リハーサル

花山病院の副院長・大矢は、簡単なオペでのミスを新任の看護婦・リカに指摘され、“隠蔽”してしまう。それ以来、リカの異様な付き纏いに悩まされる。一方、病院内では婦長の転落を始め陰惨な事故・事件が続発。そして、大矢の美しき婚約者・真由美が消えた。誰もいないはずの新築の病棟で、彼が対面したのは…。

東京中野区にある個人病院の花山病院では看護婦の募集をしていた。

院長は花山大次郎、副院長は大矢昌史で院長である花山大次郎の甥にあたる。

院長である花山大次郎は脳梗塞で倒れ花山病院の4階の個室で治療中だが右半身麻痺である。

そんな花山病院で看護婦を募集することになり、昌史は病院の正面入り口の脇にある花山病院の看板にプリントアウトを貼り付ける。

面接に来たのは5人でその中に雨宮リカも入っていた。

面接ではリカは何事もなく終わる。ただ腋臭(?)による体臭が少し気になるくらいで問題はなくやがてリカは三か月の試用期間を設けられて一応の採用となった。そこから花山病院の悲劇が始まっていく。

読む前までは『リカ』がシリーズの中では一番怖いと思っていました。

しかし、本書『リハーサル』も充分にリカの怖さが描かれている。物語の中盤辺りから犠牲者が続出するのだ。

はっきりとリカがやったという証拠や動機はないのだけれどリカに間違いがないという印象を読者に与えている。

リカを病院から追い出そうとする者や昌史に近付こうとする者を徹底的にリカは排除していく様が恐ろしい。

さすが最恐ストーカーリカちゃんなのである。ストーカーとはいえ用意周到で用心深くある意味では彼女は相当頭が良いのだろうと思う。

リカシリーズに登場し廃人となってしまう警視庁捜査一課の菅原も登場しているのが私には懐かしかった。

誤植が一か所あり。P183の10行目「佳里」ですが前後の文章から正しくは「香織」だと思います。

作者様に確認したところ重版以降は直してあるとのことでした。

*リカシリーズ
リカ
リターン
リバース
リメンバー
リフレイン