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たけぞう
レビュアー:
何もここまでオンナを否定しなくても。
もともと気になっていた作家さんです。
「昭和の犬」を献本で頂戴し、おかわりを探していたところ小太郎さんにお薦めを頂きました。ありがとうございます。
率直にいって自分の趣味に合わない部分がありましたが、フラットに見れば衝撃のある作品であることは間違いないです。
ナラタージュが好きな方にはお薦めです。

さて。
表紙と裏表紙の紹介文は何とかならなかったのでしょうか。
読後の印象と焦点が合う場所がずれています。
濃厚恋愛系はどちらかというと苦手なので、お薦めがなければ回避する予定でした。
読んでみたら直球系の恋愛小説と感じました。

なんだかナラタージュの書評と同じようなことを書いている気がします。
自分の感性が、実はずれているんじゃないかと冷や冷やしております。

ただし、この本は恋愛要素のほかにもっと目をみはる側面があります。
オンナというものに対するコンプレックスが強烈すぎて圧倒されます。
実はそこが読み続けられる原動力となりました。

言葉の選び方ですが、わたしは男子・女子という言い方をあまりしないようにしています。
それこそ中学生の頃まではなんとも思っていませんでしたが、自分の年齢が上がるにつれ、子どもっぽさと、相手に対する優越感みたいな心持ちが透ける気がするようになりました。
言葉そのものの問題ではなく、使う自分の年齢とのマッチングの問題です。
まして、オトコ・オンナみたいな訳知り顔の表現はもっと抵抗があります。
論外ですが、会社のオンナノコなんていうオヤジどもは、聞いているだけでおえーっとなります(本当にいう人がいるんですよね、いまだに)。
でも、でも、この物語は「女子」「オンナ」と書くしかないような、生々しい気分になりました。不本意ではありますが。

小学二年生の女子たちの集まりから物語が始まります。
グループ化、和を乱す者への仕打ち、呼び出し、軋轢、力関係。
読んでいて気分が悪いです。
女子に対する幻想を、力ずくで剥ぎとろうとするかのようです。

小学校高学年・中学校と話が進んでいきます。
女子は男子の幼稚さに辟易し、それをいなす術を身につけていくのが分かります。
そして自分があしらわれているバカ男子だったことを思い出して、またしてもずずーんと気持ちが滅入ってきます。

そんな中でも救いのある登場人物がいて、読み進めるこちらも何とか泥沼を這いながらついてくのですが……予想もつかない事件が起こります。

恋とは、「墜ちる」もの

どうにも受け入れられません。
というか、理解できません。
そんな心理状態になるにも関わらず、後半は一気読みでした。謎です。

あの頃、自分はあの立ち位置だったよなと妙にリアルに思い出させる小説です。
大恋愛した人には、夢が思い出せていいかもしれません。
黒歴史の人にはどうかな……
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1462 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
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よかったらのぞいてみて下さい。

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