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さん
茜
レビュアー:
「私には、研究が全てだった」人生を奪われた天才は、あらゆるものを憎み、最も残酷な復讐を企てた。第67回江戸川乱歩賞受賞作『北緯43度のコールドケース』のシリーズ2作目!

博士号を持つ警察官・沢村依理子は、道警本部の警務部に異動となる。

監察官室に目をつけられていた沢村は、報復人事を疑う。

そんな中、新札幌の新設大学で爆破事件が発生し、沢村は突然捜査一課配属となるが、ただし警務部付。

この人事の意味とは。

いつまで経っても進展がない爆破事件。

公安との駆け引きの中で進めていく捜査。

しかも沢村は班長を任されることに。

新天地でまだぎこちない中、新参者の班長に対して心中複雑な班員たちをまとめられるのか。

爆破事件の犯人の目的―

それは、女性研究者として博士課程まで進み、アカハラによって恋人を亡くすという経験をした沢村だからこそたどり着けるものだった。


初めて読む作家さんでしたが北海道在住の方なんですね。

なので、本書に出てくる地名、地理を思い描くことが容易に出来たので感情移入するにはバッチリでした。

ですが、シリーズだったらしく本書は2作目。。。私はどうしたわけかいつも2作目から読み始めてしまう運命にあります。

それでも、登場人物が繋がっているというだけなので問題なく読めました。

興味深かったのが70年代に左翼系過激派組織が用いていた教本「腹腹時計」という代物。

気になって調べてみたらpdf形式でネットに公開してありました。爆弾の製造方法なんかも載っているけれど、これ公開してていいのかなぁとちょっと心配になりましたが。。。

それにしても本書では大学院では女性蔑視があったと書かれていたけれど、まさか今ではそんなことはないですよね?

何でもそうだと思いますが評価は平等にするべきだと思いました。何だか天才故に周りに理解されない苦しみや葛藤があって、ちょっと悲しくなりました。

この世の中にはどんなに善意で接しても、悪意しか返してこない人も大勢います。

この文章はちょっと私も 思い当たる節があって確かになぁと納得してしまいました。

まぁ、そういう人には私は自然と距離を取ってフェードアウトしてしまいますがw

そして、問題の数学の方ですが、

未解決問題の証明は数学者の夢であると同時に、人生そのものを壊す危険を持った諸刃の剣だった。解決出来れば数学者としては世間に認められるが、多くの場合は実績を残せないまま年老いていくだけだ。

うーん、なるほどねぇ。私からすれば研究者の人々はほぼみんな研究に取り組んでいて終わりがなさそうな気がしちゃいますけれど。。。

ともあれ、この作家さんの札幌を舞台にしたシリーズを読んでみたいと思いました。
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茜
 さん本が好き!1級(書評数:417 件)

天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。

初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな

読む本は表紙or題名or興味が沸いた本を選んでいますのでジャンルは雑多です。

暇な時はネット徘徊or読書orゲームしてます。

トライポフォビア^^;

豆腐メンタルです。。。

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