新釈雨月物語;新釈春雨物語





鬼才石川淳による、現代語での上田秋成の『雨月物語』と『春雨物語』。解説は三島由紀夫
以前の『至福千年』のレビューにて、石川淳は和漢洋に通暁していると書いたのだが、これは、「和」の部門。…

本が好き! 1級
書評数:38 件
得票数:427 票
ただのブックアディクト。作家の文体に関心がある文体バカです。書評について勉強させていただいております。
つまらない本については書かないので、全てがおススメの本になります。書いたものは随時アップデートします。
のちに残るような本の感想をだらだら書き連ねます。時差の関係で変な時間に投稿します。





鬼才石川淳による、現代語での上田秋成の『雨月物語』と『春雨物語』。解説は三島由紀夫
以前の『至福千年』のレビューにて、石川淳は和漢洋に通暁していると書いたのだが、これは、「和」の部門。…





文庫本なしでは生きては行けない、文庫本ジャンキーによるジャンキーのための本
今は消えてしまった文庫。サンリオ(SF)文庫、旺文社文庫、福武文庫… 本書は網羅的に、絶版文庫…





森鴎外の長女である茉莉によるエッセイ集。独特の美学と文体が光る!
森茉莉は好き嫌いがはっきりと分かれる作家だろう。軍医総監でもあり、大文豪の第一子の長女というだけでも…





ポケットの中の歌舞伎。これ一冊で歌舞伎十八番集が読める
歌舞伎十八番の台本を収録した一巻物。十八番といっても、七つの作品しか存在せず、その七つすべてがこの一…





昨今のブックガイドに物足りなくなったらこの一冊。今では手に入りにくい文庫本に特化したブックガイド。
良い書評というものは、実際にその本を手に取り読んでみたくなるものである。 本書は、今では絶版(版元…





投獄されること数十回、異能のジャーナリスト、宮武外骨を知るのにうってつけの入門書。赤瀬川原平が外骨になりきってる表紙もステキ!
『滑稽新聞』『面白半分』など、雑誌をだしては発禁処分を食らうこと幾たび。 反骨のジャーナリスト宮武…





江戸で隠れキリシタンによる革命が成就するのか?石川淳がおくる伝奇長編。『江戸名所図会』を見ながら読むとより一層楽しめる。
まず水。 この出だしから、「まず」やられる。 本小説は、キーワードとして隠れ(潜伏)キリシタ…





精神疾患としての狂気を実際に体験したシュレーバーによる奇跡の実録。フロイトを震撼させた古典
本書は、筑摩書房から出た単行本を、講談社学術文庫におさめ、それを電子化したものである。また、同書の完…





辞書・辞典・事典は自分で育て上げるものだと気づかされる一冊。古本好きにもおススメ。井上ひさしの執筆のヒントもここにあり
広辞苑から岩波国語辞典の使い方、「本」に関する井上ひさしのエッセイ集。 「みぎ」という語を手…





100年の誤読。意味を見出すのは読者
ニコライ・ゴーゴリはウクライナ生まれのロシア語作家だ。同時代を生きたタラス・シェフチェンコがウクライ…





『怪奇な話』といっても、ホラーではない。吉田健一の文体を愉しむ本。
吉田健一といえばその文体に特徴があって紆余曲折連綿体と云われるような読点のない文章で有名だが、本書は…





奇想天外なタイムトリップ物を含めた短篇集。三谷幸喜は本書を見つけるたびに買うという。
ジャック・フィニィはもっと読まれてもいい作家だ。実際、一時期は著書の大多数が翻訳されていた。代表作は…





研究者、画家などから構成されるダイヤグラムグループがお送りする、日本人が知って何の得にもならないトリビア満載の本。実は、フォントの見本帳でもあるんです。
研究者集団、画家集団からなるダイヤグラムグループ。本書の他にも多数の出版物を出している。 さ…





ちくま文庫から復刊されて今、品切れ。入手は容易。さて、ブラックユーモアを書かせたら天才的ともいえるサキのベストコレクション。2巻物。
今の時代、「感動する!」「心が温まる!」とか「涙無くして読めない」といった作品が流行っているが、その…





ジェームズ・サーバーの魅力がたっぷりの、ほっこり短篇集。訳も名訳。情けない男を書かせたら天下一品。
The Thurber Carnivalの翻訳。 ジェームズ・サーバーは絵描きでもあり、作家で…





これ、本当に国語辞書? ええ、そうなんですよ。
『新解さんがゆく』などの本で有名な『新明解国語辞典』 第四版の第3刷までが、毒っ気たっぷりの語…



働き方改革とかそういうのを期待して読むと裏切られる。築地の大病院に勤務する4人の医療従事者たちのドキュメンタリー。
日野原重明氏で有名な築地の大病院である、聖路加病院。現在は聖路加国際病院として、全国に名をはせている…





スピノザの翻訳者の名文がよみがえる。解説文などの集大成!
畠中尚志『畠中尚志全文集』講談社学術文庫、2022年 岩波文庫でスピノザの個人訳(ほぼ)全集を出…