茜さん
レビュアー:
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1945年8月6日のあの朝と現在とをつなぐ、一人の少女と「ぼく」の物語。
ぼくはぜったいに忘れないだろう。
夏の日に出会ったヒロシマの少女のことを。
1945年8月6日のあの朝と現在とをつなぐ、一人の少女と「ぼく」の物語。
国語教科書(小5、光村図書)に掲載の「たずねびと」も収録。
夏休みに母型の実家である祖母の住む広島に帰省した小学五年制の拓海が経験する不思議な物語。
道路をはさんで斜め向かいに児童館があり、拓海は祖母と一緒にある雨の日に児童館にある図書室に訪れる。
その図書室の一番奥の机で女の子が一人で本を読んでいた。白いブラウスに黒の吊りスカートで三つ編みの女の子。
そこから物語が始まる。
その図書室にはリョウという子も来ていて司書さんの紹介で仲良くなる。
リョウ君を始めとして広島での友達が増えていく拓海。
子供ってすぐ仲良くなれるからいいですよね。
でも、何故か児童館に行っても例の女の子には会えない。
リョウ君達との遊びで面白いなと思ったのが「石けり」の時に謳う唄。
おすぎが およめに いくときは
あんこときなこで おけしょして
まあるい おぼんに のせられて
あすは いよいよ およめいり
拓海がこの歌のメロディに気が付くのだけど、「ごんべさんのあかちゃんが かぜひいた」のメロディ。
私は石けりはしたことないけれど、そんな遊びもあるんですね。
そして、ある雨の日に児童館へ行くと例の女の子がいて話しかけると本を探していると言う。
本は「影の話し」の本だが探してもみつからないと言う。
女の子と話すと石けりとかげふみを遊ぶのが好きだと判明するが女の子は
「・・・・でも、長いこと遊んでない」らしい。
そして女の子は「もう帰らんと」と言って姿を消してしまう。
またまた雨の日に児童館へ行くと女の子は居た。女の子の名前も判明する。
「うち(わたし)もりわけすみえって、いうの・・・みんなは澄ちゃんって呼ぶよ」
二人は「影の話し」の本を探し始めるけれどどれも違う本。
そんなこんなで夏休みを過ごすうちに拓海は川遊びなどをしていくのだけど川遊びをきっかけに広島平和記念資料館へと行くことになる。
そこには色々な資料があり、なかには原爆が投下されたときに石段に腰かけていた黒い御影石の石段があり座っていた部分だけ黒いまま残った物があった。
そのようなことも経験してからある晴れた日に拓海は澄ちゃんと児童館の中庭で再開するのだけど、二人は石けりをして遊ぶ。
例のおはぎの歌を口ずさみながら。。。
後から判明するのだけど実はリョウくんも澄ちゃんの存在を知っていた。
そして、司書さんも。。。
そう、これは広島の原爆を題材にした話しです。でも澄ちゃんは怖い存在ではありません。
ちょっと物悲しい話しですが原爆の恐ろしさを知らない私達に書かれた本です。
原爆が落とされたあの日に一瞬にして消えてしまった人々。
児童書ですが色々と考えさせられる内容です。
この時期にはぴったりの本だと思いました。
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天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。
初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな
読む本は表紙or題名or興味が沸いた本を選んでいますのでジャンルは雑多です。
暇な時はネット徘徊or読書orゲームしてます。
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- ISBN:9784813804239
- 発売日:2023年05月29日
- 価格:1760円
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