだろうか。読書は作者もしくは登場人物の追体験であり、それを転生と捉えたなら100万回の読書は「100万回生きた読者」である。

とりあえず上記の100字レビューを書いていたんだけど、10回くらい読んだと言いながらも、ずいぶん内容…

投票(5コメント(2)2012-02-10

闇金ウシジマくん 1

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闇金ウシジマくん 1

ウシジマは違法金融業者の社長。多重債務者相手に暴利を得る。完済は難しいけれど利用者は後を絶たない。彼らの破滅的な生活描写が世知辛い。借金を踏み倒そうとする輩に鉄槌を下す様は神にも近い存在に見えてくる。

丑嶋馨(ウシジマ・カオル)は「闇金」と呼ばれる違法金融業者カウカウファイナンスの社長。 取り立ての…

投票(1コメント(0)2012-02-07

夜のミッキー・マウス

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夜のミッキー・マウス

この本で特筆すべき「なんでもおまんこ」は執筆時に古希を越えていたと思えない瑞々しさ。「百三歳になったアトム」では「きみおちんちんないんだって?」と聞かれたアトムが「それって魂みたいなもの?」と答える。

十代でデビューしてから六十年以上も詩人を続けてきた谷川の詩はどれも流石の風格だが、 この本で特筆す…

投票(6コメント(0)2012-02-07

DEATH NOTE デスノート(1)

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DEATH NOTE デスノート(1)

デスノートで悪人を殺し続けるキラ。名探偵エルはライトこそキラと目星をつけるが証拠が掴めない。本作発表の少し前、ジャンプ編集長が記者会見場で急死していた。身内の死まで使う冷酷さは彼らの正義感にも通じる。

警察幹部の息子・夜神月(ヤガミ・ライト)は死神が落としたデスノートを拾う。 名前を書くだけで人を殺…

投票(1コメント(0)2012-02-07

あずみ (1) (ビッグコミックス)

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あずみ (1) (ビッグコミックス)

捨て子少女「あずみ」は隠れ里で好きな者同士が殺し合う残酷な試験を経て刺客として活躍する。四八巻で一旦は完結するも戦国時代から幕末に設定を変え再開。聖処女あずみは役目を終え別のAZUMIがまた男を殺す。

捨て子少女「あずみ」は、爺に拾われ他の子と共に隠れ里で育てられた。 野山を駆け巡りチャンバラごっこ…

投票(4コメント(0)2012-02-04
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