犯罪者 上




大きな闇の底知れぬ不快さ、人間が生きていくということの罪深さ
白昼の駅前広場で4人が刺殺され、1人は重症を負った。被疑者死亡で捜査もそこそこに通り魔事件として処理…

本が好き! 1級
書評数:604 件
得票数:10215 票
ジャンル問わず、読みたい本を
雑多に読んでいます。
共通の、また新しい世界を
一緒に楽しめたら幸せです。
よろしくお願いします。




大きな闇の底知れぬ不快さ、人間が生きていくということの罪深さ
白昼の駅前広場で4人が刺殺され、1人は重症を負った。被疑者死亡で捜査もそこそこに通り魔事件として処理…




本は一生に一冊あればいい。本と人を結び弔う「書楼弔堂」
三階建ての街燈台に似た不思議な佇まい、軒下には「弔」と書かれた半紙が一枚貼られている書舗「書楼弔堂」…





よろず建物因縁帳、初の洋館にして最恐物件!堕天使に対抗するには、堕坊主だ!
よろず建物因縁帳、初の洋館にして最恐物件!今までの怪異とはまた違った、魂が穢れていくような純粋悪がひ…





女の業、母という毒。呪縛のような真実の一端に飲み込まれる。
「わが母なるロージー」ピエール・ルメートル(訳)橘明美(文春文庫)P220 本編である3部作に…





猛スピードで駆け抜けていく痛み。仄暗い人生のリアルな余韻が心に波紋を広げる。
冒頭から猛スピードで駆け抜けていく痛み。 「"偶然"という矢は狙いを定めて放たれる」。 …





茫然自失の心境へと導く巧みな仕掛けの数々。心に焼き付く苦みが忘れられない。
「くたばるところを見てやる」 と自分を拉致監禁した男に言い放たれた被害者の女性。なぜ私はこんな…




文字を追う目を気持ちが追い越していく。もどかしい程の焦燥感にすべてを忘れて没頭する、ルメートル圧巻の展開。
凄まじいまでの凄惨な事件と、夢の中で全力疾走しているのに前に進めないあのもどかしさの様な焦燥感で、文…





私などライトな本好きだと思わせられる瀧井朝世さんの読書熱の凄まじさ!神々しいです。
書肆侃侃房から新しく生まれる文芸誌が楽しみで、もう一度「たべるのがおそい」を再読していこうと。 …





描かないことで浮き彫りにする問題の本質。多弁ではない今村文学の奥深さに改めて感嘆。
どこにでもある外からは見えない家族に横たわる問題。家族にとっては異常ではないこと、違和感を感じながら…





ユーモアとシニカルさが1枚にまあるく収まる和田マジック
堅い新聞記事内のオアシスとなる読書テーマで書かれたひとコマ漫画の連載をまとめた本書。和田さんの手にか…





激しくも美しい温度差を要所要所で爆弾のように投下していく川端文学
温泉場で芸者として身を立てながら懸命に生きる駒子と、刹那的に生きる享楽と孤独を時に楽しみ、時に虚に包…





目に見える世界を葬り、観念の世界で孤独と共に花開く恋
主従関係であり師弟の契りを結ぶ11歳の少女・春琴と、15歳の少年・佐助。幼くして盲人となった端麗なる…





命を纏った魍魎桜。奇跡の桜が散り染めし泡沫の夢
地滑りを起こした土砂の亀裂から古い大甕のような物が見つかる。その巨大な繭の如き漆喰で塗り固められたザ…





重い運命を背負った一族の犬神を巡る永き哀しみが眠る杜
その名も不穏な嘉見帰来山(かみきらいやま)にトンネルを通す工事の始まりと共に、不審な死が現場周辺で起…





生者と死者の魂が邂逅する因縁祓いに魅了される
「すべての悪縁には因がある。人は人だから間違いも犯す。許してやれ。」人を傷つける弱さではなく、人を赦…





村人が近づくと死んでしまうと伝わる「首洗い滝」。幾重にも重なる哀しみから生まれた業が魔を孕む。
地図に載っていない故郷の滝で男性が滑落し、滝に下で引き上げられた遺体は顔がぐるりと剥がされていた。 …




![群像 2017年 05 月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51b8zJ%2BsoxL._SL160_.jpg)
「追悼・林京子」爆心地で見た哀しみの記憶
「騎士団長殺し」の「父」という部分に焦点をあてて書かれた清水良典さんの評論。「父」という観点からの考…




「絵を生きる」という画家としての観点
発売当時に又吉くんの「劇場」を含め本誌を読みながらも、いしいしんじさんの「騎士団長殺し」書評だけは作…





加速する村上春樹の渡辺淳一化をとくに拾い集めて「村上カルタ」作ってほしい
最高だった。騎士団長を読み終えた後のお楽しみの中で一番楽しみにしていた本書。大好きなメッタ斬りコンビ…





喪失と再生の環が、綺麗に閉じられていく温もり
空気さなぎのように不安定に開かれた環の中で起きる様々な事象。心を反映する鏡であるイデアを葬ることで開…