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独醒書屋
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 銀座に現れた王子様、逃げた人魚姫を探しているのだそうです。王子と出会った人には心の変化が…。
 青山美智子さんらしい心温まる話です。
銀座の歩行者天国に現れた王子様。逃げた人魚を探しているのだそうです。

 そして王子に関わるさまざまな人の人生模様が展開されていきます。
年上の彼女に認められていないのではないかと悩む青年。自立していく娘を見送るのに、寂しくて素直に喜べない母親。離婚した妻のことを考えて、何がいけなかったのかと悶々としているリタイヤした男性。多才な妻に比べて自分は書くことにしか能がないと卑下している作家。年下の好青年と付き合っているものの、自分は相応しくないのではないかと悩むクラブのママ。
 王子と出会ったことで、凝り固まっていた自分の考えから解放されるのです。

 構成が凝っていて、「こういう話かな」と思っていると裏切られます。
王子と人魚姫はファンタジックな架空話かと思っていたら、そうではなく(現実に繋げるのにかなり無理してるけど)。王子と人魚姫の正体がわかったと思ったら、それも違うし。 
 まぁ、でも最後は最初の話に繋がってホッとします。どの話も明るい未来を予感させるだけで、結論は書かれてません。でも、きっと上手くいくって信じています。


(余談)
  作中に青山美智子さんの本の表紙を毎回飾っているアート写真家の田中達也さん、『マイ・プレゼント』『ユア・プレゼント』でコラボした画家のU-kuさんのことが出てきます。その遊び心が楽しい。
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独醒書屋
独醒書屋 さん本が好き!1級(書評数:709 件)

 定年後の第2の人生を好きな本に囲まれて過ごしたいと、図書館司書になりました。
 最近は町田そのこさん、青山美智子さん、寺地はるなさん、古内一絵さんなどハートウォーミングな小説をよく読んでいます。

 社会問題や科学、歴史、芸術、心理学にも興味があります。

 特に、激変する未来に「社会がどう変わっていくのか?」ということに関心があって、人工知能と人間の関係、家族関係、医療の進歩、女性の社会進出、未来社会を見据えた教育のあり方に関連する本もよく読みます。

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