三毛ネコさん
レビュアー:
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特殊能力を持った双子の兄弟の物語です。

風我と優我は双子の兄弟である。家では父親が暴力を振るい、母親も兄弟を助けてくれない。
小学校の時、2人は不思議な体験をする。2時間ごとに2人が瞬間移動し、入れ替わるのだ。しかし、次の日にはその現象は起きなかった。だが、時が経つとまた入れ替わりを体験する。どうやら、この現象は2人の誕生日にだけ起きるようなのだ。
少しずつこの現象の特徴が分かってくる。入れ替わる時は、ほんの一瞬周りの生き物が静止する。無機物は止まらない。車に乗っていた場合、運転手は止まるが、その車や周りの車両は動いたままだ。非常に危険なので、2人は入れ替わりが起きる日はできるだけ車に乗らないことに決める。
相手がいた所とほぼ同じところに跳ぶ。持っているものも一緒に跳ぶ。体を柱に縛りつけていても跳ぶ。入れ替わったほうは縛られた状態ではない。
その特異な能力(?)を使って、ワタボコリという同級生をいじめていた広尾というクラスメートを出し抜き、一泡吹かせた。
中学を卒業後、風我は働き、優我は高校へ行く。その間に、この兄弟は自分たちの能力を悪用して他人の財布を盗ったりする。
あまり役に立たない能力のようだが、きっと肝心な所で役に立つのだろうな、と思って読み進めると、やはりそうなる。
この2人は真っ当な正義漢というわけではない。だが、彼らが行うのは「正義」だ。そこは共感できるし、カタルシスを得ることもできる。
伊坂作品らしい軽い物語ではない。不快なシチュエーションも含まれている。しかし、特殊能力を十分に生かしたエンタメになっているのは確かだ。個人的には、もっと軽い作品が読みたいが。
小学校の時、2人は不思議な体験をする。2時間ごとに2人が瞬間移動し、入れ替わるのだ。しかし、次の日にはその現象は起きなかった。だが、時が経つとまた入れ替わりを体験する。どうやら、この現象は2人の誕生日にだけ起きるようなのだ。
少しずつこの現象の特徴が分かってくる。入れ替わる時は、ほんの一瞬周りの生き物が静止する。無機物は止まらない。車に乗っていた場合、運転手は止まるが、その車や周りの車両は動いたままだ。非常に危険なので、2人は入れ替わりが起きる日はできるだけ車に乗らないことに決める。
相手がいた所とほぼ同じところに跳ぶ。持っているものも一緒に跳ぶ。体を柱に縛りつけていても跳ぶ。入れ替わったほうは縛られた状態ではない。
その特異な能力(?)を使って、ワタボコリという同級生をいじめていた広尾というクラスメートを出し抜き、一泡吹かせた。
中学を卒業後、風我は働き、優我は高校へ行く。その間に、この兄弟は自分たちの能力を悪用して他人の財布を盗ったりする。
あまり役に立たない能力のようだが、きっと肝心な所で役に立つのだろうな、と思って読み進めると、やはりそうなる。
この2人は真っ当な正義漢というわけではない。だが、彼らが行うのは「正義」だ。そこは共感できるし、カタルシスを得ることもできる。
伊坂作品らしい軽い物語ではない。不快なシチュエーションも含まれている。しかし、特殊能力を十分に生かしたエンタメになっているのは確かだ。個人的には、もっと軽い作品が読みたいが。
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フリーランスの産業翻訳者です。翻訳歴12年。趣味と実益(翻訳に必要な日本語の表現力を磨くため)を兼ねてレビューを書いています。サッカーファンです。
書評、500冊になりました。これからも少しずつ投稿していきたいと思います。
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- 出版社:実業之日本社
- ページ数:280
- ISBN:9784408537320
- 発売日:2018年11月08日
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