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ぽんきち
レビュアー:
限界集落で犬と暮らす
新聞書評で拾った写真集。

ハナちゃんは柴犬。佐渡・北端の限界集落で暮らす。
著者さんはお坊さん。90歳の祖母と二人暮らしだったが、犬を迎えることにしたのだ。
犬の存在は二人の暮らしに彩りを与える。
台所で大量の魚をさばくおばあちゃんの手元を、後脚で立ち上がって覗き込むハナちゃん。
冬の強い向かい風に顔をしかめるハナちゃん。
体調が悪くなって、豆炭こたつで寝込むおばあちゃんの背中にそっと寄り添うハナちゃん。
二人では煮詰まってしまいがちな会話も、犬がいればさぞかし弾んだことだろう。

限界集落で檀家の少ない寺は経済状況も厳しい。自給自足に近い暮らしで、魚を捕ったり畑を耕したりという日々。ハナちゃんは著者とともに舟に乗ることもある。初めのうちは船酔いもしたが、直に慣れた。
僧侶でありつつ漁をすることに後ろめたさも感じる著者は、島の各地に点在する魚霊塔を見るたび、手を合わせるのだという。

ひとことが添えられた写真。
最後にやや長めのあとがきがある。

何気ないショットのようだが、とにかく写真がすばらしい。なかなかこんな風に撮れるものではない。
最後まで読んで、はたと気づいた。
著者さんは僧侶で写真家。何年か前に、大きな賞を取って話題になっていた。
そういえば以前、別の写真集を読んでいた。改めて読み直してみようと思う。


*佐渡から月山や鳥海山も見えるらしい。そうか、北端からだと東北もすぐなんだな。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1827 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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