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指名献本書評
休蔵さん
休蔵
レビュアー:
説明力は人生を送るうえで欠かせない技術の一つだ。それも相当に上位に位置付けられる技術である。本書は相手にわかりやすい説明を行えるようになるために技術が紹介された1冊である。
 人生さまざまな場面で説明をする機会がある。
 大きなプレゼンもあれば、小さな会議で説明をしないといけないこともあるだろう。
 家族旅行の行き先や今度の休みの日にすることについて、自分の意見を説明する場面もある。
 ただし、どんな場面であろうと、自分の意見を相手にわかってもらう説明は、わかりやすくなければならない。
 説明では、自分の主張が相手に伝わらないと意味がないからだ。
 本書はわかりやすい説明の方法を解説してくれる。

 当然のことながら、説明の目的は他人に自分の主張をわかってもらうことにある。
 言いたいことをただ言うだけでは、単なる独り言だ。
 相手に主張を伝えるためには、まず「何のための説明」であるかを明確にしなければならない。
 さらに、誰に、何を、どんな効果を狙って説明するかを決めなければならない。
 そのうえで、できるだけ多くの情報を収集する。
 情報は集めただけでは役に立たないため、細かく分割して、再構成する。
 この流れで一番大切なことは、最初の段階、何のために、誰に、何を、どんな効果を狙っての部分だ。
 ここが明確になっているからこそ、話を組み立てることができる。

 話の組み立て方も工夫が必要だ。
 序論・本論・結論の三段階法や起承転結の四段階法はよく知られた展開の仕方だけど、それを意識しすぎるのもよくない。
 家族旅行の行き先の話で、理路整然とした主張をピシっとされても、正直気持ち悪い。
 序論と本論、本論と結論というさらりとしたやり方が良い場合だってあるから注意が必要だ。
 
 ただ、最も大切なのは、相手を思った説明ができているかどうかではないか。
 転校生に学校を案内する場合、自分の学校で当たり前の施設名すら共有できるとは限らない。
 ひょっとしたら、自分が標準語だと思っている単語が、実は思いっきり方言ということだってあり得る(もっとも、この場合は致し方ないが)。
 相手に伝えるためには、相手の立場に立ち、寄り添った説明を行うことが最も大切ではないか。
 そのための話し方や態度についても本書は解説する。
 
 いったい一生のうちにどれだけ説明する機会があるのだろうか。
 そして、どれだけ伝わったと確信が持てるのだろうか。
 自慢じゃないが、うまくプレゼンができたと思ったことなんか一度だってない。
 本書に書いてあることは、当然のことなのかもしれない。
 でも当然のことを実行できるかどうかが重要だ。
 いきなりすべてを実行することは難しいとしても、少しずつでも取り入れてみよう。
 いつの日か、「今日のプレゼンはうまくいった」と、うまい酒を飲むために。
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休蔵
休蔵 さん本が好き!1級(書評数:451 件)

 ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
 それでも、まだ偏り気味。
 いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい! 

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