Yの悲劇

唯一の目撃者は盲目で聾唖の女性。彼女の五感が導いた先は甘くて苦い……。四部作のなかでも卓越した一作。
今回は所謂、「館もの」。 ミステリのなかでも特に好きなジャンルだ。 見取り図にワクワクする。 …

本が好き! 1級
書評数:108 件
得票数:1637 票
あらすじ紹介よりも「感じたこと」を大切に書いています。
SF・ファンタジー・ミステリ好き。
ブログに載せた記事の中から、厳選した本の紹介をしていきます。
Blog【ちった図書室-Cittagazze】

唯一の目撃者は盲目で聾唖の女性。彼女の五感が導いた先は甘くて苦い……。四部作のなかでも卓越した一作。
今回は所謂、「館もの」。 ミステリのなかでも特に好きなジャンルだ。 見取り図にワクワクする。 …

聴覚を失い舞台から退いたシェイクスピア俳優ドルリー・レーン氏。読唇術と推理力を武器に探偵として華麗に登場!
面白ろかったー! 名作の呼び声高いシリーズの巻頭を飾る本作。 美味しい料理を「美味しい」としか表…

シャーレのなかで辿り着いたのは真の「進化」か?読者へ哲学や宗教観を投げかける、SF界の重鎮からのメッセージ。
「あなたは自分のお部屋にいらっしゃい。どうしてって?だって、それが一番安全だもの。そうでしょう?」…

不思議で哀しい「ありんす国」。しきたり、お作法、ついつい気になる「第一級の花魁(太夫)と同衾するには幾らかかるのか?」ということまでが詳らかに書かれた江戸のガイド本。
不思議な不思議な「ありんす国」。 道順、お作法、行事等々がぎっしり詰まった一冊。 まるで当時の吉…

昼・夕・真夜中の子供達。それはちょっぴり怖いかもしれなくて。不思議な魅力を甘い紅茶と一緒に是非どうぞ。
酒井駒子ワールドを、じっくり味わえる3編。 明るいけれど、なんだか暗い。 暗いけれど、たぶん…

美人。それは、努力と根性の賜物なのだ。対して軽やかに鮮やかに作られる「美」もある。「まっしろけのけ!」ってね。
安野モヨコが選び、「描きたい」と思った八編に住む女たち。 それぞれに挿絵が描かれる。 『さくらん…

遂に決着の時。激しい戦闘と、静かに蝕む心の戦闘。「サウロンの目」は読者をも不気味に見つめ、離さない。
モルドールとの戦を控え、ゴンドールのミナス・ティリスに集まるローハンの騎士。 そして、西方の戦士た…

物語が大きく動く!仲間の離散と強まる絆。ダイナミックで疾走感のある展開が魅力的な第2部。
9人の仲間の離散。 そして、アイゼンガルドのオルサンクとモルドール勢に奪われたミナス・モルグル(元…

終わらせる為の旅の始まり。小さな体に宿した勇気に心が震える。
-指輪物語- 三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、 七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、 …

「柴田元幸にハズレなし!」名翻訳家が選んだ幻想の世界。ピーター・ケアリー作「"Do You Love Me?"」だけでも読む価値ありの短編集。
「編・訳/柴田元幸」! これだけで飛びつかずにはいられない。 全体的に、ル=グウィンやエンデの世…

繋がりは他人だけでなく、時間を越えた自分でもあると思う。「繋がり」が「愛」ならば「いつかの自分」と出会える気がする短編集。
好みが分かれると思う。 感性が合うかどうか。 先に、著者「爆笑問題」の太田光氏のエッセイ『トリッ…

人間は恨みに囚われ、ロボットは未来を見る。
少し、前作 『夜明けのロボット』 から時間を空けてから読んだ。 ちょこっとでいい。本書のヒロインで…

「ロボットによる人間賛歌」、この一語に尽きるのではないだろうか。ロボットが教えてくれた“夜明けの世界”。
ベイリ刑事、ついにオーロラへ下り立つ! 惑星・オーロラは昔々宇宙開拓の先陣を切った地球人が住み着い…

どんな世界であろうとも人間臭さが消える事はない。“鋼鉄の子宮”からの“生まれ直し”を提起する、極上のSFミステリ。
少しの人間と沢山のロボットで構成された社会を持つ、惑星ソラリア。 人間同士が出会わない環境で惑星初…

冬の星空を見ていると、キンとした空気が身体に入ってきて一瞬目が覚める。それはベイリ刑事の、人間の「目覚め」に似たものかもしれないと思う。
面白かったー!! 何一つ無駄がない。 ……それが……それが、伏線だったなんて……! 前へ前…

大人版『不思議の国のアリス』は美しくも闇が深い。アリスは空無の名を持つ青年に。チェシャ猫は大鴉に。一点の光を目指しながら青年は迷う。
ジョージ・マクドナルド。 イギリスが誇るファンタジー界の祖とも言うべき人物である。 愛する少女へ…

誰もが持っている心の影「溶けてしまったチョコレート」が絡みつく“幻想現実”短編集
不思議だけれど、誰もが持っている心の影……のようなものが全体に漂う。 幻想的に、それでも現実感を伴…

ある約束の為に、老人はこう言った。「ちょっくら奇跡に用がある」
どれ、奇跡の話をしようじゃないか。 こんな一文から始まる、世界を繋ぐオルゴールの話。 奇…

「本好き」の為の特別なアドヴェント・カレンダー!クリスマスまでに是非読みたい、心温まる一冊。
たぶん、来る年も来る年も同じ方向に進むことにいいかげんうんざりした時計の針が、突然、逆さに回り始め…

全てには表と裏がある。遂に「美しさ」という表面上の事しか理解できなかった男と、全てを理解した怪物。本当のモンスターはどっち?そして、周囲はどうすれば良かったのか。考えると止まらなくなる不朽の問題作。
ETVで放送されている「100分 de 名著」を視聴していなかったら、この名作を読むことは無かったと…