凍える牙

ミステリー、サスペンスの形を借りているけど、紛いなくこれは『信頼』をテーマにしたお話だ。
365 乃南アサ 「凍える牙」 ミステリー、サスペンスの形を借りているけど、紛いなくこれは『信…

本が好き! 1級
書評数:668 件
得票数:11766 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

ミステリー、サスペンスの形を借りているけど、紛いなくこれは『信頼』をテーマにしたお話だ。
365 乃南アサ 「凍える牙」 ミステリー、サスペンスの形を借りているけど、紛いなくこれは『信…

古本屋を背景/大道具にした、6つのミステリー短篇。 ホラーとまではいかないが、極めてブラックテイストで、余り夜中に一人では読みたくない(が、きっと読んでしまうだろう)。
366 芦辺拓 「奇譚を売る店」 古本屋を背景/大道具にした、6つのミステリー短篇。 ホラー…

北イタリアの山岳地帯モンテ・ローザを舞台にした、男の子二人のお話。 二人の人生が、豊かな山の自然や登山の描写とともに目の前に現れる。 読後に懐かしさを強く覚えた。
368 パオロ・コニェッティ 「帰れない山」 北イタリアの山岳地帯モンテ・ローザを舞台にした…

もう終わってしまうのが分かっていたので、ゆっくりと読んだ。 面白いので、ページを繰る手が早まりそうになると、「まぁまぁ」となだめながらね。 出てくる人たちを「愛おしい」とすら、感じられたよ。
369 宮本輝 「野の春 流転の海 第九部」 もう終わってしまうのが分かっていたので、ゆっくり…

筒井康隆による、本や作家に関わる追悼文、書評、解説、エッセイなどを纏めたもの。 彼が親しくしていた以外な作家たちやら、予想できない本の解説や書評を書いていたところには驚いた。
370 筒井康隆 「不良老人の文学論」 筒井康隆による、本や作家に関わる追悼文、書評、解説、エ…

木挽町の芝居小屋とそこの人々を道具に使った、時代小説。 そして秀逸・巧妙なミステリーでもある。
594 永井紗耶子 「木挽町のあだ討ち」 木挽町の芝居小屋とそこの人々を道具に使った、時代小説…

戦後間もない頃からの沖縄を舞台にして、三人(四人)の生き様を描いている。 同時にあの頃の沖縄の空気を、そして今も続いているだろう「その空気」を、我々の前に何度も突き付けてくる。
374 真藤順丈 「宝島」 戦後間もない頃からの沖縄を舞台にして、三人(四人)の生き様を描いて…

中編「無限の玄」と短編「風下の朱」の二編。 どちらも不可思議というか怪しい劇なのだが読後感は強く、「その奥に作者が置いたであろうこと」を探る楽しみがある。
375 古谷田奈月 「無限の玄/風下の朱」 中編「無限の玄」と短編「風下の朱」の二編。 …

プログラミング、IT技術をキーにしたSF連作短編集。 ネタには驚き、そのテンポと描写は映像的で、大変楽しく読み進めた。 ITに近い人はもっともっと楽しめるんじゃないかな。
376 藤井太洋 「ハロー・ワールド」 プログラミング、IT技術をキーにしたSF連作短編集。 …

鬼才赤松利一による、一級のノワール小説。 姫路を舞台にして、パチンコ業を道具に使っている。 帯には「赤松利市の到達点」とあるが、まだまだ繰り出して頂きたい。読みたい。
593 赤松利市 「救い難き人」 鬼才赤松利一による、一級のノワール小説。 姫路を舞台にして…

戦前ドイツの高等中学校、高等学校の生徒たちのお話。 寄宿舎生活だ。
377 エーリッヒ・ケストナー 「飛ぶ教室」 戦前ドイツの高等中学校、高等学校の生徒たちのお話…

飯嶋和一特有の「人を使って時代を焙り出す」長編小説。 人物は、徳川三郎信康に仕えた沢瀬甚五郎。時代は、豊臣秀吉による統一から朝鮮遠征の頃だ。
378 飯嶋和一 「星夜航行」 飯嶋和一特有の「人を使って時代を焙り出す」長編小説。 人物は…

エネルギーの「大きさ」と「温度(熱さか冷たさか、その両方か)」を強く感じた。
592 市川沙央 「ハンチバック」 エネルギーの「大きさ」と「温度(熱さか冷たさか、その両方か…

橋本治が小説を道具に使って「現代の日本」を表そうとしている。 読む人の数だけ、違う感想が出てくるだろう。
380 橋本治 「草薙の剣」 橋本治が小説を道具に使って「現代の日本」を表そうとしている。 …

吉本ばななのセミ・ファンタジー第二弾。 「セミ」と造語にしたのは、ファンタジーの形を「少し」借りて、 今までと同じように死や苦難に臨む私たちを鼓舞しているから。
381 吉本ばなな 「吹上奇譚 第二話 どんぶり」 吉本ばななのセミ・ファンタジー第二弾。 …

ジョン・ウィリアムズのお話は、明らかに「彼が書いた」と分かる。 「文体」という言葉で表されるのだろうけど、細かい計算が積みあがっている気がする。 アンドリュー・ワイエスの絵のような緻密さだと思う、凄い。
382 ジョン・ウィリアムズ 「ブッチャーズ・クロッシング」 ジョン・ウィリアムズのお話はまだ…

とても重層的できめ細やかなミステリーだ。「お得感」もある。 ひと言で表すなら「再生のお話」。
384 横山秀夫 「ノースライト」 「半落ち」以来6年振り、横山秀夫の長編。 とても重層的で…

カポーティ若かりし頃の短編を纏め、2015年にアメリカで出版されたもの。 「八歳で小説家になった」と言ったことがある彼の、非凡なセンスを見つける事ができるはずだ。
386 トルーマン・カポーティ 「ここから世界が始まる: トルーマン・カポーティ初期短篇集」(訳:小…

小説を読む醍醐味、ってのはきっと星の数ほどあるだろう。 その点を短いながらも、大変端的に表して、更にもっと深い一つの解釈を囁いている。 凄い中編小説だと思う
388 ドリアン助川 「あん」 小説を読む醍醐味、ってのはきっと星の数ほどあるだろう。 ここ…

「自分を見つける」ファンタジー、とでも例えたら良いのだろうか。 うーん、それだけではとても収まりきらない。でもこうは言える。 「これは極上の物語である」と。
389 フランシス・ハーディング 「カッコーの歌」 「自分を見つける」ファンタジー、とでも例え…