ぱるころさん
レビュアー:
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作家には、コーヒーが似合う。
表紙は、コーヒーを味わう有吉佐和子。
タンザニアのコーヒーに魅了されたそうだが、意外にもコーヒーについて書いた文章はないとのこと。そこで、本書には娘の有吉玉青が寄稿している。
レトロモダンな雰囲気に惹きつけられる写真。
「当時は眼鏡といえばこの形で、小さな私はこわい感じがして好きではなかったが、今見ると流行の眼鏡のように見えるから不思議である。」
朝から自室で執筆をしていた母とは、コーヒーを一緒に飲んだ記憶がないのだそう。一方で、祖母がコーヒーにこだわりを持っていたことは覚えているという。自分の知らないところで、祖母の入れたコーヒーを母も飲んでいたのだろうか…と思いを巡らす。
本書は
I 珈琲のある風景
II 珈琲一杯の時間
Ⅲ 喫茶店よ永遠に
Ⅳ わたしの珈琲作法
Ⅴ 喫茶店見聞録
という5つの章に分けて、コーヒーや喫茶店をテーマにしたエッセイ52作品を収録。
山の文芸誌『アルプ』の創刊者 串田孫一は、山歩きとコーヒーの思い出を綴る。小旅行に出るときは空の小さな魔法瓶を持参。駅前に喫茶店を見つけるとそこでコーヒーを一杯飲み、二杯目は魔法瓶に入れてもらう。お湯を沸かす道具は持っているけれど、山歩きの中では他人の入れたコーヒーが欲しくなるという。
フランスの家庭の朝食について語るのは、動物行動学者の日髙敏隆。ホームステイ先では毎朝、バターたっぷりのバゲットと、ボウルになみなみと注ぐミルクコーヒー。大きな角砂糖を5〜6個も入れて、朝から莫大なカロリーを摂取。一家の主婦が朝食の準備を終えたらまた寝てしまうところや、子供が教わる食事のマナーも日本と全く違った。
少し前の時代の喫茶店にまつわる思い出として、多くの作家が店名を挙げるのは「カフェーパウリスタ」。(現在も銀座で営業を続ける老舗だが、最近はいつも混んでいてフラッと入れなくなってしまったのが残念。)
本の中で、古き良き時代の喫茶店文化に浸る。
作家にはコーヒーが似合う。そして、コーヒーというテーマから、何となく人同士の距離感や人物像が見えてくるところも面白い。
タンザニアのコーヒーに魅了されたそうだが、意外にもコーヒーについて書いた文章はないとのこと。そこで、本書には娘の有吉玉青が寄稿している。
レトロモダンな雰囲気に惹きつけられる写真。
「当時は眼鏡といえばこの形で、小さな私はこわい感じがして好きではなかったが、今見ると流行の眼鏡のように見えるから不思議である。」
朝から自室で執筆をしていた母とは、コーヒーを一緒に飲んだ記憶がないのだそう。一方で、祖母がコーヒーにこだわりを持っていたことは覚えているという。自分の知らないところで、祖母の入れたコーヒーを母も飲んでいたのだろうか…と思いを巡らす。
本書は
I 珈琲のある風景
II 珈琲一杯の時間
Ⅲ 喫茶店よ永遠に
Ⅳ わたしの珈琲作法
Ⅴ 喫茶店見聞録
という5つの章に分けて、コーヒーや喫茶店をテーマにしたエッセイ52作品を収録。
山の文芸誌『アルプ』の創刊者 串田孫一は、山歩きとコーヒーの思い出を綴る。小旅行に出るときは空の小さな魔法瓶を持参。駅前に喫茶店を見つけるとそこでコーヒーを一杯飲み、二杯目は魔法瓶に入れてもらう。お湯を沸かす道具は持っているけれど、山歩きの中では他人の入れたコーヒーが欲しくなるという。
フランスの家庭の朝食について語るのは、動物行動学者の日髙敏隆。ホームステイ先では毎朝、バターたっぷりのバゲットと、ボウルになみなみと注ぐミルクコーヒー。大きな角砂糖を5〜6個も入れて、朝から莫大なカロリーを摂取。一家の主婦が朝食の準備を終えたらまた寝てしまうところや、子供が教わる食事のマナーも日本と全く違った。
少し前の時代の喫茶店にまつわる思い出として、多くの作家が店名を挙げるのは「カフェーパウリスタ」。(現在も銀座で営業を続ける老舗だが、最近はいつも混んでいてフラッと入れなくなってしまったのが残念。)
本の中で、古き良き時代の喫茶店文化に浸る。
作家にはコーヒーが似合う。そして、コーヒーというテーマから、何となく人同士の距離感や人物像が見えてくるところも面白い。
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週1〜2冊、通勤時間や昼休みを利用して本を読んでいます。
ジャンルは小説・エッセイ・ビジネス書・自己啓発本など。
読後感、気付き、活かしたい点などを自分なりに書き、
また、皆さんからも学びたいと考え参加しました。
よろしくお願いします。
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- 出版社:平凡社
- ページ数:0
- ISBN:9784582747140
- 発売日:2022年01月21日
- 価格:2090円
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