冬の花火
早逝の女流歌人中城ふみ子の主人公に据えた評伝的小説。著者の描く女性像は褒められたものではないが、乳房切断から癌の再発、闘病生活に入り、あっという間に…。この生々しい描写は他の追随を許さない
1983年(単行本1975年)刊。 子持ちのバツイチ(当時はそんな言葉はなかっただろうが)な…
本が好き! 1級
書評数:949 件
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早逝の女流歌人中城ふみ子の主人公に据えた評伝的小説。著者の描く女性像は褒められたものではないが、乳房切断から癌の再発、闘病生活に入り、あっという間に…。この生々しい描写は他の追随を許さない
1983年(単行本1975年)刊。 子持ちのバツイチ(当時はそんな言葉はなかっただろうが)な…
レイ、あなたは人間だ。
レイ、あなたは人間だ。 「Dr.STONE」スピンオフマンガ作。百夜が産んだマシーンが、百夜を…
コハク、男だねえ…(女の子だけど)。でも、あのセリフって、やはり千空への愛の告白ではなかろうか…。
原発デモ行進に参加した著者が、意見対立を止揚し対話を成立させるべく、政治思想に関する共通の土俵を提示する。デモの歴史的・社会的意義に無知ないし無能な記者に触発された書のようだが、現状は厳しい
2012年刊。 著者は慶應義塾大学総合政策学部教授。 フクシマ以降、反原発運動・デモが…
トルコの祖たる突厥を軸に、その前史や後継たる中央アジア民族との内訌。東の中国王朝や西のペルシャ帝国、勃興期イスラム諸国との対抗・従属を開陳。ユーラシアを席巻したソグド商人にも言及。古いが読み応えは十分
1976年刊。 著者は東京大学名誉教授、㈶東洋文庫理事・研究部長代理・付置ユネスコ東アジア研究セン…
「妻を帽子とまちがえた男」の著者が送る、脳に関する少し不思議な症例を描述する書。勿論、純然たるノンフィクションだ。他著と被る症例もないではない。ただ、後天的大脳色盲の模様には驚愕する他なし
2001年(底本1997年、訳出前原本1995年)刊行。 著者はコロンビア大学メディカル神経学・精…
1930年代後半の、聨合通信の上海特派員による回顧録の3巻。肝は日中戦争開戦期の上海住民らの空気感。盧溝橋後の停戦模索がなぜ頓挫?。日本政府の余計な宣明と日本軍艦艇の上海出現が齎した帰結は巨大な犠牲を
1975年刊。上中下巻中の下巻。 本巻のキーは、 ➀ 西安事件。 ➁ 盧溝橋事件に始…
1933~39年日本聯合通信社上海支局長時代の回顧的自叙伝。2巻は35年後半期~36年頃の模様を。226事件の影響の他、満州事変が齎した中国人の対日感情悪化とこれに無頓着な日本人の構図が印象的
1989年(底本1974年)刊。 上中下巻中の中巻。 1935年後半期~36年頃の日中関係…
1933~39年日本聯合通信社(聯合通信。後の同盟通信社)上海支局長時代の回顧的自叙伝。第1巻は35年前後の日中外交が主だが、それとは別に国民党の関係者と繋がりの深い著者らしく、党内の内訌がビビッド
1989年(底本1974年)刊行。 著者は1933~39年日本聯合通信社(聯合通信。後の同盟通信社…
99年~08年、主に小泉政権下での普天間基地移設問題につき、守屋防衛事務次官の懐刀・佐藤勉那覇防衛施設局長自身のメモ・日記・備忘録に裏付取材を加味してできた書だ。99年の閣議決定を反故にした愚昧も登場
2008年刊。著者は沖縄タイムス社中部支社編集部長。 08年の沖縄タイムスの連載記事をまとめ…
個々の論考は各々の著作を紐解くべきだが、とりわけ大学時代以降、個人的に追い続けた著者の自叙伝ならば、読まずばなるまいと読破。変わらぬ旺盛な探求心とガン罹患後の達観した心境に学ぶべき点は少なくない
2020年刊行。 著者の論考は高校時代に初見。以後、とりわけ大学時代以降、個人的に追い続けて…
著名な経済思想家ケインズとハイエク。2人の「自由」概念の相違を基礎に、自由概念やその内実の史的変化や、この変化を生んだ社会や統治制度の変容とこれらの相互連関を解説。本書は「自由権論」の書なのだ
1989年刊。 著者は京都大学大学院人間・環境学科研究科助教授(社会経済学)。 19世…
トンデモ本?に見えるが、出雲や奈良の神社他を実地見分の上、通説は白紙に戻す姿勢の叙述本として腑に落ちた書。祭祀面での出雲の広範な影響、邪馬台国を「唐古・鍵遺跡」(銅鏡製造地)と比定する件が印象深い
2013年刊行。 著者は国際日本文化研究センター名誉教授(日本中世・古代史)。 通例ど…
複数のフリーライターが沖縄の暗い一面を報告。色恋沙汰や裏社会の報告は別儀だが、嘉納昌吉などの文化面、基地関連は沖縄固有の報告であろう(ただし日本国内の他の米軍基地所在地も同様な問題を抱えているはず)
2006年(底本2004年)刊。 フリーライター、ルポライター、性風俗ライターらが、沖縄の暗…
独立前、吉田茂政権で独立・安保など日米間交渉を担当した池田隼人。彼の秘書官的役割を担ったのが本著者宮澤喜一だ。本書はその回顧的体験録だが、一枚岩ではない自由党、腰砕け外務省の模様が赤裸々に
1999年(底本1956年)刊。 著者は底本刊行の後に首相・蔵相を歴任した政治家。 独立前…
66年に東京大学入学、学生運動の騒擾後に中退し変転流転の人生行路を。この全共闘世代が自らを回顧した書だが、刊行後ほどなく著者は鬼籍に。あの騒擾の時代すら語り得る人が失われつつある現実に言葉もない
2006年刊。 著者は文筆家・駿台予備校講師(小論文)。 1966年、九州を出て東京大学に…
Ⅲ巻が最終巻? Ⅰの刊行が2015年、Ⅱが2017年で、Ⅳがあるにしては間があいている。せめて事の発端でアジテートした齋開化の真の思惑、そして彼と曲瀬愛との関係性は描くべきだと思うけれど…
業務としての自殺援助、営利目的の自殺援助。なるほど、ここが限界事例として考えなければならない部分な…
警察・検察機構、法制関係のリアルさに比し、曲瀬愛の言動と周囲への影響に見られるサイキックホラーのぶっ飛び具合が浮き上がりすぎ。「自殺の合法性・不可罰性」を正面に掲げる題材とした点の疑義も
警察・検察機構、捜査、また法制関係のリアルさに比し、曲瀬愛の言動とその周囲への影響に見受けられるサ…
「正解するカド」のインパクトが大きい著者の手になる作。社会正義、命の価値をテーマに、謎の女・曲瀬愛を奇怪な"自殺"事件に絡ませ、物語は始まる。捜査機構の在り様のリアリティと曲瀬の浮世離れが対照的
あの「正解するカド」のインパクトが大であった著者。 その著者が、社会における正義、命の価値を題…
マルクスと盟友エンゲルスは19世紀半ばの西欧人。当時は資本主義の拡大発展期だが、労働基本権はなく、大衆消費社会は未到来。そんな時代の社会問題に誠実に、知的に、しかし激越に取り組んだ2人の評伝
1964年刊。 著者は元東京大学教授・法政大学総長(財政学・統計学)。 カール・マルク…