中流階級のスラムへの眼差し──嫌悪、好奇、憐れみ、恐怖、不安、救済、そして魅惑。長きにわたり、シティの負の側面を担ってきたロンドンのイースト・エンドは、とくに19世紀末〜20世紀初頭にかけて、都市の貧… (続きを読む)
中流階級のスラムへの眼差し──嫌悪、好奇、憐れみ、恐怖、不安、救済、そして魅惑。長きにわたり、シティの負の側面を担ってきたロンドンのイースト・エンドは、とくに19世紀末〜20世紀初頭にかけて、都市の貧困を象徴するスラムであった。 スラム見学に訪れる人びと、貧困撲滅に取り組むジャーナリストや社会改良家、慈善活動に従事する中流階級の女性たち、貧民救済に身を投じる社会活動家──さまざまな人びとを惹きつけ続けたイースト・エンドは、いかにして「スラム小説」という文学的表象として立ち現われたのか。ウォルター・ベサントからギッシング、ディケンズ、ジャック・ロンドン、トマス・バーク等、世紀末イースト・エンドを舞台にした「スラム小説」を、当時の社会背景と照らし合わせて分析し、労働者階級・貧民に対する複雑な心的態度を解き明かす。詳細な関連年表付。
(もとに戻す)