茜さん
レビュアー:
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語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリー。
私は“善人”か、それとも“悪人”か
「ねえ……あそこに誰かいない?」。
全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした。
そこにいたのは学校一の人気教師、奥澤潤だった。
奥澤はフェンスを乗り越え、屋上から飛び降りようとしていた。
「バカなことはするな」。
教師たちの怒号が飛び交うも、奥澤の体は宙を舞い、誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。
しかし奥澤が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変し……。
桜井美奈氏の小説は初めて読みました。
タイトルが気になって読み始めて知ったのですが「殺した夫が帰ってきました」の作者さんだったのですね。
タイトルが気になったとは言うものの私はてっきり生徒が先生を何らかの形で殺してしまうストーリーだと思ってしまっていました。
何度も繰り返される
「ねえ……あそこに誰かいない?」。全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした
それは生徒達各々それぞれの視点から語り手となるように書かれているからだ。
そして読み進めていくと、なぜ奥澤潤が、屋上から飛び降りたのかの真相が明らかになる。
そして、タイトルの意味もまた違ってくるのがわかる。
全ての謎が解けたラストはとても良いものでした。
「人はそれほど強くはありません。ときには流され、間違った方向へ進むこともあるでしょう。~中略~ 気付いたときに、もしくは勇気が出たときに、立ち止まる。そして、前へ進むのではなく引き返すのだと覚えておいてください。もちろんそれによって、失うものもあるかもしれませんが間違った先に進むよりは、きっと自分の手に残るものがあるはずです。いいですか?間違いに気づいたときは立ち止まる。そして、後ろを振り返るのです。そうすればきっと、皆さんは一人ではないことに気づくことでしょう。──私からのお願いは以上です。」
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天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。
初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな
読む本は表紙or題名or興味が沸いた本を選んでいますのでジャンルは雑多です。
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