逆境を乗り越える技術




「死線」を生き延びた両者から学ぶべきことは多い。
新書であるし、タイトルに「技術」とあるから手軽なハウツーものかと思いきや、そうではない。著者は佐藤優…
本が好き! 1級
書評数:382 件
得票数:2900 票
村上主義者。




「死線」を生き延びた両者から学ぶべきことは多い。
新書であるし、タイトルに「技術」とあるから手軽なハウツーものかと思いきや、そうではない。著者は佐藤優…





精神の「機械化」から、肉体を取り戻すにはどうしたらよいか。それは、人と人とが愛し合うことでしか成し得ない。
伊藤整訳の同作が発禁処分となったのは、昭和25年(1950年)。その翌年に、伊藤と版元である小山書店…




帯文をロシア文学者の亀山郁夫が書いていて「これぞフランス版『罪と罰』だ!」とある。
バルバラは19世紀フランスの作家。しかしその存在は長く「幻」となっていたらしい。それを再発掘したのが…




ときに、ひりひりするほどに胸が痛む。けれども、それは読み手の「ほんとうの気持ち」に、これらの作品が触れていることの証しなのだろう。
「社会」と折り合いをつけながら生きる、というのは案外と難しい。世の中は理不尽だらけだから、ときに怒っ…





最後の訪問地は福島県の三春町・二本松市。雑誌掲載は2014年の2月号となっている。この号が出てしばらくのち、3月19日に水丸さんは帰らぬ人となってしまった。
水丸さんは「お城好き」をどこかで公言されていたのだろうか。僕は耳にしたことがなく、だから最後の著作…





本の「記憶」は、たとえ「焼かれても」「流されても」、人間の心に残る。
先日、ちょっと面白いイベントに参加した。映画監督の金高謙二氏と、東日本大震災の被災地で移動図書館を立…





村上春樹訳出による「フィリップ・マーロウ」シリーズの第四弾。
村上春樹訳出による「フィリップ・マーロウ」シリーズの第四弾。とはいえ、この『大いなる眠り』がシリーズ…





近代社会に潜む普遍的な物語の原型をみることができる。だからこそ何度も映画化され、日本でも「新訳」としてたびたび甦るのだろう。
ジャック・ニコルソン主演の映画が有名だが、帯文によれば、この作品は過去7回も映画化されているらしい。…





オールスターキャストで繰り広げられる物語はオースター自身の「総括」か? あるいは新たな挑戦か?
ポール・オースターの最新訳であるが「最新作」というわけではない。発表されたのは2007年だから、もう…




高村薫の硬質な文体は、新聞紙上によく似合う。
高村薫が『読売新聞』と『中日新聞』の2紙に寄稿した時事コラムを集めたもの。「2008-2013」と、…





保坂さんはとても天邪鬼だ。「革命を信じている」と断言してしまったりしているし、けっこう過激なひとである。
保坂さんの本をまとめ読みしようと思ったら、ちょっと変わった著作を見つけた。創作でもエッセイでもない。…




赤川次郎は人形浄瑠璃や歌舞伎にも精通しているから、これまで時代劇を書かなかったというのは意外でもある。
滝沢秀明が鼠小僧を演じているという。年末に何気なく番組予告を観ていたら、原作は赤川次郎とある。赤川次…




スケベで物欲も旺盛な名(迷?)探偵ヨギガンジーが「降霊」「遠隔殺人」「透視」といった怪しげな術を使って人心を惑わすものたちと対決する。
先日、知人に教えてもらった泡坂妻夫の『生者と死者』は、全体が14の袋とじになっている。表紙には、各ペ…




この日記は、バブルという時代に辛酸をなめた西村の意趣返しのような気がしてならない。
しばしば、テレビで西村賢太の姿を見る。たいていはクイズ番組の回答者としてで、学生服に身を包んだ西村は…





地方出身の青年が「都市」、あるいは「戦後社会」という「穴」に落ち込んでゆく。これは先日芥川賞を受賞した小山田浩子の『穴』と通底する。
発表当初は、サルトルの実存主義とのかかわりで論じられることが多かったらしい。そこに異を唱えたのは江藤…





井上ひさし未完の大作。『ひょっこりひょうたん島』を彷彿とさせる子どもたちの冒険譚だが、現代に生きる子どもたちが旅立つのは海ではなく商品先物取引という経済の大海原。
井上ひさし未完の大作だが絶筆というわけではない。この物語が「夕刊フジ」に連載されたのは、昭和63年か…




柴田元幸による訳本。冒頭の『バナナフィッシュ日和』はシーモアとシビルの場面だけで十分だったのではないかと思う。
柴田元幸による訳本。冒頭の「バナナフィッシュ日和」は、もっぱら「バナナフィッシュにうってつけの日」と…




この手の「受験成功本」の類は普段なら読まないのだが、読了してみれば付箋や傍線を引いた箇所が膨大になった。
この手の「受験成功本」の類は、普段なら読まない。たいていは著者の自慢話に終始していることが多いし、開…




こんなに身近に博覧強記な人物がいることを名古屋人として誇りに思う。こんな風に書くと、呉氏には怒られそうだけれども。
名古屋の碩学といえば呉智英氏を忘れてはならない。そんな呉氏が、名古屋に関する本を出していて、それが『…





美男で、すらりとした長身に着流しがよく似合う。その容貌からか「最後の文士」といわれた作家。それが高見順。
僕が日記を書くようになったのは子どもが生まれてからだ。ネットの黎明期とも重なったから、ホームページ製…