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三毛ネコ
レビュアー:
醜く生まれたために見せ物になっていた男の物語です。
この話は実話である。エレファントマンはその名の通り、人間というより、象のように見える男だった。あまりにも醜いため、普通の仕事ができず、見せ物になって金を稼いでいたところを、フレデリック・トレビスという医師が見つけた。フレデリックも、人間のように見えないため、最初は「creature」という言葉で表現している。

エレファントマンの名前はジョセフ・メリックだった。彼を見せ物にして金を取っている男はサイモンという。

メリックの姿は興味深い。まず頭が異常に大きく、たくさんの本が入っている巨大な袋のように見えた。髪は少なく、後頭部には茶色くて汚い肌でできたもう一つの袋があった。その皮膚が首の下に垂れ下がっていた。鼻の下からは巨大な歯が突き出していた。彼の口と鼻は顔に開いた穴のように見えた。その顔は皮膚が動かせないため、笑うことも怒ることも悲しい表情を作ることもできなかった。死んだ象のような顔だった。体の前と後ろにもそれぞれ1つずつ汚い肌の袋が付いていた。この袋が足に垂れ下がっていた。右腕は巨大で、ここにも同じような皮膚の袋があった。右腕は人の足のように見えた。だが、左手は普通だった。というより、美しかった。若い女性の手のように見えたのだ。

フレデリックはメリックを病院で診察したいとサイモンに言ったが、メリックに会った通行人が怖がり、小さい子どもは彼を追いかけてたたき、警察も嫌がるという。刑務所に入れられたこともある。

しかし、タクシーに乗れば病院に来られるようだ。タクシーといっても、馬で引くタイプのものだ。

何とか病院に着き、フレデリックはメリックを観察した。しかし次の日、サイモンと共にメリックは姿を消した。ここから先は、ネタバレにならないように書くのは控えておく。

この話、何となく知ってはいたが、ラストまでは知らなかった。

メリックの素顔は、子どものような心を持った良い男だったようだ。それなりに納得のいく結末だった。
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三毛ネコ
三毛ネコ さん本が好き!1級(書評数:875 件)

フリーランスの産業翻訳者です。翻訳歴12年。趣味と実益(翻訳に必要な日本語の表現力を磨くため)を兼ねてレビューを書いています。サッカーファンです。

書評、500冊になりました。これからも少しずつ投稿していきたいと思います。

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この書評へのコメント

  1. Roko2023-09-16 13:34

    エレファントマンの映画を見た時、何と悲しい話なのだろうと思ったことを思い出しました。

    本もまた読んでみたくなりました。

  2. 三毛ネコ2023-09-16 14:02

    Rokoさん、コメントありがとうございます。確かに悲しいですね。この本、一応英語ですが、簡単な英語で、ページ数も多くないので、よかったら挑戦してみてください。

  3. Roko2023-09-27 09:45

    さっそく読んでみました。とても簡単な英語で、すらすら読めました。
    淡々とした中に、エレファントマンの悲しさと、初めて人間として扱われた嬉しさを感じました。
    この本をご紹介いただき、ありがとうございました。

  4. No Image

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