三毛ネコさん
レビュアー:
▼
筆耕士の仕事を中心にした小説です。
続力(つづきちから)はホテルに勤めている。仕事で遠田薫(とおだかおる)という筆耕士(書家)と会う必要があり、訪ねていった。そこは「遠田書道教室」になっており、遠田と会うことができたが、「書家」のイメージに合わない肉食系の男前だった。
そして、乱暴な態度だが、教室ではそれなりに的確な指導をしているようだ。子どもたちにも慕われている。人物としてはいい加減なようだが、その仕事ぶりは確かで、力が頼んだ宛名書きはすべて上等な出来だった。
その後も、宛名書きの仕事を遠田に頼むのだが、力が訪問しないと宛名書きの完成品を送らないと言われ、仕方なく遠田の家にもう一度行くことになる。そこでなぜかすき焼きをご馳走になり、遠田に「高い肉食ったんだから、代筆を手伝え」と強要される。
それは、若い女性が彼と別れたいから手紙を代筆してくれという依頼だった。力はその文面を考え、遠田がその文章を代筆する。力はいやいやながら引き受け、常識的だった女性が陰謀論にはまっておかしなことを言い出したという設定の文章を考え出した。遠田は呆れたようだったが、その文面を認めてくれた。代筆の作業を一緒にすることで、力と遠田には仲間意識のようなものが生まれていた。
しかし、そんな付き合いが続いた中で、突然遠田から筆耕士の登録を解除してほしいというメールが来る。
納得できない力はすぐに遠田の家に駆けつけるが、そこで意外な事実が明らかにされる。物語がその後どうなるかは読んでいただきたい。
こういう展開の話もいいが、個人的には書道の奥深さ、苦労して上達していく過程などを中心にしてほしかった。私は、努力してレベルアップしていく話が好きなのだ。しかし、この著者らしいユーモアを交えた文体で、非常に読みやすかった。
そして、乱暴な態度だが、教室ではそれなりに的確な指導をしているようだ。子どもたちにも慕われている。人物としてはいい加減なようだが、その仕事ぶりは確かで、力が頼んだ宛名書きはすべて上等な出来だった。
その後も、宛名書きの仕事を遠田に頼むのだが、力が訪問しないと宛名書きの完成品を送らないと言われ、仕方なく遠田の家にもう一度行くことになる。そこでなぜかすき焼きをご馳走になり、遠田に「高い肉食ったんだから、代筆を手伝え」と強要される。
それは、若い女性が彼と別れたいから手紙を代筆してくれという依頼だった。力はその文面を考え、遠田がその文章を代筆する。力はいやいやながら引き受け、常識的だった女性が陰謀論にはまっておかしなことを言い出したという設定の文章を考え出した。遠田は呆れたようだったが、その文面を認めてくれた。代筆の作業を一緒にすることで、力と遠田には仲間意識のようなものが生まれていた。
しかし、そんな付き合いが続いた中で、突然遠田から筆耕士の登録を解除してほしいというメールが来る。
納得できない力はすぐに遠田の家に駆けつけるが、そこで意外な事実が明らかにされる。物語がその後どうなるかは読んでいただきたい。
こういう展開の話もいいが、個人的には書道の奥深さ、苦労して上達していく過程などを中心にしてほしかった。私は、努力してレベルアップしていく話が好きなのだ。しかし、この著者らしいユーモアを交えた文体で、非常に読みやすかった。
お気に入り度:







掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
フリーランスの産業翻訳者です。翻訳歴12年。趣味と実益(翻訳に必要な日本語の表現力を磨くため)を兼ねてレビューを書いています。サッカーファンです。
書評、500冊になりました。これからも少しずつ投稿していきたいと思います。
この書評へのコメント

コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:
- ページ数:0
- ISBN:9784104541089
- 発売日:2023年05月31日
- 価格:1760円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。






















