Yasuhiroさん
レビュアー:
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江國香織の詩集。すみれの紫の陰影の濃い色彩と砂糖づけの甘い毒と。。。
<江國流詩集のはじまり>
すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったわたし
(だれのものでもなかったわたし)
<江國さんの愛は濃密にして純真>
湯船にポンポン丸をうかべて
ろうそくの炎でそれを動かしてくれた男のひとを
全身で
こどものように
愛し
信頼した
遠い
夜
(後略)
(ポンポン丸の思い出)
<きらきらひかるのヒロインみたいだ>
(第二節)
あたしにお説教をするのはやめて
こんなにいい天気なのだから
こんなにしあわせなきもちなのだから
ほんと
あたしのなかには
はちきれそうな野蛮なこどもが住んでるの
あたしにお説教をするのはやめて
お説教はだいきらい
(あたしにお説教をするのはやめて)
<だれか教えてやって、君の膵臓を食べたいと言った人に文学とはこういうものだよと>
誰かあのひとに
うばうならすべてうばえと教えてやって
手も足もくちびるも
じん臓も肝臓もすい臓もひ臓も
声も首も血管のいっぽんいっぽんも
はだかでふるえているこどもも
(誰かあのひとに)
<まことにおっしゃるとおり>
どっちみち
百年たてば
誰もいない
あたしもあなたも
あのひとも
(無題)
<そしてこれが22行続く>
夜あけの路地でキスをしたね
シーツのあいだでキスをしたね
国境の橋の上でキスをしたね
空港でキスをしたね
バスタブでキスをしたね
歩きながらキスをしたね
笑いながらキスをしたね
...............
<最後に感想>
江國さんはひらがなの使い方が天才的にうまい、と思いました。
流しのしたの骨
こうばしい日々
きらきらひかる
たとえ記憶からこぼれ落ちるとしても
つめたいよるに
すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったわたし
(だれのものでもなかったわたし)
<江國さんの愛は濃密にして純真>
湯船にポンポン丸をうかべて
ろうそくの炎でそれを動かしてくれた男のひとを
全身で
こどものように
愛し
信頼した
遠い
夜
(後略)
(ポンポン丸の思い出)
<きらきらひかるのヒロインみたいだ>
(第二節)
あたしにお説教をするのはやめて
こんなにいい天気なのだから
こんなにしあわせなきもちなのだから
ほんと
あたしのなかには
はちきれそうな野蛮なこどもが住んでるの
あたしにお説教をするのはやめて
お説教はだいきらい
(あたしにお説教をするのはやめて)
<だれか教えてやって、君の膵臓を食べたいと言った人に文学とはこういうものだよと>
誰かあのひとに
うばうならすべてうばえと教えてやって
手も足もくちびるも
じん臓も肝臓もすい臓もひ臓も
声も首も血管のいっぽんいっぽんも
はだかでふるえているこどもも
(誰かあのひとに)
<まことにおっしゃるとおり>
どっちみち
百年たてば
誰もいない
あたしもあなたも
あのひとも
(無題)
<そしてこれが22行続く>
夜あけの路地でキスをしたね
シーツのあいだでキスをしたね
国境の橋の上でキスをしたね
空港でキスをしたね
バスタブでキスをしたね
歩きながらキスをしたね
笑いながらキスをしたね
...............
<最後に感想>
江國さんはひらがなの使い方が天才的にうまい、と思いました。
流しのしたの骨
こうばしい日々
きらきらひかる
たとえ記憶からこぼれ落ちるとしても
つめたいよるに
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馬鹿馬鹿しくなったので退会しました。2021/10/8
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- 出版社:新潮社
- ページ数:177
- ISBN:9784101339207
- 発売日:2002年11月01日
- 価格:540円
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