日本語 語感の辞典



アプローチとしてはおもしろい辞典なのだが、語感は結局は類語辞典としてでなければ、表現しえないではないかという気がする。
実を云うとあたしはもうすでに四半世紀近く前になる学生時代、言語学というのを専攻し、日本語についても…

本が好き! 2級
書評数:40 件
得票数:58 票
もっともなりたくなかった職業についている地方公務員。
なんでもなければ、何にもない!
平凡でないことを取り柄としております。



アプローチとしてはおもしろい辞典なのだが、語感は結局は類語辞典としてでなければ、表現しえないではないかという気がする。
実を云うとあたしはもうすでに四半世紀近く前になる学生時代、言語学というのを専攻し、日本語についても…



大田洋子はどうやら本格的な私小説作家であるらしい。この書籍に描かれるものはすべて身近で起こったことだと考えるのが自然である。私小説は読む者もその重みに辛くなるものだが、書く方はさらに辛いはずである。
大田洋子はどうやら本格的な私小説作家であるらしい。この書籍に描かれるものはすべて身近で起こったこと…



大田自身の性格は残念ながら感心しかねるものがある。まぁ、側にはいて欲しくないような人物であるが、このような人物があの希な戦災にあったため、貴重な作品が残されたのだとも云える。
少し前にイライラする小説と云っていたのはこの書籍に収められている大田洋子の『流離の岸』のことである…





恨めるうちは余裕があることなのだなと、『われなお生きてあり』を読んであらためて思った。本当に生きようとしている人間は未来だけを見つめているものだ。
子供の姿を見ることが出来ないと云うのはさすがにストレスになる。この2日間、さすがのあたしも鬱気味に…




とにかく、いわゆる普通の生活をしていると見聞きできないような人間の業ともいえるような生態が岩井という人によって曝露される。
百物語と云うと怪談と相場が決まっているものなのだが、この百物語もいちおう怖い話を集めたことになるの…





明治は文明開化の時期ではあるが、昔ながらの非分明なところもまだまだ残っており、我々にとっては混沌としたものである。そういったまだ薄暗い世界のなかで悍ましきことが当たり前のように繰り広げられていた。
岩井志麻子の小説は怖いということで、日本ホラー小説大賞受賞作「ぼっけえ、きょうてえ」を読む。文庫本…





挿入されている挿し絵の9割以上が飛び出すようになっている。もともとのイラストも何とも云えぬ風情があって好きなのだが、それが十分な大きさで立体表示されるのだから、本当に堪らない。
注文していた「星の王子さま」の飛び出す絵本が届いた。送られてきた本には何故だか、書籍を紹介するチラ…





これは北海道の発展に関する裏舞台の話である。今の日本からは思いも浮かばないことだが、100年も前は国が人間でないとしていた人間が多くいたのだ。
吉村昭の小説は読み始めたら一気に読んでしまう。この小説も数日かかったが、まとまった時間を取ることが…





文字というのはもっとも根本的なデザインの対象である。様々な書体が掲載され、文字の変遷や書そのものの美しさ等、眺めているだけでも十分に楽しい。
文字というのはもっとも根本的なデザインの対象である。文字が手書きされる場合、すべての人によってそれ…





5万円という価格なのだが、それでも十分にその価値はあると、書の素人でも十分に判るようなスケールの大きな書物である。とにかく、見ているだけでもぞくっとするような感じなのである。
我ながら見境のない自分の凝り性には辟易してしまう。 先日、書体字典「新書源」を購入したばか…




自分が被爆したことを一切語らないという被爆者は少なくないようだが、掲載されている作品をひととおり読んだだけで、我々が想像する以上に被爆者は原爆によって傷付けられていると知る。第三者である我々は彼らの想いを知ることができない。
この書籍では原爆当日からその7年後までを描く『屍の街』『冬』『山上』『残醜点々』『半人間』の5編が…



複雑怪奇な女性心理を小説で読むというのは初めてのことのような気がする。原爆に対することより、自らを制御できない女性のことが気になって仕方がない。
原爆当日から翌年までのある一家に纏わる人物たちの物語が『人間襤褸』である。襤褸は"らんる"と読む。…





元記者が新聞記者と云う生活を通して感じたものをすぺて突っ込んだと云う感じか。記者としてのプライド、上下関係、派閥争い、報道に対する使命、家族の絆等々。かなり濃い内容になるが、日航墜落事故を柱にそれらを上手く絡めながら物語が進んでいく。
横山秀夫『のクライマーズ・ハイ』はオリジナルの小説より先に、NHKでドラマ化されたものを見た。何か…




北九州市の少女監禁事件については、事件の判明した当時、ニュース報道で見聞きしていたのだが、事件の全貌については結局、知ることがなかった。公判の内容に基づいて、事件の全貌を記したのがこの書籍である。
北九州市の少女監禁事件については、事件の判明した当時、ニュース報道で見聞きしていたのだが、事件の全…

文庫本のための書き下ろし長編小説なのだが、書き下ろしというのがちょっと信じられない。プロットに安定感がないのだ。その人の体験談が面白ければ、作り話も面白い、ということにはならなさそうだ。
加門七海のノンフィクションはかなり面白い。もともと霊感のある人がいわゆるオカルト方面の研究もしてい…


著者の実体験がベースになっている恐怖小説。実体験の語り下ろしは非常に面白かったが、小説になると必ずしもそうではない。ちょっと残念なケースである。
加門七海の体験談語り下ろしは非常に面白い。いろいろな体験をしているからなのは当然、女性的なディテー…





これが実話であることに、とてつもない重みを感じる。ここまでの不快で悲しい体験はそうあるとは思えない。自業自得という部分もあるが、それがさらに絶望を呼び寄せる。
江戸時代の能登半島辺りの貧しい漁村が舞台の物語である。主人公は9歳の男の子だが、生活のため、3年間…





ゴーリー亡き後に出版された絵本。しかし、これもまたゴーリー的絵本で、乾いた風が心地よく感じられるのである。
変わった絵本である。ベースとなる物語は1907年に刊行され、ゴーリーの挿し絵となったこの絵本が刊行…

昭和の空気をひしひしと感じるノンフィクション。新聞記者の逮捕を基に、日本の活気のあった時代が描かれる。
なにか取っ付きが悪く、5年くらい放置していた。久々に手に取ると、これがこれが恐ろしく面白く、ドキュ…





電子ベースでの出版が望まれる辞典。使い易ければ価値はますます上がると思われる本格的用例辞典。
たいていの辞書には語意の他に用例が記されているのだが、いずれもスペースのこともあってか中途半端で、…