yukoさん
レビュアー:
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「あの時別の選択をしていれば」と思って生きていくよりも、今の人生に感謝していればおのずと素晴らしい人生になるはずです
物語はノーラが死を決意する19年前の学校の図書室からからはじまります。
優しい司書のエルム夫人とチェスをしていたノーラ。
そこに父が心臓発作で倒れた知らせがきます・・・
そして現在。
死を決意する27時間前。
夜の9時前に突然顔見知りの男性が訪ねてきたと思ったら、愛猫のヴォルテールの死を告げられます。
死を決意する9時間前には仕事をクビになり、
8時間前には兄と一緒に組んでいて、メジャーデビューも決まっていたバンド・・・ノーラがデビューを断って解散してしまったそのバンドのメンバーにばったり出会い、バンドが解散してしまった過去について嫌味を言われ、
5時間前にはピアノの個人レッスンをすっかり忘れてノーラは生徒を待ちぼうけさせてしまい、その母親からレッスンはもう辞めさせるとの電話を受け、
4時間前にお隣のバナジーさんに、もうノーラにお薬を取りに行ってもらう必要はなくなったと言われます。
結婚式の二日前にノーラがドタキャンしてしまった元婚約者のダンを思い出し、
一緒にオーストラリアに行こうと誘ってくれた親友のイジーを思い出し、
自分のSNSを除くと何のメッセージもない、コメントも新規のフォロワーもなく友達申請もなし、バナジーさんにも自分は必要とされなくなったのだと、
死を決意する3時間前に抗うつ剤を飲んだノーラは、自分の存在のすべてが後悔だらけなのだと虚しくなりました。
死を決意する2時間前にワイン開けたノーラ。
自分の今までのすべての決断が間違っていたのだと絶望します。
自分がなりたかった自分・・・水泳選手、ミュージシャン、哲学者、誰かの伴侶、
誰かに愛されて誰かに必要とされるような人。
自分がなりたいものに何一つなれなかったと改めて気がつき、死を決意しました。
目が覚めた時ノーラがいた場所は図書館。
死んだはずなのになぜこんなところに・・・
不思議に思うノーラの前に現れたのはあの優しかった司書のエルム夫人。
でもなんだかあの頃のエルム夫人とは違う・・・
エルム夫人が説明するところによると、ここは生と死の狭間の図書館であるとのこと。
ここにあるどの本もが、あなたが生きていたかもしれない人生。
もしもあの時違う決断をしていたら物事はどれほど違っていたかを教えてくれるのだと。
この図書館が存在している間は、あなたは死を免れていられます。
ですからあなたはこの場所で、改めて『自分がどう生きたいのか』を決断しなくてはなりません。
そうエルム夫人に言われたノーラは自分がなりたかったものを考えます。
水泳のオリンピック選手、氷河の研究者、ダンの奥さん、有名バンドのリードボーカル、ヴォルテールのいい飼い主、イジーとのオーストラリア生活、
なりたかった自分の人生のすべてが、ここの本の中にあるのです。
ノーラはまず、ダンとの結婚を選ぶ本の最初のページを開きました・・・
すらすらと簡単に読み進められるし、あらすじを読んだだけでなんとなく話の展開がちらちら見える気もしながら軽い気持ちで読んでいましたが、最後はなるほどね、と・・・
小説というよりは、文中に哲学者の言葉がちりばめられているせいもあって啓発本に近いような本でした。
私としては愛する人もやりがいのある仕事も手に入れるのがハッピーエンドかなと思っていたのですが、結末はこれはこれで納得。
この結末こそが「人生とは」を教えてくれる答えなんでしょうね。
あの時違った選択をしていればどんな人生になったかなって、誰しも考えたことはきっとあるはず。
その選択を本にした真夜中の図書館。
私もたくさん失敗だらけの人生ですし、どうしてこんな選択したのかなと考えることもあるけれど、でもやっぱりもう一度やり直したとしてもどこかで必ず失敗しちゃうんだろうなって思います。
でも、
失敗した選択だって、その中にはいいことも必ずあったし、失敗したからこそ成長もできたはず。
私には自分が選択したわけではなくて、人の選択(というか運命というか)に巻き込まれて、想像もしていなかったような苦労もありました。
それももう子育てが一段落した今となっては、私ってば本当によく頑張ったなぁと自分を褒めてやりたい気持ちだけで。
なんでこんなことに巻き込まれたんだ、私の人生を返してと恨んだところで、それは辛いだけの人生だったでしょうしね。
この先、もうあんまりたくさんの選択はすることはないでしょうけれど、自分が何かを選択しなくてはならないとき、そしてその選択でよかったのか悩んだときは、ノーラのことを思い出し、自分が間違った選択をしたということだけにがんじがらめに囚われないように生きていけたなら。
といっても、
こうやって文字にするのは簡単なことなんでしょうけどね。
実際本当に選択を誤ったと後悔しているときは悲しくて辛くて、その過ちが憎くて腹立たしくて仕方ないでしょうから。
でも少し落ち着いて、自分が置かれている今を愛おしく、大切に生きていくことができれば素敵なことでしょうね。
そんな風に思わせてくれた本でした。
優しい司書のエルム夫人とチェスをしていたノーラ。
そこに父が心臓発作で倒れた知らせがきます・・・
そして現在。
死を決意する27時間前。
夜の9時前に突然顔見知りの男性が訪ねてきたと思ったら、愛猫のヴォルテールの死を告げられます。
死を決意する9時間前には仕事をクビになり、
8時間前には兄と一緒に組んでいて、メジャーデビューも決まっていたバンド・・・ノーラがデビューを断って解散してしまったそのバンドのメンバーにばったり出会い、バンドが解散してしまった過去について嫌味を言われ、
5時間前にはピアノの個人レッスンをすっかり忘れてノーラは生徒を待ちぼうけさせてしまい、その母親からレッスンはもう辞めさせるとの電話を受け、
4時間前にお隣のバナジーさんに、もうノーラにお薬を取りに行ってもらう必要はなくなったと言われます。
結婚式の二日前にノーラがドタキャンしてしまった元婚約者のダンを思い出し、
一緒にオーストラリアに行こうと誘ってくれた親友のイジーを思い出し、
自分のSNSを除くと何のメッセージもない、コメントも新規のフォロワーもなく友達申請もなし、バナジーさんにも自分は必要とされなくなったのだと、
死を決意する3時間前に抗うつ剤を飲んだノーラは、自分の存在のすべてが後悔だらけなのだと虚しくなりました。
死を決意する2時間前にワイン開けたノーラ。
自分の今までのすべての決断が間違っていたのだと絶望します。
自分がなりたかった自分・・・水泳選手、ミュージシャン、哲学者、誰かの伴侶、
誰かに愛されて誰かに必要とされるような人。
自分がなりたいものに何一つなれなかったと改めて気がつき、死を決意しました。
目が覚めた時ノーラがいた場所は図書館。
死んだはずなのになぜこんなところに・・・
不思議に思うノーラの前に現れたのはあの優しかった司書のエルム夫人。
でもなんだかあの頃のエルム夫人とは違う・・・
エルム夫人が説明するところによると、ここは生と死の狭間の図書館であるとのこと。
ここにあるどの本もが、あなたが生きていたかもしれない人生。
もしもあの時違う決断をしていたら物事はどれほど違っていたかを教えてくれるのだと。
この図書館が存在している間は、あなたは死を免れていられます。
ですからあなたはこの場所で、改めて『自分がどう生きたいのか』を決断しなくてはなりません。
そうエルム夫人に言われたノーラは自分がなりたかったものを考えます。
水泳のオリンピック選手、氷河の研究者、ダンの奥さん、有名バンドのリードボーカル、ヴォルテールのいい飼い主、イジーとのオーストラリア生活、
なりたかった自分の人生のすべてが、ここの本の中にあるのです。
ノーラはまず、ダンとの結婚を選ぶ本の最初のページを開きました・・・
すらすらと簡単に読み進められるし、あらすじを読んだだけでなんとなく話の展開がちらちら見える気もしながら軽い気持ちで読んでいましたが、最後はなるほどね、と・・・
小説というよりは、文中に哲学者の言葉がちりばめられているせいもあって啓発本に近いような本でした。
私としては愛する人もやりがいのある仕事も手に入れるのがハッピーエンドかなと思っていたのですが、結末はこれはこれで納得。
この結末こそが「人生とは」を教えてくれる答えなんでしょうね。
あの時違った選択をしていればどんな人生になったかなって、誰しも考えたことはきっとあるはず。
その選択を本にした真夜中の図書館。
私もたくさん失敗だらけの人生ですし、どうしてこんな選択したのかなと考えることもあるけれど、でもやっぱりもう一度やり直したとしてもどこかで必ず失敗しちゃうんだろうなって思います。
でも、
失敗した選択だって、その中にはいいことも必ずあったし、失敗したからこそ成長もできたはず。
私には自分が選択したわけではなくて、人の選択(というか運命というか)に巻き込まれて、想像もしていなかったような苦労もありました。
それももう子育てが一段落した今となっては、私ってば本当によく頑張ったなぁと自分を褒めてやりたい気持ちだけで。
なんでこんなことに巻き込まれたんだ、私の人生を返してと恨んだところで、それは辛いだけの人生だったでしょうしね。
この先、もうあんまりたくさんの選択はすることはないでしょうけれど、自分が何かを選択しなくてはならないとき、そしてその選択でよかったのか悩んだときは、ノーラのことを思い出し、自分が間違った選択をしたということだけにがんじがらめに囚われないように生きていけたなら。
といっても、
こうやって文字にするのは簡単なことなんでしょうけどね。
実際本当に選択を誤ったと後悔しているときは悲しくて辛くて、その過ちが憎くて腹立たしくて仕方ないでしょうから。
でも少し落ち着いて、自分が置かれている今を愛おしく、大切に生きていくことができれば素敵なことでしょうね。
そんな風に思わせてくれた本でした。
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仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!
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- 出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
- ページ数:0
- ISBN:9784596319067
- 発売日:2022年02月09日
- 価格:1980円
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