ネバーランド
冬休みに家に帰らず寮に残った少年4人の7日間の物語。あとがきで作者は萩尾望都の「トーマの心臓」をやりたかったと語っているが、恩田さんの描く高校生って爽やかで甘い感じがする。
本が好き! 1級
書評数:421 件
得票数:7625 票
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山登り始めてみました
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冬休みに家に帰らず寮に残った少年4人の7日間の物語。あとがきで作者は萩尾望都の「トーマの心臓」をやりたかったと語っているが、恩田さんの描く高校生って爽やかで甘い感じがする。
かつてのコバルトシリーズのような軽快さ。小市民になりたいけれどなれない二人の甘くてちょっぴりせつない学園ミステリ。
春期よりパワーアップしてよりミステリらしくなった小市民シリーズ第2弾。小山内ゆきだけは敵に回したくないと心底思った二人の甘くて冒険的な高校2年生の夏休み。
主人公でこまめに登場した小鳩くんよりも小山内さんのなんと存在感の大きいことよ。小山内さんの復讐パラメーターは誰にもわかるまい。
亡き父を追い求めながら、自分の人生をも追想する。計算された組み立て方が心地よく、それはまるで味のしみ込んだ料理のよう。
古典部シリーズ。そしてデビュー作。あまり売り上げが伸びなかったそうだが、この力の抜けた感のある学園ミステリは好感が持てる。北村薫を目指していたという著者の小説に流れる柔らかな空気を感じ取れる。
小鳩くんと小山内さんはジャンルは違えど似た者同士。二人とも恋愛をしてみたけど、思い描いているのとは違ったわなんて、相手にかなり失礼。でもこの二人じゃしょうがない。許せちゃいます。
前巻まで重い足枷が二人とも残ったままのように思えたのに、すっぱり切り捨てて再出発。二人きり残ったり、二人死んでしまうのではなく、みんなで新しい土地。いいじゃん。
人為的なクローズドサークルの場合、主催者をまず疑わせることが多いが、明らかに殺し合いをしましょうと言わんばかりの前起きがあり、彼らを見てお金を動かしている何者かを謎にしている時点で読者の興味が増す。
世界遺産という枠でくくらなくてもいいじゃん!というものがここにあります。大人の思惑で世界遺産にならなかったものも大切にしたい。海外旅行に行かなくても満足できる世界遺産紹介本。
おもちゃがほしいと言わないところがとても素敵。とても夢があるよ。サンタさんはいるって信じていると聞こえる銀の鈴の音。最後の締めくくりもとってもいい!
誰かのために料理を作りたいと心の底から湧き立つような思いが溢れる一冊。こんなにも満ち足りた気持ちになれる本はそうは出会えない。
古典部シリーズその5。ふたりの距離の概算を走りながら考えるっつうホータローらしさがとてもヨシ。大人なら割り切れることも多感な年頃だからこそ思い悩むのだ。青春のちょっとせつない一冊。
日本の国境の島全てに上陸した唯一のフォトジャーナリスト・山本皓一氏による上陸記。自分の国なのに足を踏み入れることができない場所を知ることができる数少ない良書。
自分の国なのに足を踏み入れることができない場所。 最低限このくらいは知っておこうという話なのだが、…
江戸の遊郭をひとしきり勉強してしまえる小説。歴史の穴を突いて武蔵、家康、柳生一族を交えながらよくここまで書き上げたと感嘆する。主人公・松永誠一郎に惚れます。
妹にとっての空想の友達を探してほしい。兄の切なる願いを叶えるため、大人たちが力を貸す。夢見ることは大切なことだと教えてくれる大人のための絵本。
「夢」を追う町(オーストラリアのオパール採掘の町)が舞台で、「夢」を追う大人たちが集まり、一攫千金を…
山人だったじいちゃんは山のことを何でも知っている。山の怪異を当たり前のようにそして自然がもたらすものを水を吸い上げるように受け入れる主人公に心が洗われるような気持になった。児童書ですが抜群におすすめ。
ものすごく売れてしまった作家さんたちによる"今"世代の青春アンソロジー。心地いい作品に出会うことができます。
"今"世代の青春アンソロジーと捉えました。アンソロジーの場合、発見もあれば失敗もある。森見さん目当て…
飼ったつもりになって空想を巡らそう。アイコンが増えて旧版からパワーアップした夢をかなえられる楽しい一冊。
鬱蒼とした晴明の庭と季節の唐衣裳をまとった女。藤の精や萩の精だったりする晴明の式神。「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」では博雅の人物像に触れていてそれもまた面白い。