玉くしげ



ハンディな新書タイプで宣長の言葉が蘇る意義は大きい。ですが「美しい国のための提言」という副題には違和感が残りました。
本が好き! 1級
書評数:382 件
得票数:2900 票
村上主義者。



ハンディな新書タイプで宣長の言葉が蘇る意義は大きい。ですが「美しい国のための提言」という副題には違和感が残りました。



研究書風ではありますが、堅苦しくもなく、かといって茶化しているわけでもない。そんな姿勢に好感を持ちました。個人的には夫婦愛の物語として読みました。





ショートショート作品の軽妙さとは対照的に、じつに波乱万丈な人生を生きた人だということを初めて知りました。
以前に最相葉月の『あのころの未来』を読んだことは書いた。星新一のショートショートを補助線にしながら、…



異端カタリ派の悲劇に踏み込んだ労作。しかし登場人物がちょっと類型的な点が気にかかりました。ミステリとしての結構よりも、もう少し人物造形に力を入れてほしかった。




類書は多いですが、新書サイズでこれだけ豊富な図版を掲載しているのは珍しいのでは? 子どもと一緒に楽しみたい一冊です。




ちょうど『硫黄島からの手紙』を観たばかりなので、興味深く読みました。栗林中将の人となりがよくわかります。映画のサブテキストに最適。




30年前にこれほどの作品が描かれていたとは驚きです。多角的な視座でひとりの天才の軌跡を浮き彫りにする手腕はさすが。



タイトルは「ブログ論壇」のほうがよかったのでは? タイトルと内容に違和感を感じました。



柳田邦男を思わせる医療ルポルタージュです。事故発生時の再現シーンは見事でした。ちょっと詰めが甘いと思われる箇所もあったので、今後の期待もこめて、今回は厳し目にあえて★3つとさせていただきます。




ペレストロイカからプーチン政権までの激動期における対ソ(対ロ)外交史です。外交の最前線に立つ者のみが知りえるであろう情報は、まさに秘録と呼ぶにふさわしい。佐藤優氏の25ページに及ぶ解説も嬉しいです。
鈴木宗男、佐藤優らとともバッシングを浴び、2002年に外務省を退官した東郷和彦氏による対ソ(対ロシア…




戦時のリアルさが取材されています。日に日にその記憶が失われていく今だからこそ読んでおきたい一冊です。
2006年夏、NHKスペシャルの「ラストメッセージ」という番組を観た。鬼籍に入った著名人らのフィルム…





あの戦争と現代とは断絶しているわけではなく、“地続き”であることを改めて知らしめてくれます。傑作漫画。




わずか140ページ足らずの中篇ですが、驚くほど複雑な構造を成しています。金原ひとみは一作ごとに上手くなってますね〜。




「iPhone」のことが知りたくて読んだら、ほとんどは「Web2.0」や「ユビキタス」の陥穽を論述したもので、これが予想外に面白かったです。少々、持ち上げすぎの感もありますが……。


期待して読んだのですが、少々拍子抜け。リナックスから始まるというのはいかにも古い。トーマス・フリードマン『フラット化する世界』のほうが面白かったです。



とかくスキャンダラスな話題が先行しがちな著者ですが、案外と可愛らしい一面が垣間見えます。柳美里は意外にネットの達人かも? 【読了時間:2時間05分/305P】



自分が二十歳そこそこになった気分で読むと、著名人たちの言葉がさらに胃の腑に落ちてきます!



明治維新後から第二次大戦後にかけて、これほどまでに日本という国は、諸外国から格下扱いを受けていたのか、という事実に愕然とさせられます。【読了時間:4時間25分/236P】




いわゆる「情報理論」の入門書でした。なるほど、コンピュータというのは、こうした理論の上に成り立っているのかと目からウロコが落ちる思いがしました。図表の使い方、喩え話がじつにうまい!【読了時間:2時間30分/245P】





これは掘り出しものでした。著者の作品は初読でしたが、これほどの手練とは思いもよらなかった。大正八年(1919年)当時のシンガポールを調べてから読むと、面白さ倍増です。懐かしき冒険小説、逃亡サスペンス、そして大胆な仮説で作りあげた歴史小説です。【読了時間:4時間52分/367P】