書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

武藤吐夢
レビュアー:
敵は、先入観。世界をひっくり返せ!。子供たち視線だから、その純粋さが心地よくて、きれいごとを押し通せる正義感が好ましい。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

2021年本屋大賞ノミネート作ということで期待値は高かった。
その期待を裏切らない秀作でした。

子供たちがメインの短編集です。

子供視線なので、純粋で優しく読後感も心地よい。


>>敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!


というキャッチフレーズが素晴らしい。

表題作の逆ソクラテスは、先生の偏見により、友達がバカにされてもいいという雰囲気になってクラスメートからバカにされている。イジメだと感じました。

その印象、先入観を変えるという子供たちの友情物語。
この先生が糞で、すごく苦心します。





>>敵は先入観だよ。・・・決めつけのことだよ。



>>大人って考えが変わらないもの。完璧な人間なんているはずないのに、自分は完璧だ、間違うわけがない。何でも知ってるぞと思ったら、それこそ最悪だよ。




誰かの偏見、大人の意見が子供には絶対なんだけど、正しくないことも多い。
そんな場合こういうのだ。


>>僕はそうは思わない。



スロウではないという作品では、足の速さだけが正義という子供独特の価値観にメスを入れます。
これも読みごたえありました。


>>敵を憎むな、判断が鈍る。


この言葉がいい。

逆ワシントンの正直者は得をするという思想もいい。
それ綺麗ごとなんだけど、それで貫徹させてしまうパワーがこの物語にはあった気がする。

アンスポーツマンライクもオチがすばらしい。
バスケの話しなのだが、指導者の資質の話しなのかな。
なんで大人は高圧的にスポーツ指導するのだろうか。
色んなことを考えさせられました。

バスケの最後の一分は永遠と呼ばれています。


俺たちの人生の残りは、あんたのだって余裕で永遠だよ。


これ最高にポジティブな言葉です。




2024 8 30

お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
武藤吐夢
武藤吐夢 さん本が好き!1級(書評数:1374 件)

よろしくお願いします。
昨年は雑な読みが多く数ばかりこなす感じでした。
2025年は丁寧にいきたいと思います。

読んで楽しい:2票
参考になる:22票
共感した:1票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『逆ソクラテス』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ