そして、バトンは渡された

優子がもの心ついたころから、結婚するまでのお話だ。 題名の「バトン」が綺麗に渡されたかどうかは読者次第だが、 走者たちが紛いなく懸命に走っていた事は、きっと全読者が頷くだろう。
345 瀬尾まいこ 「そして、バトンは渡された」 優子がもの心ついたころから、結婚するまでのお…

本が好き! 1級
書評数:668 件
得票数:11766 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

優子がもの心ついたころから、結婚するまでのお話だ。 題名の「バトン」が綺麗に渡されたかどうかは読者次第だが、 走者たちが紛いなく懸命に走っていた事は、きっと全読者が頷くだろう。
345 瀬尾まいこ 「そして、バトンは渡された」 優子がもの心ついたころから、結婚するまでのお…

42巻で初めて出てきた「ぼのぼののお母さん」の形見にまつわるお話、その他だ。 必ずどこかに「はっとして目から鱗が落ちる一画」があるから、いがらしみきおは止められない。
346 いがらしみきお 「ぼのぼの 43」 42巻で初めて出てきた「ぼのぼののお母さん」の形見…

七歳のかなと、時折わらうお地蔵様のお話。 帚木蓬生が絵本作家と組んで民話の絵本を出した、と聞き早速頼んでみた。
347 帚木蓬生(作) 小泉るみ子(絵) 「わらいじぞう」 七歳のかなと、時折わらうお地蔵様の…

小学校五年生のミレイちゃんの、夏休みのお話。 高橋源一郎が「子どもたちこそ、最も手ごわい読者ですから、満を持して調べ書いた児童文学」 と言ういうだけはある構成力だ。 そして何といっても、テーマが良い。
348 高橋源一郎 「ゆっくりおやすみ、樹の下で」 小学校五年生のミレイちゃんの、夏休みのお話…

幕末の京都を舞台に、志士と女の儚い恋、夢を取り上げた短編集。 木内昇は「人を書く」というよりも、「人を通じて時代を浮き上がらせる」作家だと思ってきたが、 新選組や幕末の志士には、心を奪われているようだ。
349 木内昇 「火影に咲く」 幕末の京都を舞台に、志士と女の儚い恋、夢を取り上げた短編集。 …

筒井康隆によるハイデガー「存在と時間」の解説講演を活字にしたもの。 「存在と時間」のとば口の書としては良いが、下に書くように少々肩透かしもくらった。
350 筒井康隆 「誰にもわかるハイデガー: 文学部唯野教授・最終講義」 筒井康隆によるハイデ…

赤ん坊は死んだ。 という一文で始まる。 パリのヌヌ(ベビーシッターの愛称)を主人公にしたサスペンス。
351 レイラ・スリマニ 「ヌヌ 完璧なベビーシッター」 赤ん坊は死んだ。 という一文で始ま…

ヴェネチアを何度か訪れるうちに、内田洋子は路地の奥にある古書店が気になって寄り始める。 「うちの本はすべてヴェネチア関連か美術ものです」と中年の店主が穏やかに話しかけてくる。
352 内田洋子 「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」 ヴェネチアを何度か訪れるうち…

時代物ミステリーに多重人格を掛けるなんて、宮部みゆきにしかできない。 でもそれだけじゃない、いいテーマを取り上げている。
353 宮部みゆき 「この世の春」 時代物ミステリーに多重人格を掛けるなんて、宮部みゆきにしか…

うなぎが絶滅した世界、を舞台にした短編集。 「うなぎ」という食べ物に対する、一種独特の執着というか願望は、色々な形で表せると分かった。
354 倉田タカシ 「うなぎばか」 うなぎが絶滅した世界、を舞台にした短編集。 「うなぎ」と…

欲望、嗜好、といったものを道具にしている。 その道具を「梃子」にして、価値観や多様性についてまでも、読者に尋ねてくる。 「広い作品」だと感じた。
596 朝井リョウ 「正欲」 欲望、嗜好、といったものを道具にしている。 その道具を「梃子」…

「生まれ変わり」をツールにした、ファンタジーミステリー。 ミステリーとしての出来は凄く良いとは思うんだけれど・・・
355 佐藤正午 「月の満ち欠け」 「生まれ変わり」をツールにした、ファンタジーミステリー。 …

32年前に書かれたとは到底思えない、刺激的なSFアクションコミック。
356 士郎正宗 「攻殻機動隊」 32年前に書かれたとは到底思えない、刺激的なSFアクションコ…

2011年11月21日に永眠した立川談志の、その年の1-2月の仕事を活字化したもの。 最後のその一つ前の高座、インタビュー2つ、そして入院先でも楽しみに書いていた「日めくりのつもり」百選から成る。
357 立川談志 「江戸の風」 2011年11月21日に永眠した立川談志の、その年の1-2月の…

バイクを頻繁に登場させている短編集。 ただ「バイクが登場人物」とまでは言えない。
358 山川健一 「ライダーズ・ハイ」 バイクを頻繁に登場させている短編集。 ただ「バイクが…

1871年(明治4年)に書かれたSFの古典。 地底にあるユートピアを覗いてくる話。 ユートピアかどうか、は読者の考えに委ねられるかもしれない。
359 エドワード・ブルワー=リットン 「来るべき種族」 1871年(明治4年)に書かれたSF…

下川裕治がこんな題名で新刊を出したと知って、一も二もなく飛びついてみた。
下川裕治がこんな題名で新刊を出したと知って、一も二もなく飛びついてみた。 「12万円で世界を歩く(…

前作に比べると濃さというか、キーポイントが薄い感じがあったが、第二巻ともなれば仕方がないのかもしれない。 前作同様、主人公たちの危うさを伴う、剣の道への傾倒は良く書かれている。
361 藤沢周 「武曲Ⅱ」 前述288「武曲」の続編。 前作に比べると濃さというか、キーポイ…

不思議な小説だった。 そして小説の出自も、もう一つの小説のように楽しめた。
362 吉田篤弘 「おるもすと」 不思議な小説だった。 そして小説の出自も、もう一つの小説の…

清陰高校バレー部の世界は続いている。 壁井ユカコはお話の中で、幾つもの「ペア」の関係からテーマを描き出す事に秀でているが、 今回も範囲を広げて、繰り出してくるテーマがより強いものとなっていると感じた。
363 壁井ユカコ 「2.43 清陰高校男子バレー部 春高編」 清陰高校バレー部の世界は続いて…