たけぞうさん
レビュアー:
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ちょっと変わった私立図書館
有料の私立図書館。小説に出てきた料理の再現。秘密をかかえていそうな職員。図書館の開館時間は夜七時から夜中の十二時まで。
気になる設定がてんこ盛りの小説です。
題名のお夜食の意味は、図書館のまかないのことです。場所がへんぴなところにあり、私立ということもあって社員向けの食事提供があるのです。時間になると、図書館カフェの看板がかかります。食券機まであるのですが、登場人物は少ないし、そもそも私立図書館なので社員食堂的な表現は大げさに感じますが、まあいいやと読み進めます。
第一話、しろばんばのカレー。普通のカレー味ですが、食べているうちにじわじわと辛みが伝わってくるタイプです。癖になる独特の味です。
「これ、なんだろう。柔らかくてみずみずしい野菜だけど……」
「大根よ」
肉のうまみがあるのに、切れ端しかない具材 ────── コンビーフ。このレシピこそが、しろばんばのカレーだったのです。
まかないは一食三百円、コーヒー付き。料理人は、銀座の有名な喫茶店のマスターだった人でした。
第二話、「ままや」の人参ご飯。物語は図書館で起きるささいな事件と、ほっと一息つくときのまかないご飯でまとめられていくのです。
全五話です。途中でつながっている話もあるので、連作短篇と長篇のごたまぜ的な構成です。
先行書評は好意的なものが多いですね。人気のでやすい設定と、柔らかい語り口が魅力ですので、楽しみやすい作品です。
わたしの趣味的には、もう少し心理面に切り込み、人間性を揺さぶるほうが好きなのですが、まあ個人の趣味の違いというレベルで、これはこれでと思いました。穏やかに楽しめる作品ですよ。
気になる設定がてんこ盛りの小説です。
題名のお夜食の意味は、図書館のまかないのことです。場所がへんぴなところにあり、私立ということもあって社員向けの食事提供があるのです。時間になると、図書館カフェの看板がかかります。食券機まであるのですが、登場人物は少ないし、そもそも私立図書館なので社員食堂的な表現は大げさに感じますが、まあいいやと読み進めます。
第一話、しろばんばのカレー。普通のカレー味ですが、食べているうちにじわじわと辛みが伝わってくるタイプです。癖になる独特の味です。
「これ、なんだろう。柔らかくてみずみずしい野菜だけど……」
「大根よ」
肉のうまみがあるのに、切れ端しかない具材 ────── コンビーフ。このレシピこそが、しろばんばのカレーだったのです。
まかないは一食三百円、コーヒー付き。料理人は、銀座の有名な喫茶店のマスターだった人でした。
第二話、「ままや」の人参ご飯。物語は図書館で起きるささいな事件と、ほっと一息つくときのまかないご飯でまとめられていくのです。
全五話です。途中でつながっている話もあるので、連作短篇と長篇のごたまぜ的な構成です。
先行書評は好意的なものが多いですね。人気のでやすい設定と、柔らかい語り口が魅力ですので、楽しみやすい作品です。
わたしの趣味的には、もう少し心理面に切り込み、人間性を揺さぶるほうが好きなのですが、まあ個人の趣味の違いというレベルで、これはこれでと思いました。穏やかに楽しめる作品ですよ。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
この書評へのコメント
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- 出版社:ポプラ社
- ページ数:0
- ISBN:9784591178249
- 発売日:2023年06月21日
- 価格:1760円
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