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武藤吐夢
レビュアー:
彼を愛するが故、何度も何度も輪廻転生する女性、これは愛の物語だ。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

直木賞受賞作で、映画化もされているということで読んでみました。
面白かった。

人には二種類の死に方があるそうです。


>>樹木のように死んで種子を残す。自分は死んでも子孫を残す道。もう一つは、月のように死んでも何回も生まれ変わる道。



ある幼女と母親が、年寄りの男に面会を求めてくる。
その幼女は、数年前に高校生で死んだ娘の生まれ変わりであるというのだ。

つまり、あなたは、私の父だったと告白される。

その幼女と母親が語る話しが本書の核になる。

その幼女は何度も何度も輪廻転生を繰り返している

彼女は、ある男性を愛している。
その人に再会したいがために、それを繰り返しているのだ。

まるでミステリーのような舞台装置である。
解き明かされていく謎、彼女の想い。

この恋は本物であり、彼女は事故で死にたくはなかったのだと思う
彼女の死は、たくさんの人に影響を及ぼしていた。

彼女は人妻だったのだから、夫にとってもきつかった。
浮気をしていたからと言って、彼女に対する愛がなかったはずがない。

彼が、彼女の生まれ変わりの小学生と遭遇するのは悲劇だと思う。
その結末は容易に想像可能だった。。

この物語のラストの場面が好きだ。
幼女が、彼の職場に親戚を偽って訪ねていく場面だ。
彼は、最初の彼女の名を言っただけで、目の前の幼女が彼女だと一目でわかったのです。
この瞬間がいい。

しかし、定年まじかの彼と、幼女では孫と爺さんみたいな年齢なんだけど
それでも幸せになれるのかなと感じてしまう。

2024 4 3
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武藤吐夢
武藤吐夢 さん本が好き!1級(書評数:1374 件)

よろしくお願いします。
昨年は雑な読みが多く数ばかりこなす感じでした。
2025年は丁寧にいきたいと思います。

読んで楽しい:2票
参考になる:22票
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