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武藤吐夢
レビュアー:
かくしごと という映画の原作本。子を失くした女が虐待されている記憶喪失の子を自分の子にしてしまう話し。大切なのは愛か、血なのか。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

映画の原作本です。
最終章の部分が映画にはありませんが、実は、これが重要で、この作品の印象が大きく変わるからです。
ネタバレさせられないのでしませんが、鳥肌ものです。



ボケた父を期間限定で世話している絵本作家。
彼女は離婚していて溺愛していた息子を水難事故でなくしている。

親友と飲んだ帰り道、子供をはねてしまう。
怪我もないので、とりあえず連れて帰る。
その子の身体に虐待の傷があり、彼女は記憶喪失の子を自分の子にしてしまうという嘘がモチーフだ。

彼女にとって、彼は救いであった。
実は、子供にとっても彼女は救いだった。

子供は酷い虐待をされていた。
行方不明になった日も、夜間、両親に山に連れていかれ、身体をヒモで結ばれて橋からバンジージャンプという名のイジメ折檻を受けていたのである。それは罰ゲームと彼らの中では言われてて、日常的に行われていたのでした。

主人公の絵本作家の女はこの事実を知り、子供が記憶喪失なのも利用し自分の子にしてしまう。
ボケた父も、父の親友の医師も近所のおばあさんも騙すのですが、この二人の関係とボケた祖父の関係は本物以上に本物なのです。


血の繋がりなんて関係ない。
子供に対して、親がどう思っているのか。
その気持ちが大切なのだと感じました。

最後の章の最後の最後、真相が判明する。
これは映画とは少し違う。
でも、これを知ると知らないでは印象がかなり違います。

いい作品です。




2024 11 13


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武藤吐夢
武藤吐夢 さん本が好き!1級(書評数:1373 件)

よろしくお願いします。
昨年は雑な読みが多く数ばかりこなす感じでした。
2025年は丁寧にいきたいと思います。

読んで楽しい:2票
参考になる:21票
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