風竜胆さん
レビュアー:
▼
果たして義経は、衣川で死んだのでしょうか?
判官びいきという言葉がある。ここで言う判官とは、源義経のことであるが、このような言葉が出来ていることからも分かるように、義経は、歴史上の人物の中でも、その人気はトップクラスであろう。お話の中では、ものすごい美男子に描かれることの多い義経だが、実際は違っていたらしい。
戦の天才で、平氏妥当を果たしたものの、兄の頼朝と反りが合わず、奥州衣川で悲劇の死を遂げる。しかし、義経の人気は、様々な伝説を後世に残している。その中でも一番すごいのは、義経ージンギスカン説であろう。義経は、衣川を逃れて大陸に渡り、ジンギスカンとなったというのだ。高木彬光などは、「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」で、名探偵神津恭介に、この説をうまく証明させている。
しかし、義経には似たような伝説がもうひとつある。やはり大陸に逃げ延び、清朝を起こしたヌルハチの祖となったというのだ。「義経幻殺録」(井沢元彦 :角川書店)は、この義経ー清祖説をモチーフにした歴史ミステリーである。義経ー清祖であることがはっきり書かれているという「玉牒天おう世系」を巡って、殺人事件が相次いで起こるというものだ。(「おう」の漢字が拾えなかったのでかな書きにした)
この作品に出てくる登場人物がすごい。なんと主役を務めるのが、芥川龍之介なのである。そう「羅生門」や「蜘蛛の糸」などで有名なあの作家である。そして、龍之介と共に活躍するのが、江戸川乱歩の小説に出てくるあの人物である。中国読みにすると、ミン・ヂイと言う名になるらしい。さて、いったい何者かを推理してほしい。その他にもロシアのロマノフ王朝生き残りとされるアナスタジア皇女も登場し、スケールの大きなミステリーになっている。
「玉牒天おう世系」に関する謎解きは、まさに、「逆説の日本史」などの作者である、井沢氏の真骨頂発揮といったところだ。しかし、高木彬光の「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」のように、壮大な歴史上の謎を解明するのではなく、単に「玉牒天おう世系」の真偽についての謎解きとなっているのは残念であった。
戦の天才で、平氏妥当を果たしたものの、兄の頼朝と反りが合わず、奥州衣川で悲劇の死を遂げる。しかし、義経の人気は、様々な伝説を後世に残している。その中でも一番すごいのは、義経ージンギスカン説であろう。義経は、衣川を逃れて大陸に渡り、ジンギスカンとなったというのだ。高木彬光などは、「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」で、名探偵神津恭介に、この説をうまく証明させている。
しかし、義経には似たような伝説がもうひとつある。やはり大陸に逃げ延び、清朝を起こしたヌルハチの祖となったというのだ。「義経幻殺録」(井沢元彦 :角川書店)は、この義経ー清祖説をモチーフにした歴史ミステリーである。義経ー清祖であることがはっきり書かれているという「玉牒天おう世系」を巡って、殺人事件が相次いで起こるというものだ。(「おう」の漢字が拾えなかったのでかな書きにした)
この作品に出てくる登場人物がすごい。なんと主役を務めるのが、芥川龍之介なのである。そう「羅生門」や「蜘蛛の糸」などで有名なあの作家である。そして、龍之介と共に活躍するのが、江戸川乱歩の小説に出てくるあの人物である。中国読みにすると、ミン・ヂイと言う名になるらしい。さて、いったい何者かを推理してほしい。その他にもロシアのロマノフ王朝生き残りとされるアナスタジア皇女も登場し、スケールの大きなミステリーになっている。
「玉牒天おう世系」に関する謎解きは、まさに、「逆説の日本史」などの作者である、井沢氏の真骨頂発揮といったところだ。しかし、高木彬光の「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」のように、壮大な歴史上の謎を解明するのではなく、単に「玉牒天おう世系」の真偽についての謎解きとなっているのは残念であった。
投票する
投票するには、ログインしてください。
昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。
この書評へのコメント
- クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。

コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:角川書店
- ページ数:310
- ISBN:9784041662168
- 発売日:2005年06月25日
- 価格:580円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。























