茜さん
レビュアー:
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現代版「眠り姫」が投げかける、人と違うことによる生き難さと、大切な人に会えない切なさ。冬を無くした彼女の秘密と恋の奇跡を描く感動作。
恋に落ちた先輩は、冬眠する女性だった。
名前のない病を患った彼女との、すれ違う恋の物語。
ある夏の夜、文学部一年の埋夏樹は、芸術学部に通う岩戸優紀と出会い恋に落ちる。
いくつもの夜を共にする二人。
だが彼女は「きみには幸せになってほしい。早くかわいい彼女ができるといいなぁ」と言い残し彼の前から姿を消す。
もう一度会いたくて何とかして優紀の実家を訪れるが、そこで彼女が「冬眠する病」に冒されていることを知り―。
タイトルに興味を惹かれて手に取った作品で、初めて読む作家さんでした。
あとがきを読んでみると作家さん自身闘病で入院した経験があるらしく、調べてみるとwikipediaには「 大学浪人中に急性リンパ性白血病を発症。臍帯血移植により生還し、血液型がA型からO型になる。 」と書いてありました。
その入院中に別の小説を書いていたようです。
と、本書に話しを戻すと本筋としては恋愛小説なんだけれど、ちょっとSFとミステリを内包した小説だなと私は解釈しました。
冬眠してしまう彼女なんてSFっぽいじゃない?
北海道に住む私は今まで何度か冬の間は冬眠したいと思ったことがあるけれど、人間が冬眠するにはそこまでしないとダメなんだ?と本書を読んで思いました。
主役は冬眠する岩戸優紀と埋夏樹の物語なんだけど、私がこの人良い味出してるなぁと思ったのが岩戸優紀のただ一人の友人である霜木恵那という女性。
彼女が登場する場面は少ないけれど大事な場面では登場するキャラクターです。
こんな友人がいたらいいなぁと思わされました。
そして久々に小説を読んで涙が滲んでくるのを止められませんでした。
タイトルの本当の意味がわかった時、あなたもきっと涙が溢れることでしょう。
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天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。
初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:0
- ISBN:9784049142341
- 発売日:2022年02月25日
- 価格:737円
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