はにぃさん
レビュアー:
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純真無垢な青年の魂の叫びがここにある。
重い腎臓病を患いながらA級にまで登り詰めた棋士・村山聖の一生を追ったノンフィクションである。
ページをめくり始めるとともに、お別れのカウントダウンが始まるのだから、悲しみのバイアスがかかってしまったのかもしれない。読みながら涙が止まらない何日かを過ごした。
5歳で重いネフローゼを患っていることが発覚し、小中学校時代の大半をベッドで過ごした聖は、将棋と出会い、すぐにのめり込んでいく。
幼いながら、驚異的な集中力と勝負にこだわる負けず嫌いな性質からみるみる上達し、その後17歳でプロの棋士となり、名人の座を目指していく。
聖を含め、幼い頃の天才たちのまさしく天才ぶりには、ゾクゾクと鳥肌がたつ。
そして師匠である森信雄と出会い、歯も磨かず、顔も洗わず、お風呂にも入らないという無頓着さがお互い合っていたのか、固い絆で結ばれていく。
上下関係、しつけ、モラル、それらをお構いなしに無視した常識はずれの師匠と弟子は、親子以上の関係を築いていくのである。
家族の献身的な愛情と贖罪の気持ち。
ときにコミカルにもみえる師匠と弟子の関係。
将棋会館まで送ってくれる近所の人。
聖を取り巻く人々とのエピソードは、そのどれもがズシンズシンと心に響いてくる。
人々は言う。
「あんなかわいいやつはいなかった」
「あんなに面白い人はいなかった」
「あそこまで純粋な男がいるだろうか」
お金や地位には全く興味を持たず、勝負に文字通り命をかけて臨む聖。
幼い頃から死を身近に感じてきた聖の、魂を絞り出すような純粋な叫び。
聖に「東京の師匠」と親しまれ、部屋の合鍵や全財産が入った預金通帳まで預かった著者にしか書けない、村山聖の青春がここにある。
※大崎のBOOKPORTで購入しました。
出会いに感謝します。
ページをめくり始めるとともに、お別れのカウントダウンが始まるのだから、悲しみのバイアスがかかってしまったのかもしれない。読みながら涙が止まらない何日かを過ごした。
5歳で重いネフローゼを患っていることが発覚し、小中学校時代の大半をベッドで過ごした聖は、将棋と出会い、すぐにのめり込んでいく。
幼いながら、驚異的な集中力と勝負にこだわる負けず嫌いな性質からみるみる上達し、その後17歳でプロの棋士となり、名人の座を目指していく。
聖を含め、幼い頃の天才たちのまさしく天才ぶりには、ゾクゾクと鳥肌がたつ。
そして師匠である森信雄と出会い、歯も磨かず、顔も洗わず、お風呂にも入らないという無頓着さがお互い合っていたのか、固い絆で結ばれていく。
上下関係、しつけ、モラル、それらをお構いなしに無視した常識はずれの師匠と弟子は、親子以上の関係を築いていくのである。
家族の献身的な愛情と贖罪の気持ち。
ときにコミカルにもみえる師匠と弟子の関係。
将棋会館まで送ってくれる近所の人。
聖を取り巻く人々とのエピソードは、そのどれもがズシンズシンと心に響いてくる。
人々は言う。
「あんなかわいいやつはいなかった」
「あんなに面白い人はいなかった」
「あそこまで純粋な男がいるだろうか」
お金や地位には全く興味を持たず、勝負に文字通り命をかけて臨む聖。
幼い頃から死を身近に感じてきた聖の、魂を絞り出すような純粋な叫び。
聖に「東京の師匠」と親しまれ、部屋の合鍵や全財産が入った預金通帳まで預かった著者にしか書けない、村山聖の青春がここにある。
※大崎のBOOKPORTで購入しました。
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趣味はダンスと読書と食べること。
こちらに復帰してから読書計画が破綻気味です。
図書館の本も、期限内に読めずに返すということが増えてきました。
積読本も減らず。
それなのに読みたい本はどんどん増えていく・・・(´-ω-`)
気が向いたときに出没します。
どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント
- かもめ通信2016-11-01 05:36
はにぃさん。ぜひ掲示板でも書いたよ!宣伝お願いします♪
店長Aさんも見に来られるのでw
http://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no254/index.html?latest=20クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 コメントするには、ログインしてください。
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- 出版社:講談社
- ページ数:424
- ISBN:9784062734240
- 発売日:2002年05月07日
- 価格:730円
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