茜さん
レビュアー:
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学校生活だけがすべてだったあの頃の青さと硬さが、痛い。気鋭の作家が描く「女の子同士の友情」。
転校生の里香は、クラスで浮いていた彩名と仲良くなるが、徐々に彼女の束縛がエスカレートする。
彩名の親友が事故死したことを知った里香が死の真相を探るうち、「あの子を殺したのはわたしなんだ」と彩名に告白される。
それを境に、持ち物がなくなったり、机に花瓶が置かれたり、不穏な出来事が里香に続く。
「あの子の時と同じだ」と噂するクラスメイトたち。なぜ彩名は里香を追い詰めるのだろうか―。
クラスのみんなから無視されるのがどういうことなのか、きっとあなたにはわからない。
プロローグの一行目から私はグイッと物語に引き込まれてしまった。
何だかんだと真下みこと氏の小説はこの本で三冊目になる。
簡単に言えば今回は中学生女子の友情に焦点をあてた作品だ。
とは言うものの、中身はそんなに単純なものではないのが、真下みこと氏。
主人公の里香は前の学校でちょっとした失敗によりクラス中から無視されていたところへ父の転勤が決まり転校してきたという設定だ。
しかし、そのクラスでは里香が転校してくる1カ月前に女生徒が死亡したということがわかってくる一方で彩名という女生徒と親交を深めるが。。。
彩名は段々と里香を束縛し始める。
彩名視点と里香視点の温度差が読んでいてちょっと引いてしまうくらいだ。
友達を独り占めしようなんて私は一度も思ったことがないから、そう考える人の思考がわかって面白かった。
でも、その思考は彩名独特(?)だからみんながみんなそうではないと思うけど。。。
ある時、里香は彩名の手の甲の自傷行為の跡を見つけた後にこう考える。
大切な人が自分を傷つけて、死にたいと言っているのを見ると辛いのは、自分の力不足を痛感するから。
でも、それからが実は大変で彩名が里香をみんなから遠ざける為に色々と策を仕掛け始める。
それでも里香は
「私はずっと、彩名のこと信じてるから」
と。。。
人を信じ続けるというのは思う程簡単なことではない。
それでも里香は彩名を信じ続けた。
読んでいる最中はずっと彩名ヤベーと思っていたけれど、ラストは心地よい気持ちになれました。
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天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。
初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな
読む本は表紙or題名or興味が沸いた本を選んでいますのでジャンルは雑多です。
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