「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」
スコットランドの小さな島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。
少年は夜通し輝くあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。
そして十年の時が過ぎ、第一次大戦で一家は息子の一人を失い、再び別荘に集うーー。
たった二日間のできごとだけで愛のゆるぎない力を描き出すことによって文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立した英文学の傑作。
ヴァージニア・ウルフは20世紀モダニズム文学の主要な作家の一人として有名な女性であり、世界でもっとも「美しい遺書」を書き残し自殺してしまったことでも有名です。
そんなヴァージニア・ウルフは一体どんな文章を書くのか触れてみたくて本書を読みました。
本書では人殺しや大きな事件は起きません。
日常のごくありふれた事実だけを事細かに描写しています。
しかし、そのありふれた些細な出来事も自分と他人では感じ方や考え方も違ってきます。
それを主な語り手であるリリー・ブリスコウの思考であったり、はたまた亡くなってしまったラムジー夫人だったりの観点だったり、またはその娘や息子からの観点だったりと、現在でいう多様性を重視した作品だと思いました。
また、普通会話部分は「」で表すものだけれど、本書には会話であっても「」がなかったりして誰の視点だろうと思ったりしました。
訳者あとがきによると、回想があり、空想があり、願望があり、後悔があり、人の心の外と内、過去と現在と未来は繋ぎ目も移行部もなしに繋がってゆく。
なるほど、そう言われてみれば理解できなかった部分を補完できました。
きっと、その辺りが本書の魅力なんだろうと思いました。
天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。
初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな
読む本は表紙or題名or興味が沸いた本を選んでいますのでジャンルは雑多です。
暇な時はネット徘徊or読書orゲームしてます。
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この書評へのコメント
- ef2024-11-20 06:20私、大分前に本書(もちろん版違い)を読んだのですが、うまく読み切れなかったかもしれないと感じています。 
 なるほど。茜さんのレビューを読ませていただいてその感を一層強くしました。
 これは再読しなければですね~。
 
 ちょうど本書が出ていることだし……『本が好き!』では、過去にレビューを上げた本は上書きになっちゃうので、再読レビューが書けないんですよね。時を経ての同じ本の再読レビューも良いんじゃないかなぁと思っているのですが、現状それはムリ。なので、版違いがあるとそれを再読レビューに使わせていただいたりすることもあります。
 
 前のレビューでは、沢山の方から「え~」なコメントを頂いて恥じ入るばかり(苦笑)。
 https://www.honzuki.jp/book/57943/review/238108/
 これはますます読み直さなければ(笑)。
 
 本書に関してはちゃんと新版があるので、再読レビューもOKですね。
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- かもめ通信2024-11-20 06:27いつもお誘いばかりで恐縮ですがこの本「やりなおし」対象作品なので、よかったらぜひコミュニティでもご紹介ください。 
 
 
 #やりなおし世界文学 読書会
 https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no425/index.html?latest=20クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。
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- 出版社:新潮社
- ページ数:0
- ISBN:9784102107027
- 発売日:2024年09月30日
- 価格:935円
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