茜さん
レビュアー:
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今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。圧巻のデビュー作。
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
購入前に試し読みで読んで面白そうだなぁと思ったのがきっかけでしたが、読んでいる最中はニヤニヤが止まりませんでした。
主人公は「成瀬あかり」同学年の子と比べて何でも出来てしまうという天才みたいなヒロインだ。
それを見守っている(?)のが島崎みゆきで彼女は同じマンションに住む幼馴染という設定。
成瀬はちょっとどころかだいぶ変わっている。
成瀬の言うことはいつでもスケールが大きい。小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「二百歳まで生きる」だった。冷凍保存や人体改造など何らかの処置を施すのかと思ったら、素のおばあちゃんとして二百歳まで生きるつもりだという。
成瀬が言うには、大きなことを百個言って、ひとつでも叶えたら、「あの人すごい」になるという。だから日頃から口に出して種をまいておくことが重要なのだそうだ。それはほら吹きとどう違うのかと尋ねたら、成瀬はしばらく考えた後「同じだな」と認めた。
その後二人はM-1グランプリの予選に出場したりするのだけど、それがまた面白い。
成瀬は何をするにしても真剣なのだけどどこか滑稽さが見えてしまうのも笑えるポイントだ。
高校に入ると成瀬は坊主で登校してみんなを驚かすが誰も成瀬に突っ込む人はいないが、その理由にまた爆笑。
「人間の髪は一カ月に一センチ伸びるというだろう。その実験だ」
「入学前の四月一日に全部剃ったから、三月一日の卒業式には三十五センチになっているのか、検証しようと思ったんだ」
成瀬、あんたって人は!!
「やってみないとわからないことはあるからな」
成瀬はそれで構わないと思っている。たくさん種をまいて。ひとつでも花が咲けばいい。花が咲かなかったとしても、挑戦した経験はすべて肥やしになる。
妙に納得させられてしまった。まだ天下をとるまでには至らないけれど、天下をとるまで続編を読みたいなぁと思いました。
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天然系変人B型♀です。ブログに読んだ本の忘備録を書いてます。
初志貫徹、実るほど頭を垂れる稲穂かな
読む本は表紙or題名or興味が沸いた本を選んでいますのでジャンルは雑多です。
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この書評へのコメント
- Tetsu Okamoto2024-10-04 10:47
中学高校と野球部ではないのに坊主ですごしたもと男子です。洗髪がすぐ終わるのは快適でした。散髪代との差額をこづかいにして趣味につかっていました。
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- 出版社:新潮社
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- ISBN:9784103549512
- 発売日:2023年03月17日
- 価格:1705円
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